現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > ホンダ シビック1200RS(昭和49/1974年10月発売・SB1型)【昭和の名車・完全版ダイジェスト086】

ここから本文です

ホンダ シビック1200RS(昭和49/1974年10月発売・SB1型)【昭和の名車・完全版ダイジェスト086】

掲載 3
ホンダ シビック1200RS(昭和49/1974年10月発売・SB1型)【昭和の名車・完全版ダイジェスト086】

この連載では、昭和30年~55年(1955年~1980年)までに発売され、名車と呼ばれるクルマたちを詳細に紹介しよう。その第86回目は、スポーツマインドたっぷりの小気味よい走りで人気を得た、ホンダ シビック1200RSの登場だ。(現在販売中のMOOK「昭和の名車・完全版Volume.1」より

ハイパワー路線を捨てたと思われたホンダが
ファンに応えてラインナップしたホットモデル

ハイパワー至上主義をとっていたホンダが、大きく転換を図り始めたのが昭和45(1970)年前後だ。高回転かつ高出力のスポーツエンジンを売り物にしていたホンダは、まず昭和46(1971)年6月に軽自動車のライフを発売し、その上位モデルとして昭和47(1972)年7月にシビックを送り出した。

●【くるま問答】ガソリンの給油口は、なぜクルマによって右だったり左だったりするのか

軽自動車よりひと回り大きな台形フォルムのFF方式の2ボックスカーで、随所にヨーロッパ的な合理性を盛り込んでいる。ベーシックに徹した国際商品(グローバルカー)として開発され、コンパクトなボディの中に広いキャビンスペースと小気味良い走りを巧みにバランスさせていた。

注目のパワーユニットは新開発のEB1型4気筒SOHCだ。ボア70.0mm×ストローク76.0mmのロングストロークで、排気量は 1169ccとなる。デビュー当初は最高出力 60ps /5500rpm、最大トルク9.5kgm/3000rpmのベース仕様と、圧縮比を8.1から8.6に高めたGL用の69ps/5500rpm、 10.2kgm/4000rpm仕様が用意された。

そして昭和48(1973)年5月に☆(スター)レンジを持つ無段変速ATのホンダマチックを投入した。同時に高出力型エンジンを積むGLは、トルク特性の最適化を図り66ps/5500rpm、10.0kgm/3000rpmと し ている。

また、昭和48(1973)年12月には1.5Lの4ドアモデルを設定した。この時65ps/ 5500rpm、 10.5kgm/3000rpmのED型CVCCエンジンが加えられたが、かつてのホンダパワーを知るユーザーには、動力性能が物足りなかったのも事実だ。

そうしたホンダファンの声に応えて投入されたのがRSだ。RSは「ロード・セーリング」を略したもので、ハイウェイクルージングを意識した快速2ボックスとして位置づけられた。スタイリングはGLとほとんど変わっていないが、前後のバンパーにラバー製のオーバーライダーが装着され、155SR13ラジアルタイヤやブラック塗装のホイールでスポーティムードを盛り上げた。

リアにトランクを持つ2ドアと、ハッチゲートを備えた3ドアの2タイプがあり、ともに最低地上高は165mmと、GLより10mm低い。そのためルックスは安定感が増しスポーティなムードとした。

インテリアも大幅にグレードアップされている。間けつ式ワイパー、防眩ルームミラーなどが追加されて、ペダルもスポーティなレイアウトにアレンジされた。ダッシュボードには木目パネルが貼られ、2本スポークのステアリングやシフトノブもウッドとなる。もちろん、フットレストも標準装備だ。

エンジンはEB1型1169ccで、圧縮比もGLと同じ8.6だが、ケイヒン製のCVキャブを2連装し、 76ps/6000rpm、10.3kgm/4000rpmまでパワーアップされている。カタログスペックは平凡だが、アクセルレスポンスはすこぶるシャープで、6500rpmまでストレスなく回り切りホンダファンの心をつかんだ。トランスミッションはシビックとしては初めてとなる5速MTだ。

サスペンションは前後ともにストラット式の形式こそ変わらないが、こちらもハードに締め上げられ、フロントのバネレートは1.9kg/mmから2.52kg/mmに、 リア も1.36kg/mmか ら2.13kg/mmへ と、 30%ほど強化された。

ショックアブソーバーの減衰力もアップされ、峠道では水を得た魚のような軽快な走りを披露している。ブレーキはフロントがディスク、リアはリーディングトレーリングという当時のスポーティカーとしては標準的なものだ。

5速MTを介しての最高速は160km/h(カタログ値)である。当時の1.2LのFF2ボックスとしては、文句なしの動力性能といえるだろう。しかしそれ以上に楽しかったのがハンドリングだ。タックインなどクセのある部分もまだ強かったが、それを含めてマニア心をくすぐるFFスポーツならではの軽快な走りを存分に堪能できた。

シビックRSの走行性能は、サーキットでも存分に発揮され、当時常勝を誇っていたB110サニーを苦しめている。とくに富士スピードウェイで開催されていたマイナーツーリングでは群を抜く速さを見せつけ、シリーズチャンピオンに輝いた。

強烈なスポーツ魂を持ったシビックRSだったが、その寿命は短く、昭和50(1975)年8月のニュー・シビックCVCCの登場を機にカタログから姿を消したのは残念なことだった。

EPISODE<ホンダの小型乗用車第2弾>
ホンダの小型乗用車市場進出の第2弾がシビックである。当時の大衆車市場はFRの20カローラと210サニーが鎬を削る状態だったが、シビックはFFレイアウトによる圧倒的に広い室内と、3.5mしかない短い全長がもたらすキビキビした運動性能で独自のユーザーを開拓した。FF2ボックス車の先駆的な役割を果たした。

ON THE CIRCUIT
モーターマガジン誌:昭和50(1975)年1月号でシビックRSとチェリーGX、レオーネRXを筑波サーキットで比較。「RSのエンジンの吹け上がりは小気味良く、加速レスポンスはなかなかのもの。コーナーではデリケートな操作が要求されるものの3車の中では一番速い1分23秒33のラップタイムを叩き出した」とある。

ホンダ シビック1200RS(SB1型)諸元
●全長×全幅×全高:3650×1505×1320mm
●ホイールベース:2200mm
●車両重量:705kg(3ドア)
●エンジン型式・種類:EB1型・直4SOHC
●排気量:1169cc
●最高出力:76ps/6000rpm
●最大トルク:10.3kgm/4000rpm
●トランスミッション:5速MT
●タイヤサイズ:155SR13
●新車価格:76万5000円

[ アルバム : ホンダ シビック1200RS(SB1型) はオリジナルサイトでご覧ください ]

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油5円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

優れたラリードライバーならF1でもきっと戦える! 8度のWRC王者オジェは確信「ファンも見たいと思っているはず」
優れたラリードライバーならF1でもきっと戦える! 8度のWRC王者オジェは確信「ファンも見たいと思っているはず」
motorsport.com 日本版
新車150万円台で「5速MT」あり! イチバン安い「普通乗用車」どんなモデル? 「国産ダントツ安価」でも装備は必要十分! めちゃ“リーズナブル”な「トヨタ車」とは
新車150万円台で「5速MT」あり! イチバン安い「普通乗用車」どんなモデル? 「国産ダントツ安価」でも装備は必要十分! めちゃ“リーズナブル”な「トヨタ車」とは
くるまのニュース
“熊本~東京1300km” 電気自動車でも快適に移動できる「裏ワザ」とは? 新型「タイカン クロスツーリスモ」で体感! ポルシェらしい走りと遊び心に触れる旅
“熊本~東京1300km” 電気自動車でも快適に移動できる「裏ワザ」とは? 新型「タイカン クロスツーリスモ」で体感! ポルシェらしい走りと遊び心に触れる旅
VAGUE
[15秒でニュース]メルセデスAMG、初の電動SUVを市販化へ
[15秒でニュース]メルセデスAMG、初の電動SUVを市販化へ
レスポンス
軽自動車の6MT!! 2020年登場ホンダ[N-ONE RS]の中古ってどうなん
軽自動車の6MT!! 2020年登場ホンダ[N-ONE RS]の中古ってどうなん
ベストカーWeb
車両火災対策で「消火器」を積むなら「種類」に注意! 場合によっては人体に有害なものも存在する!!
車両火災対策で「消火器」を積むなら「種類」に注意! 場合によっては人体に有害なものも存在する!!
WEB CARTOP
エンツォフェラーリへ通じる「DNA」 マセラティMC20 長期テスト(2) 車重を測ったら1710kg
エンツォフェラーリへ通じる「DNA」 マセラティMC20 長期テスト(2) 車重を測ったら1710kg
AUTOCAR JAPAN
アプリリアの新型スポーツバイク『RS 457』、日本上陸 85万8000円
アプリリアの新型スポーツバイク『RS 457』、日本上陸 85万8000円
レスポンス
100kg軽い車重580kgのベーシック軽[新型アルト]が2026年に登場!? 軽量化と48Vスーパーエネチャージで勝負!!! 燃費は30km/L到達か!?
100kg軽い車重580kgのベーシック軽[新型アルト]が2026年に登場!? 軽量化と48Vスーパーエネチャージで勝負!!! 燃費は30km/L到達か!?
ベストカーWeb
レクサス新型「小型スポーツカー」がスゴい! “テンロクターボ”×初の6速MTを搭載! 最小SUV「LBX MORIZO RR」どんなモデル?
レクサス新型「小型スポーツカー」がスゴい! “テンロクターボ”×初の6速MTを搭載! 最小SUV「LBX MORIZO RR」どんなモデル?
くるまのニュース
ルーミーって…なんでこんなに売れてるの? どこがいいの???
ルーミーって…なんでこんなに売れてるの? どこがいいの???
ベストカーWeb
間違えると最悪車両火災の原因に! クルマのヒューズが切れたら「同色=同数値」のものに交換が必須!!
間違えると最悪車両火災の原因に! クルマのヒューズが切れたら「同色=同数値」のものに交換が必須!!
WEB CARTOP
トヨタWRC代表、勝田貴元にいよいよ“攻撃命令”。同点で並ぶヒョンデとのメーカー対決に向けて「攻めに転じる時がやってきた」
トヨタWRC代表、勝田貴元にいよいよ“攻撃命令”。同点で並ぶヒョンデとのメーカー対決に向けて「攻めに転じる時がやってきた」
motorsport.com 日本版
ローソン、ラスベガス予選はQ2敗退15番手「大きくスライドしてしまった。まあそれがなくてもQ3は無理だったけど……」
ローソン、ラスベガス予選はQ2敗退15番手「大きくスライドしてしまった。まあそれがなくてもQ3は無理だったけど……」
motorsport.com 日本版
新東名「最後の区間」どこまでできた? 過去最大規模の「トンネル湧水」発生も…どんどん造ってます!
新東名「最後の区間」どこまでできた? 過去最大規模の「トンネル湧水」発生も…どんどん造ってます!
乗りものニュース
オーナーは桐島ローランドさん 葉山町にオープンした新スポット『Felicity Cafe』とは
オーナーは桐島ローランドさん 葉山町にオープンした新スポット『Felicity Cafe』とは
バイクのニュース
マジか…? 新制度導入で「車検」通らないかも!? 10月から始まった“新たな車検”何が変わった? 覚えておきたい「OBD検査」の正体とは
マジか…? 新制度導入で「車検」通らないかも!? 10月から始まった“新たな車検”何が変わった? 覚えておきたい「OBD検査」の正体とは
くるまのニュース
70年代の“GTカー”が令和に復活!? 限定100台のミツオカ「M55ゼロエディション」ついに登場
70年代の“GTカー”が令和に復活!? 限定100台のミツオカ「M55ゼロエディション」ついに登場
VAGUE

みんなのコメント

3件
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

193.7235.2万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

25.0234.9万円

中古車を検索
シビックの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

193.7235.2万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

25.0234.9万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村