Ferrari 488 Challenge Evo
フェラーリ 488 チャレンジ Evo
フェラーリ 488 チャレンジに“Evo”登場! さらなる進化を果たしたワンメイクレースマシン
ダウンフォースを50%以上改善
フェラーリは、2019年10月26日にムジェロ・サーキットで開催中のフェラーリ・フィナーリ・モンディアーリの会場で「488 チャレンジ Evo」を発表した。
488チャレンジを2016年のデイトナで行われたフィナーリ・モンディアーリで初披露してから3年間、フェラーリはそのパフォーマンスを総合的に高めるべく開発を重ねてきた。
ターンイン&アウトをより鋭く
Evoが目指すのは、空力性能とダイナミクスの相乗効果を最大限に押し上げること。そのために、ピレリ製タイヤはもとより、ダウンフォースや電子制御システムが相互にバランスよく働くように煮詰めた。フロントにかかるダウンフォースを増やし、ターンインの挙動を改善するとともにコーナー脱出時のアンダーステアを軽減する。
F1-TCSおよびE-Diff 3に統合されているサイドスリップ・コントロール(SSC)の制御を空力性能と最適化。コーナリング時のアジリティと、コーナー出口でのトラクションを最大限に高めるよう改められた。
また、技術部門とフェラーリ・スタイリング・センターとの協働により、フロント周りのデザインを改良。空力効率を従来の488 チャレンジと比較して30%向上した。全体的にダウンフォースを増やしバランスを整えるため、フロントオーバーハング長も変更されている。ラジエーターグリルのエアインテーク部は延長し、バンバー中央のU型インテークがフロントブレーキ冷却のためのエアを送り込む。
大型のフロントスプリッターやバンパー側面の形状を見直すことで、空気の流れを改善。488 チャレンジに比べて全体のダウンフォース量は50%以上増しているという。
ワンメイクを制するための数々の施策
ボディサイドのドアミラー下部にも、インタークーラーへの空気流量を増やすやめの小さな“羽根”を増設。リヤバンバー側方部分にはFXX-Kを思わせる2分割のエアベントを設け、ホイールアーチ内へ空気が流れやすい設計とした。
エンジンのエアアウトレットグリルに新たに設置したエアベントや、リヤウイングに採用した“ノルダー”と呼ぶ突起形状もダウンフォース係数の改善に寄与する。
488 チャレンジ Evoはフェラーリのワンメイクシリーズ向けに開発されたモデルで、ドライバーがサーキットや天候に合わせて車高を変えることなくフロントのダウンフォース量を調整することを可能とした。
ブレーキシステムもあらゆる方向から見直しを実施。フロントのディスク設計を一新し、リヤのディスク径も拡大してブレーキの磨耗を大幅に軽減している。
フロントに275/675-19、リヤに315/705-19を装着したピレリ製のタイヤも7ヵ月近くをかけて開発。研究施設での実験はもとより、バレルンガやムジェロ、ポール・リカール、シルバーストーンなどヨーロッパの主要サーキットで時間をかけてテストを実施した。
ル・マンの勝利で得た知見も導入
内装にも、FXX-K Evoや2019年のル・マンでクラス優勝した488 GTEから得たノウハウを活かしている。パドルシフトを備えたステアリングホイールには、ドライバーが手を離すことなく様々な操作ができるよう人間工学に基づいてスイッチ類を設置。走行モード切替システム“マネッティーノ”に統合されたABSのマネジメントの見直しも実施している。ドライ/ウェットそれぞれに2モードを備えた合計4つの走行パターンを用意し、路面状況や天候に合わせて可能な限りのパフォーマンスとスタビリティを確保できるようにした。
2018年の英国ナショナルシリーズをはじめ、欧州、北米、アジア各地域での選手権で得たフィードバックを活かして488 GTEに導入されたリヤビューカメラシステムも搭載。後方視界を大幅に改善している。
488 チャレンジ Evoに採用するコンポーネンツは、既存のフェラーリモデルをアップグレードする目的で転用することも可能だ。
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