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スバルWRXが向かう新たな方向性について開発責任者に聞く、そして乗る。

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スバルWRXが向かう新たな方向性について開発責任者に聞く、そして乗る。

先日、伊豆・修善寺の日本サイクルスポーツセンターにてスバルWRXのメディア向け試乗会が開催された。

2.0リッターターボを搭載するWRX STIとWRX S4。前者は古くからあるポート噴射のターボエンジン「EJ20」に6速MTを組み合わせたモデルで、後者は新世代の直噴ターボエンジン「FA20」にリニアトロニック(チェーン式CVT)を組み合わせたモデルと、カタチは同じでも中身は別物。WRX STIがマニュアル操作を基本とした古典的なスポーツセダンなのに対して、WRX S4は先行車や車線に合わせてステアリング操作も行なう追従クルーズコントロール『アイサイト・ツーリングアシスト』を新機能として採用するなど未来的なスポーツセダン像となっている。

さて、その試乗会場ではWRXシリーズの開発を指揮する新PGM(プロジェクトゼネラルマネージャー)にお会いすることができた。新任者のお名前は五島 賢(ごしま さとし)さん、御年は47歳だ。ほぼ一年前の2016年4月より任についているという。WRXシリーズのPGMというと、自らモータースポーツを楽しんだり、はたまたWRCマシンの開発に関わっていたりと、ある意味で硬派なエンジニアが就いていた印象もあるが、五島さんは内装設計の出身で、ハードコアなモータースポーツとは縁がなかったのだという。

そうしたバックボーンの違いについて話を伺うと「運転については、スバルドライビングアカデミーという社内でのトレーニングプログラムに入って鍛えているところです。ただ、自分がPGMに選ばれたということは、前任者の先輩たちとは違うアプローチが求められていると認識しています」と五島さんは答えてくれた。

その言葉を聞いてから新型WRXシリーズに乗り込んでみると、なるほど新PGMの狙いが見えてくる。ドア内張りやシフト周りに扱いやすさへの配慮や上級シフトしたいという意思が込められているのを感じるのだ。

走り出せば、静粛性が増しているのが実感できる。ガラスの板厚アップや吸音材の密度アップといったハードウェアの進化に加え、ハイグロスブラックで統一したインテリアの雰囲気も大人びたもので、静粛性アップとあいまって落ち着き感を増したように感じるのだ。新たに19インチタイヤ採用したWRX STIであっても、けっして騒々しくはない。300万円台後半のプライスゾーンにあるモデルとしてふさわしい、いや価格以上の高級感をNVHの点では実現してきているといった印象を受けた。

ハンドリングについても、新しい方向性が感じられる。今回、リアタイヤの路面追従性を上げるべく、スタビライザーを細くするなど、しなやかな足回りを目指しているのだという。しなやかというのは、乗り心地とパフォーマンスを両立するためのキーワードで、たしかに、それらがトレードオフになっているわけではないことは短時間の試乗でも感じられた。具体的にはギャップをスムースにいなし、操作に対する遅れを感じることもない。少なくとも公道で気持ちよく走るといった範囲において目標は達成できていると感じた。

ただし、強いブレーキングではリアの接地感がスゥーッと失われていく感触は残っていた。これもけっして不満があるレベルではないが、スバルの最新プラットフォームを採用したインプレッサで同様の走りをしたときには、もっと四輪でグッと踏ん張っているように感じられるだけに、兄貴分のモデルとしてはがんばってほしいと思ってしまう。プラットフォームによる違いをセッティングで埋めるというのは難しいのだろうけれど、新型WRX STIが大幅にレベルアップさせた気持ちよく曲がる感触を味わうと、まだまだ伸びしろは残っているようにも思えるのだ。

(文:山本晋也)

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