現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 基本整備で数10万km耐える「2JZ」 トヨタ・スープラ(A80) UK版中古車ガイド(2) ストリートのアイコン!

ここから本文です

基本整備で数10万km耐える「2JZ」 トヨタ・スープラ(A80) UK版中古車ガイド(2) ストリートのアイコン!

掲載 2
基本整備で数10万km耐える「2JZ」 トヨタ・スープラ(A80) UK版中古車ガイド(2) ストリートのアイコン!

数10万kmは耐える2JZ型ユニット

4代目トヨタ・スープラに載る直列6気筒エンジン、2JZ型ユニットは基本的に堅牢。適切なメンテナンスを怠らず、過度なチューニングをしていなければ、数10万kmは耐える。包括的に点検整備を受けてきているか、記録を確かめたいところ。

【画像】英国仕様は330ps! トヨタ・スープラ 同時期の3000GTと300ZX 最新スープラにGR86も 全110枚

試乗時は、走行中やアクセルオフ時に排気ガスが過度に濁らないか目視する。黒煙が出る場合は、ターボチャージャーの不調が疑われる。

1基目のターボが機能していないと、4000rpm以下でブースト圧が上昇しない。2基目のターボの場合は、4000rpmで1度ブースト圧が落ちる。その後、再び徐々に圧力は高まるはず。

ブースト圧の不全が、必ずしもターボ自体の故障とは限らない。アクチュエーターの不調という可能性も疑われる。

英国仕様には、排気ガス再循環装置が装備されている。基本的には、エンジンを好調に保つうえで好ましい装備とはいえず、過去のオーナーによって取り外されている場合が殆どのようだ。

ノーマル状態のスープラは非常に数が少なく、改造された部分はその内容を確かめたい。純正状態に近い日本仕様のツインターボに過度なハイフローマフラーを組むと、ブースト圧が25psi以上へ上昇し、エンジンブローを誘発する場合がある。

排気触媒が外された例も存在するが、英国でも車検には通らない。事故でシャシーに被害が及んでいる場合もある。どこが純正状態でどこが改造後なのか、徹底的に調べたい。

低域トルク重視の日本仕様 英国の正規車は673台

1995年式以前の日本仕様では、フロントが2ポッド、リアが1ポッドのブレーキキャリパーが組まれている。後期の大径ブレーキへ交換可能だが、アルミホイールも17インチへサイズアップする必要がある。

英国仕様のブレーキは、初めからフロントが4ポッドで、リアが2ポッドキャリパー。性能は高く、高速域からのフルブレーキングを何度も繰り返せる余裕がある。

また日本仕様には小型のセラミックターボが組まれ、低域トルク重視。公道の速度域では扱いやすい。インジェクターやカム、ECUの設定も英国仕様と異なる。180km/hでリミッターが作動するが、簡単にカット可能なようだ。

ローダウンされた例も多い。もちろん、硬いサスペンションは乗り心地が犠牲になるのと同時に、ボディシェルにも負荷がかかる。

4代目スープラの生産数は、初年度から1994年までは多かったが、その後は鈍化。海外仕様の生産は1998年に終了する一方、日本国内向けには2002年まで続いた。総生産数の7割は日本市場向けで、55%を自然吸気エンジンが占めている。

英国へ正規輸入されたA80型は、673台。レッドやダークブルー、シルバー、ホワイト、ブラックと塗装は多彩で、レザーシートはブラックだけでなくベージュも選べた。日本仕様の場合、さらに選択肢は広かった。タルガトップのオプションもあったほど。

購入時に気をつけたいポイント

ボディ

サイドスカート裏側のサイドシル、リアのフェンダーアーチ、リアサブフレームとサブフレーム・マウント、荷室の床面フロア、テールゲートのガラス周辺、シートベルト・マウント付近が錆びやすい。リア・サスペンションアームとブレーキパイプも同様。

ラジエターサポートに燃料タンクカバー、燃料パイプの状態も確かめたい。

エンジン

2JZ型の直列6気筒エンジンは、基本メンテナンスを怠らなければ30万km程度はオーバーホールなしで軽く耐える。ターボチャージャーから僅かに高い回転音が聞こえ、ブースト圧が上昇するか確かめる。

タイミングベルトは、8万kmか5年毎の交換が推奨されている。ウオーターポンプも含めて、履歴を確かめたい。ミスファイアは、点火コイルパックの不調を疑う。エンジンオイル漏れは珍しくない。

ラジエターの腐食や、リザーバータンクからの漏れがないか調べる。ラジエタークーラントが白く乳化しているなら、ヘッドガスケットの劣化が原因だろう。エンジンマウントの状態もチェックポイント。

内装と電気系統

パワーシートの動きや、エアコンが正常か確かめる。ダッシュボードの警告灯と、トラクション・コントロールの動作も試乗で確認したい。英国仕様のレザーシートは、簡単に修理できる。日本仕様のトリムグレードは、英国仕様より幅広い。

サスペンションとブレーキ、ステアリング

ダンパーとサブフレーム・マウント、トランスミッションとデフのマウント、サスペンション・ブッシュの状態を確認する。パワーステアリング・ラックからのフルード漏れも調べる。

ハンドブレーキ・ケーブルは腐食しがち。キャリパーの固着は想定の範囲。タイヤの偏摩耗がないかも目視する。

トランスミッション

マニュアルの場合は、試乗で滑らかに変速できるか確かめる。シンクロメッシュの調子が悪いと、引っ掛かりが生じがち。クラッチの滑り、フライホイールの異音がないかも確かめる。オートマティックでは、スムーズに変速できるか確認する。

トランスミッション・フルードは、激しく運転することも考慮し、2万5000km程度で交換した方が安心。ドライブシャフト・ジョイントの摩耗にも注意したい。

トヨタ・スープラ(A80型)のまとめ

4代目トヨタ・スープラは、世界的に需要が大きい。オリジナル状態は、極めて入手が難しいと考えていいだろう。現在は、高値ながらある程度落ち着いているが、更に上昇する可能性は高い。欲しいと思ったら、早めに行動した方がベターだ。

購入後は過去の整備記録を遡りつつ、徹底的に状態を確かめ、必要な整備を施したい。相当ハードに乗られてきた例も多いといえる。

良いトコロ

映画の影響で、ストリートのアイコンと化した高性能クーペ。エンジンは堅牢で、純正部品も改造部品も入手はしやすく、英国にも得意とするショップは多い。

良くないトコロ

多くは改造され、中には残念な状態のものも。事故歴を持つスープラも珍しくない。過去の整備状態によっては、購入後の不調に悩まされる可能性はある。

トヨタ・スープラ(A80型/1993~2003年/英国仕様)のスペック

英国価格:3万8989ポンド(1994年時)
生産数:4万5230台
全長:4514mm
全幅:1810mm
全高:1275mm
最高速度:251-289km/h
0-97km/h加速:5.1秒
燃費:3.5-10.6km/L
CO2排出量:−
車両重量:1549kg
パワートレイン:直列6気筒2997cc ツイン・ターボチャージャー DOHC
使用燃料:ガソリン
最高出力:330ps/5600rpm
最大トルク:44.8kg-m/4800rpm
ギアボックス:6速マニュアル/4速オートマティック(後輪駆動)

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油5円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

スノーフレークマーク付きタイヤ以外で走ると違反!? ドイツの冬タイヤ最新事情を現地からお届けします【みどり独乙通信】
スノーフレークマーク付きタイヤ以外で走ると違反!? ドイツの冬タイヤ最新事情を現地からお届けします【みどり独乙通信】
Auto Messe Web
SUBARU BRZ R&D SPORT、またもブレーキにトラブル。最終戦鈴鹿に向け原因を調査へ
SUBARU BRZ R&D SPORT、またもブレーキにトラブル。最終戦鈴鹿に向け原因を調査へ
AUTOSPORT web
まさかの大逆転で3勝目、元嶋「死に物狂いで追いかけた」。小暮「最終戦もベストを尽くすだけ」【第8戦GT300決勝会見】
まさかの大逆転で3勝目、元嶋「死に物狂いで追いかけた」。小暮「最終戦もベストを尽くすだけ」【第8戦GT300決勝会見】
AUTOSPORT web
ちゃんと「サソリ」してる! アバルト600eへ試乗 プラットフォームから違う 新モーターで240ps
ちゃんと「サソリ」してる! アバルト600eへ試乗 プラットフォームから違う 新モーターで240ps
AUTOCAR JAPAN
【ポイントランキング】2024年WEC第8戦バーレーン終了時点
【ポイントランキング】2024年WEC第8戦バーレーン終了時点
AUTOSPORT web
【ポイントランキング】2024MotoGP第19戦マレーシアGP終了時点
【ポイントランキング】2024MotoGP第19戦マレーシアGP終了時点
AUTOSPORT web
坪井翔が「ドライは厳しいと予想」もまさかの優勝。山下健太「こんなにうまくいって大丈夫?」【第8戦GT500決勝会見】
坪井翔が「ドライは厳しいと予想」もまさかの優勝。山下健太「こんなにうまくいって大丈夫?」【第8戦GT500決勝会見】
AUTOSPORT web
タカラトミーの富山名誉会長に「旭日中綬章」 2024年秋の叙勲
タカラトミーの富山名誉会長に「旭日中綬章」 2024年秋の叙勲
レスポンス
元嶋、小暮のVENTENYが17番手からオーバーテイク連発の逆転優勝。LEONランキング堅守の2位【第8戦GT300決勝レポート】
元嶋、小暮のVENTENYが17番手からオーバーテイク連発の逆転優勝。LEONランキング堅守の2位【第8戦GT300決勝レポート】
AUTOSPORT web
こんなにあったの? 「普通」とは一味違う優雅なシューティングブレーク 21選
こんなにあったの? 「普通」とは一味違う優雅なシューティングブレーク 21選
AUTOCAR JAPAN
レクサス風フロントにバタフライドア…トヨタ「86」を唯一無二スタイルに! オーナーは北米仕様のサイオン「FR-S」からの乗り換えでした
レクサス風フロントにバタフライドア…トヨタ「86」を唯一無二スタイルに! オーナーは北米仕様のサイオン「FR-S」からの乗り換えでした
Auto Messe Web
ギネス世界記録のV8エンジン パガーニ・ゾンダ ケーニグセグCCXR(2) 400km/hへ誘う怪力!
ギネス世界記録のV8エンジン パガーニ・ゾンダ ケーニグセグCCXR(2) 400km/hへ誘う怪力!
AUTOCAR JAPAN
パガーニ・ゾンダ S ケーニグセグCCXR(1) 全身全霊で速さを引き出す 瞬間的で爆発的な加速!
パガーニ・ゾンダ S ケーニグセグCCXR(1) 全身全霊で速さを引き出す 瞬間的で爆発的な加速!
AUTOCAR JAPAN
もはや連覇目前。最重量のau TOM’Sが独走優勝でタイトル争いのライバル撃沈【第8戦GT500決勝レポート】
もはや連覇目前。最重量のau TOM’Sが独走優勝でタイトル争いのライバル撃沈【第8戦GT500決勝レポート】
AUTOSPORT web
【正式結果】2024スーパーGT第8戦もてぎ 決勝
【正式結果】2024スーパーGT第8戦もてぎ 決勝
AUTOSPORT web
バニャイアが優勝、マルティンが2位。24ポイント差でタイトル争いは最終戦へ/第19戦マレーシアGP
バニャイアが優勝、マルティンが2位。24ポイント差でタイトル争いは最終戦へ/第19戦マレーシアGP
AUTOSPORT web
全長5.2m! 最強SUV「ハマー」を愛する“ハマー女子”はどんな人!? 軍用車の血を継ぐ「超巨大SUV」なぜ選んだの? その魅力と「苦労話」を聞いてみた!
全長5.2m! 最強SUV「ハマー」を愛する“ハマー女子”はどんな人!? 軍用車の血を継ぐ「超巨大SUV」なぜ選んだの? その魅力と「苦労話」を聞いてみた!
くるまのニュース
北米トヨタが「“ランクル”のピックアップ」を世界初公開!? お手本は往年の“ランクル40” 斬新なコンセプトカー「ランドクルーザーROX」の正体とは
北米トヨタが「“ランクル”のピックアップ」を世界初公開!? お手本は往年の“ランクル40” 斬新なコンセプトカー「ランドクルーザーROX」の正体とは
VAGUE

みんなのコメント

2件
  • TagameX
    0-97km/h加速:5.1秒
























    なぜ100㎞/ℏじゃないんだろう?
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

499.5789.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

94.81780.0万円

中古車を検索
スープラの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

499.5789.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

94.81780.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村