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アルファードに勝つカギは「VCターボe-POWER」!! エルグランドが復権できる道はあるか!??

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アルファードに勝つカギは「VCターボe-POWER」!! エルグランドが復権できる道はあるか!??

 2023年は、ラージミニバンが熱いぞ!! アルファード・ヴェルファイア、そして、エルグランドのフルモデルチェンジに期待が高まる。そこで今回は、キング・オブ・ミニバンと称されたものの、販売失速中であるエルグランドの復権を考察する!!

文/佐々木亘、写真/NISSAN、TOYOTA、HONDA、ベストカー編集部

アルファードに勝つカギは「VCターボe-POWER」!! エルグランドが復権できる道はあるか!??

■2023年はラージミニバンの年か!? エルグランドは復権できるのか

2023年中の登場が予想されている新型エルグランド(画像はベストカーによる予想CG)

 かつてはキング・オブ・ミニバンと称され、高級ミニバンのトップリーダーだったエルグランドだが、近年はアルファード・ヴェルファイアの背中を追いかける存在になってしまった。

 エルグランドも巻き返しを図りたいところ。エクストレイルで好評だった新型e-POWERで、エルグランドは復権できるのか考えていこう。

 発売時期は未定だが、2023年中には登場すると予想されている新型エルグランド。ライバルであるトヨタのアルファード・ヴェルファイアも今夏フルモデルチェンジを予定しており、2023年はラージミニバンが熱い。

■良く出来たVCターボe-POWERはエルグランド復権のカギ

エクストレイルで搭載されたVCターボe-POWER。力強い走りや高い静粛性は新型エルグランドとの相性も良さそう

 2022年の販売実績はアルファードが6万225台、ヴェルファイアが2247台に対して、エルグランドは2214台とヴェルファイア単体にも及ばなかった。27倍にもなるアルファードの販売実績に対し、どうやって追いつき追い越すのか。

 カギはエクストレイルに搭載されたVCターボe-POWERが握りそうだ。

 2022年7月に登場したエクストレイルに搭載された、1.5LのVCターボエンジンのe-POWER。最高出力は106kW、最大トルクは250Nmを誇る。

 このエンジンはエクストレイルの北米版であるローグに搭載されたものをデチューンしたものだ。ローグ版のVCターボe-POWERは最高出力150kWを叩き出す。

 エクストレイルの車両重量はAWDモデルで約1.8トン、エルグランドの現行型は2.1トン近くになるが、ローグのe-POWERが新型エルグランドに搭載されれば、動力性能は必要充分だと思う。

 エクストレイルの登場時にも、1.5Lで大丈夫かという懸念があったが、乗れば充分すぎる動力性能を感じることができた。

 ライバルのアルヴェルよりも1000cc程度小さな心臓部だが、動きは良さそう。何よりVCターボになったことで、従来のe-POWERよりも格段に静かになり、高級ミニバン・エルグランドとの相性も高まっている。

 エクストレイルとは少し違うVCターボe-POWERが登場し、エルグランドの走りを大きく変えることが、打倒アルヴェルへの第一歩となりそうだ。

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■販売力ではガソリンモデルが優位! HEVだけではアルヴェルに追いつけない?

2023年6月に登場するとみられる新型アルファード(画像はベストカーによる予想CG)

 一つ気がかりなのは、エルグランドのグレード体系がe-POWERのみに統一される可能性がある点。エクストレイルは全車e-POWERとなり、ガソリンモデルがなくなっている。エルグランドのグレード体系も同様となると、打倒アルヴェルは難しそうだ。

 アルファード・ヴェルファイアに関しては、2.5Lハイブリッドと2.5Lガソリン(ヴェルファイアには2.4Lターボ)エンジンが搭載される予定。パワートレインの種類の差が、販売力の差に直結する可能性は否定できない。

 そもそも、ラージサイズミニバンの車両本体価格は高い。さらにHEVモデルになると、高額な車両本体価格がさらに上がってしまう。

 絶好調のアルファードでも、販売実績を支えるのは2.5Lのガソリンエンジンだ。HEVを選ぶことで60万円近く値段が上がるが、燃費が飛躍的に伸びるわけではない。HEVによる経済的な恩恵(燃料費の軽減)を受けにくいのがラージサイズミニバンHEVの難しいところ。

 さらに、日産ではリーフやノート、サクラといった電動車の値上げが続いている。エルグランドが電動車のみになり、価格がドンと引き上げられると、価格競争の時点でアルファード・ヴェルファイアに大きく先行されることは必至だ。

■アルヴェルに勝つためには真似ではなく特徴を引き出す必要がある

VCターボe-POWERに加えて、アルファード・ヴェルファイアにはない魅力をもった新型エルグランドの登場に期待したい

 エルグランドがキングと呼ばれていた時代、ライバル車とは異なるFRレイアウトが生み出す走りの良さが特徴的であり、エルグランドにしかない味があった。

 現キングのアルファードには圧倒的な居住性と煌びやかな内外装がある。いつの時代も、王者には、特筆すべき「中身」があるのだ。

 市場の需要に応え、年間6万台もの販売実績を出したアルファードに近づくため、良さを取り入れるのはいいが、全てが模倣になってしまっては、わざわざエルグランドを選ぶ意味がなくなってしまう。

 実質的にライバル不在となり、アルファードの独り勝ち状態だったラージミニバン市場だからこそ、エルグランドが付け入る隙は大きいと思う。エルグランドが市場に一石投じる姿を、筆者も見てみたいと思うし、多くのミニバンファンも期待しているだろう。

 特徴的なVCターボe-POWERに加えて、もう1つ、アルファード・ヴェルファイアが持っていないものを、エルグランドに作ることが、王者返り咲きには必須。逆に言えば、e-POWERだけでは勝ち切ることは難しい。

 日産が、新型エルグランドにどのような武器を与えるのか期待しながら、2023年のラージミニバン動向を注視していきたい。

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みんなのコメント

98件
  • 初代の頃のコンセプトに戻して武骨で硬派路線にすれば欲しいね。
    もうアルベルの高級路線はお腹いっぱいで飽きた。
    同じ路線はもう絶対に勝てない。
  • 屋根の高さを高くして圧迫感を無くし内装のパッと見の豪華感を出すだけでも売上は上がる気がする。
    悪く言えば車を分かっていない人が直感的に良さそうと思えるようにすればいいと思う。
    スポーツカーだってまずはカッコいいと思えないと候補に入らないのですから直感に訴えるは大事かなと。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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