構造が簡単なマイルドハイブリッド...いずれさまざまなバイクでの採用が予想される理由は?
ハイブリッド車と聞いて真っ先に想像するのはトヨタ「プリウス」のようなクルマですが、ハイブリッド技術はバイクにも取り入れられつつあります。
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代表的なのが、ホンダが国内向けに製造販売していた「PCX HYBRID」や、ヤマハが東南アジア向けに製造販売している「FASCINO125 Fi-HYBRID」です。
ただし、これらのバイクに採用されているハイブリッドシステムは、プリウスなどに採用される本格的なハイブリッドとは異なり簡易的なもの。では、具体的にどのような違いがあるのでしょうか。
プリウスなどに採用されているハイブリッドは「ストロングハイブリッド」と呼ばれる本格的なハイブリッド。このハイブリッドシステムの大きな特徴は、エンジンとモーターの両者を動力として使用していること。
バッテリーの充電が十分にあるタイミングであれば、モーターのみで走行することができ、燃費の向上に大きく貢献します。もちろん、バッテリーの充電がほとんどない時にはエンジンのみで走行することも可能。
ストロングハイブリッドは本格的な分、比較的大容量のバッテリーや、大きなモーターを必要とします。その分価格にも影響はあり、ガソリン車と比べて高くなりやすい傾向があります。
一方、先述のバイクで採用されているのは「マイルドハイブリッド」と呼ばれる簡易的なもの。「マイルド」とその名にある通り、ストロングハイブリッドと比べてモーターの出力は控えめになっています。
また、ストロングハイブリッドのモーターは単体で自動車を走行させられるのに対し、マイルドハイブリッドのモーターは基本的にエンジンを補助するのみにとどまっています。
マイルドハイブリッドはストロングハイブリッドと異なり、大きなバッテリーやモーターを必要としません。そのため重量や価格への影響が少なく、さまざまな車種で採用することができます。
特にヤマハが125ccのスクーターで採用しているハイブリッドシステムは、従来のバイクとおなじ鉛バッテリーから給電し、ジェネレーターと始動用モーターがひとつになった「スマートモータージェネレーター」をアシスト用モーターとして使用しており、旧来のバイクとほとんど変わらない構造のままハイブリッドシステムを実現させています。
なお、このようなマイルドハイブリッドシステムは軽自動車やスポーツカーなど、一部のクルマでも採用されており、バイクに特有のハイブリッドシステムというわけではありません。
ストロングハイブリッドを初採用したカワサキ
カワサキ「Ninja 7 Hybrid」は量産のバイクでは初となるストロングハイブリッドを採用しており、モーターのみで走行が可能になっています。
ちなみに、日産の四輪車「ノート Eパワー」のようにエンジンを動力源ではなく発電用としてのみ用いるハイブリッドシステムは、シリーズハイブリッドと呼ばれています。
エンジンで発電した電気でモーターを動かすというのは一見非効率ですが、速度やギアにかかわらず、そのエンジンのもっとも効率の良い回転数のみをつかうことができることや、回生ブレーキで減速時に充電できることを考えると優れた方式であるということができるかもしれません。
ただし部品点数が非常に多くなり、重量が増え価格も高くなってしまうため、バイクでシリーズハイブリッドは採用されていません。
※ ※ ※
東京都は2035年までに純ガソリン車の新車バイクの販売を禁止する方針を打ち出しています。EUに始まった脱炭素の環境規制の動きは世界中に拡大しており、今後規制はますます厳しくなっていくことが予想されます。
こうした潮流を考えると、マイルドハイブリッドを採用したバイクは今後ますます増えていくのでしょうか。
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みんなのコメント
その比較対象はマイルドハイブリッドだろ?パラレルやスプリットよりはシンプル。