現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > フェラーリだけじゃない! ケーニッヒが手がけたBMW「6シリーズ」とは?

ここから本文です

フェラーリだけじゃない! ケーニッヒが手がけたBMW「6シリーズ」とは?

掲載 更新 25
フェラーリだけじゃない! ケーニッヒが手がけたBMW「6シリーズ」とは?

■狂気のチューナー、ケーニッヒ・スペシャル

 日本でスーパーカーブームが湧き上がった1970年代、フェラーリやポルシェ、ランボルギーニといったメーカーに注目が集まっていた。

誰もが道を譲った!? バブル時代に憧れた極悪メルセデスとは

 ケーニッヒ・スペシャルは、そんなエキゾチックカーをメインにチューニングをおこなうことを目的に、1974年ドイツで創業されたチューナーである。

●1986 BMW「635CSi ケーニッヒ・クーペ」

 創業者のウィリー・ケーニッヒは、1961年にレーシングドライバーとしての活動を開始し、BMW「M1」やポルシェ「962C1」などでル・マンのチャンピオンとなり、30年以上にわたってレース活動を続けていた。

 そこで得た経験や知識を活かしたコンプリートカー開発は、たんなるエンジンパフォーマンスの向上だけではなく、エアロダイナミクスという面も融合させたものとなっていたのが特徴だ。

 ケーニッヒのクルマがもつ独特のデザインは、エアロダイナミクスの追求から生まれたものなのである。

 日本でケーニッヒが注目されるようになったのは、1990年代に入ってからだ。ヨーロッパではフェラーリやランボルギーニのチューナーとして知られるケーニッヒだが、日本ではメルセデス・ベンツC126型「500SEC」や、W210型「Eクラス」をベースとしたモデルが、その独特のスタイルから知られるようになっていった。

 あまりにも人気が高くなったケーニッヒであるため、一時はそのデザインをコピーしたボディキットも販売されていたほどだ。

 当然そのようなコピー商品は、たんに意匠を真似ただけのもので、クオリティも低く、それが本家であるケーニッヒの評価を不当におとしめたのは間違いない。

 さらにいえば、当時はチューニング、とくに車高に関しての制限が厳しかったこともあり、正式に輸入審査を受けたコンプリートカーはともかく、市販車をベースに、パーツを輸入してセットし、本家のコンプリートカーと同様のクルマを作るということが難しく、ノーマルとスタイルが違うというだけで違法改造車扱いをされるケースが多かった。

 これは他のチューナーブランドも同じで、こうしたクルマを運転していると、違反をしていないのにクルマを止めさせられ、職務質問を受けるということも散見された。

 ケーニッヒはその独特の、いってしまえば派手なデザインから、目をつけられやすかった、ということもある。同時にそのデザインが、クルマ好きの間では人気だったことも事実だ。

 しかし、ケーニッヒの派手なスタイルは、本来レース由来のものであり、コンプリートカーは高い走行性能を実現していたというのも事実である。

■ド派手なボディワークがケーニッヒの真骨頂

 今回ボナムスオークションに登場したのは、そんなケーニッヒが手掛けたBMW「635CSi」である。ネーミングは、BMW「635CSiケーニッヒ・クーペ」となる。

●1986 BMW「635CSi ケーニッヒ・クーペ」

 635CSiは当時、世界一美しいクーペと呼ばれていた。それをベースに、ケーニッヒはボディキットによって、シャープなウェッジラインを描いている。

 ワイド化されたフェンダーとボディパネル、そしてリアウイングは統一感をもってデザインされ、リアバンパーは大胆に跳ね上げられたことで、センターマフラーは丸見え状態となっている。

 これは、ボディサイドの空気をダウンフォースに活かしたいということと、フロア下を流れる空気を極力早く後方へと出すことで、フロアでのダウンフォース獲得を狙ったものだろう。

 もちろん、現代のクルマと比べると粗削りなデザインだが、当時の流体の解析はまだまだアナログだったことを思い浮かべてもらえれば、分かりやすいカタチ、といっていいだろう。

 そんな635CSiケーニッヒ・クーペが何台製作されたのかは、ケーニッヒに記録が残っていないために不明だ。ただ、イギリスには2台のみであったと伝えられているようだ。つまりこれは、その2台中の1台というわけだ。

 このオークションに登場する以前は、長年にわたって博物館で展示されていたとのことだが、博物館側の問題、おそらくは財政面の問題で高等裁判所から販売命令が出され、オークション販売されることとなった。そのため、公道を走るためには再整備が必要だが、再登録するための書類は付属している。

 クルマの機能的な状態は不明であるにもかかわらず、予想落札価格は1万5000-2万ポンド(邦貨換算約220万-300万円)と、写真で見る限りあまりコンディションが良くないことを考慮すると、いささか高価とも思える価格だ。

 これはクルマというものに文化的な価値を見いだす、文化的側面が英国にはあるからだろう。昨今、E30型「M3」と同じ時代のE24型「6シリーズ」の価格も上昇気味である。果たして、ケーニッヒが手がけたとされるレアな6シリーズにはどのようなジャッジが下されるのか楽しみである。

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油7円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

[15秒でニュース]カストロール&テイン、東京オートサロン2025に共同出展
[15秒でニュース]カストロール&テイン、東京オートサロン2025に共同出展
レスポンス
【カナダ】日産が新型「ムラーノ」初公開! 4代目は“全幅1.98m”の「超ワイドボディ」&パワフルな「ターボ」搭載! 斬新「横一文字」テールライト採用で出展へ!
【カナダ】日産が新型「ムラーノ」初公開! 4代目は“全幅1.98m”の「超ワイドボディ」&パワフルな「ターボ」搭載! 斬新「横一文字」テールライト採用で出展へ!
くるまのニュース
爆発寸前!? SHOEIが「J-Cruise 3」に追加するNEWグラフィックモデル「INSPIRED」を公開
爆発寸前!? SHOEIが「J-Cruise 3」に追加するNEWグラフィックモデル「INSPIRED」を公開
バイクのニュース
角田裕毅のレッドブル昇格チャンスは潰えたわけではない? ホーナー代表「必要となれば彼に頼ることができると思う」
角田裕毅のレッドブル昇格チャンスは潰えたわけではない? ホーナー代表「必要となれば彼に頼ることができると思う」
motorsport.com 日本版
816馬力を誇る“史上最強”のパフォーマンスモデル登場! メルセデスAMG「SL63 SEパフォーマンス」の価格は3350万円
816馬力を誇る“史上最強”のパフォーマンスモデル登場! メルセデスAMG「SL63 SEパフォーマンス」の価格は3350万円
VAGUE
後で悔やんでも遅い! 愛犬とドライブ旅行を重ねる意味と理由【青山尚暉のわんダフルカーライフ】
後で悔やんでも遅い! 愛犬とドライブ旅行を重ねる意味と理由【青山尚暉のわんダフルカーライフ】
レスポンス
まじかよ!「頭文字D」大好きグリアジンが大黒ふ頭でS660モデューロXに電撃試乗!!
まじかよ!「頭文字D」大好きグリアジンが大黒ふ頭でS660モデューロXに電撃試乗!!
ベストカーWeb
マイナーチェンジしたフィアット・ドブロのスペシャルサイトが公開
マイナーチェンジしたフィアット・ドブロのスペシャルサイトが公開
カー・アンド・ドライバー
2025年は「百福トミカ」で運だめし!干支やダルマ描いた、めでたい6モデルで新年を祝う!
2025年は「百福トミカ」で運だめし!干支やダルマ描いた、めでたい6モデルで新年を祝う!
グーネット
年末年始は愛車もキレイに!ハックから清掃用カーグッズなど3種の新商品【動画あり】
年末年始は愛車もキレイに!ハックから清掃用カーグッズなど3種の新商品【動画あり】
グーネット
メルセデスAMG SLに「SL63S Eパフォーマンス」を追加。フロントにV8ツインターボ、リアにモーターを搭載したPHEV
メルセデスAMG SLに「SL63S Eパフォーマンス」を追加。フロントにV8ツインターボ、リアにモーターを搭載したPHEV
Webモーターマガジン
「ホンダと日産の経営統合」報道をめぐりSNS激震、「社風が水と油」など厳しい意見も
「ホンダと日産の経営統合」報道をめぐりSNS激震、「社風が水と油」など厳しい意見も
レスポンス
外環‐成田の最短路「北千葉道路」の計画が一歩前進! “起点JCT”から伸びる区間に動きアリ 今どうなってる?
外環‐成田の最短路「北千葉道路」の計画が一歩前進! “起点JCT”から伸びる区間に動きアリ 今どうなってる?
乗りものニュース
「120万円」以上安い! トヨタ新「“8人乗り”アルファード」に大反響! 「最上級モデルの“半額以下”はオトク」「カッコイイ」「黒内装ステキ」の声! 最廉価の「Xグレード」に熱視線!
「120万円」以上安い! トヨタ新「“8人乗り”アルファード」に大反響! 「最上級モデルの“半額以下”はオトク」「カッコイイ」「黒内装ステキ」の声! 最廉価の「Xグレード」に熱視線!
くるまのニュース
BMW「アートカー」をペイントした職人が手掛けたスペシャルな「M1」が存在した! オークションで約7700万円で落札された特別な1台を紹介します
BMW「アートカー」をペイントした職人が手掛けたスペシャルな「M1」が存在した! オークションで約7700万円で落札された特別な1台を紹介します
Auto Messe Web
2025年躍進の吉兆か? 鈴鹿テストで好タイム連発のスリーボンド三宅淳詞、かつてない感触に高揚「これぞスーパーフォーミュラだ」
2025年躍進の吉兆か? 鈴鹿テストで好タイム連発のスリーボンド三宅淳詞、かつてない感触に高揚「これぞスーパーフォーミュラだ」
motorsport.com 日本版
【このエリーゼなんぼ?】ロータスらしい軽量+俊敏なサスペンション+ミッドシップの「ロータス エリーゼ クラブレーサー」販売中!
【このエリーゼなんぼ?】ロータスらしい軽量+俊敏なサスペンション+ミッドシップの「ロータス エリーゼ クラブレーサー」販売中!
AutoBild Japan
【5年ぶりの開催】苗場スキー場のゲレンデをスバル車で駆け上がる体験 「スバル・ゲレンデタクシー2025」
【5年ぶりの開催】苗場スキー場のゲレンデをスバル車で駆け上がる体験 「スバル・ゲレンデタクシー2025」
AUTOCAR JAPAN

みんなのコメント

25件
  • 最近はめっきりみなくなったね
  • テスタはカッコ良いと思ったが…
    その後に全く表に出てないって事は所詮張りぼてボディ屋さんだったんだろうな
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

1100.01462.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

57.8778.0万円

中古車を検索
6シリーズ クーペの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

1100.01462.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

57.8778.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村