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「680馬力+シーケンシャルミッション+クイックチェンジのD1GP級チェイサー降臨!」40代の復帰ドリフターがD1GPを目指した本気仕様【D1 LIGHTS】

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「680馬力+シーケンシャルミッション+クイックチェンジのD1GP級チェイサー降臨!」40代の復帰ドリフターがD1GPを目指した本気仕様【D1 LIGHTS】

D1グランプリマシンといっても過言ではないハイスペック仕様!

マシンを仕上げることでテクニックの向上に専念できる!

「680馬力+シーケンシャルミッション+クイックチェンジのD1GP級チェイサー降臨!」40代の復帰ドリフターがD1GPを目指した本気仕様【D1 LIGHTS】

D1グランプリシリーズへのステップアップを目指す選手たちが多数参加しているD1ライツシリーズ。そこで、やややりすぎ感もあるほどの超高スペックマシンを駆って参戦しているのが、今回紹介する笹山栄久(ササヤマ シゲヒサ)選手だ。

「18歳からドリフトはしてたんですけど、23才のときに仕事が忙しくなって、どうしても辞めざるをえなかったんです。同世代の人達がドンドン上手くなっていくのを見てて、当時はすごく悔しかったんですよね」と、振り返る笹山選手がドリフトに復帰したのは39歳の頃。33歳の時に独立して創業したという建築系外装業が軌道に乗り、余裕が生まれたことでドリフト再開に至ったわけだ。

時間も上手くやりくりして使えるようになったし、それなりに年齢を重ねたからこその財力もある。「当時はセフィーロにRB25エンジンを載せ替えただけでもウケたけど、今は走り方も違えばクルマの仕様も全然違うんです。それをイチから覚えるのも楽しいし、余裕もできたから練習にもたくさん行けるようになりましたよね」と、マシンは最新パーツをふんだんに導入してポテンシャルアップ。テクニックの向上に専念できるマシンが完成した。

現在は43歳になったという笹山選手が大会に出場するようになったのは、ドリフトを再開して割とすぐ。2016年には、D1競技の入門カテゴリーと言われるD1地方戦のセントラルシリーズに参戦するようになり、同年はD1東日本シリーズにも参戦してD1-Aライセンスを取得。2018年からはD1ライツシリーズに年間参戦するようになった。

笹山選手が目標とするのは、D1グランプリシリーズへの参戦。昨年はわずかにポイントが足りなくてD1-GPライセンスへの昇格申請ができなかったため、今シーズンもD1ライツシリーズへの年間参戦を決めたそうだが、開幕戦の備北で自身最高成績となる準優勝! D1-GPライセンスへの昇格申請がほぼ確定となる21ポイントをゲットしたのだ。

先日開催された第2戦のエビスでは、単走決勝敗退で追走進出はできなかったけど、来年のD1グランプリシリーズ参戦に向けて、今シーズンはD1ライツシリーズでさらなる上位を目指すという。

相棒であるJZX100のエンジンは、笹山選手の力量を知っているというオートーサービスモリの森さんに製作を依頼。2JZをベースにHKSのキットで3.4Lに排気量アップ。ヘッドには同社のハイカムを組み、GTX3584RSタービンをセットしている。ブーストはそれほどかけていないというものの、それでも最高出力680ps&最大トルク70kgmを発揮しているという。

昨年までは3.0Lのままの2JZ-GTEに、GTX4088タービンという組み合わせだったそうだが、今シーズンからはD1-GPライセンス取得に向け、戦闘力を大幅に引き上げたのである。

この変更には「排気量が上がった分、トルクが増えてすごく乗りやすくなったんです。アドバイスをくれる松井さんも澤田さんも『スピードスピード!』というレーシーな人達で、僕としても速いクルマを速く走らせるってのをテーマにしているので、それを実現させるのにも大正解なチューニングでしたね」と笹山選手も大満足だった。

さすがにリヤラジエター化はされていないので、ブリッツのインタークーラー、HPIのラジエターとオイルクーラーといったコア類はフロントまわりに配置されるものの、各所にウォータースプレーのノズルを配置して冷却対策も万全!

車高調はDG-5のオートサービスモリモデル。追加されたスカイライン純正の2POTキャリパーが油圧サイドブレーキ用となっている。

D1グランプリシリーズに参戦中のTEAM MORIがヴァリノタイヤに変更したことをキッカケに「履いてみないか」と森さんから誘われたため、今シーズンから笹山選手もタイヤを変更。ペルギア08Rの265/35-18を前後に履くようになった。タイヤは開幕戦の前から履いて練習できたこともあり、足のセッティングはかなり煮詰められたそうだ。

「レギュレーション的に“良い”とも“ダメ”とも書いていなかった」ということで、D1技術員とメールで写真をやりとりしつつ導入したクイックチェンジデフ。車速が出る走りを目指しているため「一番良い回転数を維持できるように」と、コースによってファイナルギヤをよく交換しているそうだ。LSDにはOS技研製を使っている。

ダッシュボードも純正で、ドアの内張りも純正のままなこと、そしてオールインワンのディスプレイを設置して追加メーター類を最小限にしているため室内がすっきりとした印象だ。ハンドルはモモドリフティングの33φで、シートはブリッドのジータIIIだ。ドリフト時に使うサイドブレーキは油圧化されており、純正のサイドブレーキは積載車などに乗せたときや停車時にのみ使っているという。

今シーズンからレギュレーションで義務付けられえたHANSに対応するためHPIのレーシングハーネスを新調。しかし「首がまわらないし、行きたいところが見られなくて…。心の目であっちかな~みたいなかんじですね」といまだに慣れないそうだ。

D1ライツマシンだというのに、ミッションはD1グランプリシリーズでも装着車の多いサムソナスのシーケンシャルを投入。クラッチはORC製を使用している。また夏場はクールスーツを着用するそうで、助手席側にあるは冷却用のクーラーボックスを固定している。

後輩のショップで製作してもらったというボディはワンオフのロールケージが張り巡らされてガッチガチに。助手席の後ろにはウォータースプレー用のタンクが設置されている。

開幕戦の備北では準優勝と、自身最高位を獲得した笹山選手。しかし、第2戦のエビスでは土曜日にトラクション性能がアップしたからかメンバーが歪んでしまうトラブルで公式練習を走れず…。日曜日の本番までにはトラブルも修復してセットもあるていど決めることができたものの、単走決勝2本目の最後にややドリフトが戻ってしまい敗退。ノーポイントという結果になってしまった。

昨シーズンからはドリフトを復活するきっかけにもなったという川島貴将選手と、日頃のメンテナンスやスポッターでお世話になっているD1GP選手・松井有紀夫のショップ・マツイモータースの頭文字から取った“M2 Racing”というチームを組んで参戦している。

TEXT&PHOTO:Daisuke YAMAMOTO

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