現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > いまどきの高性能スポーツ車は4WDだらけ! それでもホンダの「タイプR」がFFを貫くワケ

ここから本文です

いまどきの高性能スポーツ車は4WDだらけ! それでもホンダの「タイプR」がFFを貫くワケ

掲載 78
いまどきの高性能スポーツ車は4WDだらけ! それでもホンダの「タイプR」がFFを貫くワケ

 この記事をまとめると

■ホンダがFFにこだわりを持っている理由を解説

5人乗れない! 立駐に入らない可能性! 新型シビックタイプRの「知らなかった……」となりがちなこと4つ

■シンプル・イズ・ベストの思想に忠実な車両作りにFF駆動は最適だった

■4WDやFRとなると重量増加やプラットフォームを作り直す必要があった

 ハイパフォーマンスでありながらいまだにFF駆動である理由

 走りに特化したモデルは、走りや装備類に性能の凝縮感が現れ、これがスポーツ派ユーザーの心を捉えて魅了することになる。高性能感に浸れるスポーツモデルは、それだけで商品価値を持ち、各メーカーとも高性能モデルをリリースするわけだが、それらのなかでもひと際印象的な存在が、ホンダ一連の「タイプR」だろう。ベース仕様、ゴージャス仕様、スポーツ仕様と車種ごとにいろいろなグレードが用意されるが、その末席に加えられた「タイプR」を目にすると、他とは違う特別な「何か」を強烈に感じてしまう。

 走りに特化した「タイプR」が、初めてホンダ車に加えられたのは、1992年のNSX-R(のちにタイプR)だった。非常に高性能だが、限界付近のハンドリングにあいまいさを残す標準仕様車に対し、シャシー性能を引き上げサスペンションを締め上げたタイプRは、逆にNSXが持つ本来の性能を引き出しやすいクルマとして走り派の共感を集めていた。

 そして、第2弾のインテグラ タイプR(DC2型、1995年)、第3弾のシビック・タイプR(EK9型、1997年)と続き、現在もシビック(FL5型)でその存在感を強烈に放っている。

 さて、タイプRに共通する車両コンセプトだが、純粋に動力性能、運動性能の良化を意図したグレードで、言葉を換えれば、余剰なものを廃したシンプル・イズ・ベストの思想に忠実な車両作りと表現できるモデルだ。

 二輪車メーカーだったホンダが、四輪車の市場に足を踏み入れるきっかけとなったのはライトウェイト・スポーツのS360/S500/S600/S800のシリーズだった。構成メカニズムやエンジン性能は、さすがホンダと思わせる群を抜く水準のものだったが、あくまでニッチな市場が対象だった。ホンダの本格的な四輪市場参入となったは、小型セダン/クーペのホンダ1300だった。強制空冷(DDAC)の高出力エンジン、日本ではまだ珍しいFF方式を採用する特徴的なモデルだった。

 タイプRはこだわりを持ってFF駆動を極めている

 駆動方式にFFを選んだ理由は、小型乗用車の基本パッケージングとして、合理的かつ効率的な駆動方式と判断した結果だが、第1作目となったホンダ1300は、モデルとしての完成度に疑問が残っていた。これを払拭したのが次のモデルとなる初代シビック(EB型)で、ワイド&ローのシャシーディメンションを持ち、効率に優れたSOHCエンジンとの組み合わせで、新時代の小型車像を作り上げることに成功した。

 シビックシリーズには、このとき動力性能を強化したRS(ロードセーリング)グレードが追加され、走りのファンを喜ばせたが、その後排出ガス規制対策の時代を迎え、高性能モデルの登場が許されない時代がしばらく続くことになった。

 排出ガス規制対策が一段落した1980年代に入ると、高性能化の波が一気に押し寄せた。ホンダは一時期ターボ化で対応したが、パワーリニアリティに優れるエンジンは自然吸気方式と結論付け、シビック/CR-Xシリーズのホットモデルに新開発の4バルブDOHC、ZC型エンジンを搭載。その後、可変バルブタイミング方式のVTEC機構を開発し、ホンダエンジンの高性能ぶりを強く印象付けたが、駆動方式はホンダ1300以来、すべてFF方式が使われていた。

 ホンダは、合理的かつ効率的なことを高性能の原点と考え、量産車にはすべてFF方式を採用する方針で臨んできた。そして、そこに高性能エンジンや運動性能方向に振り込んだシャシーチューニング、簡素(スパルタン)な艤装類などでまとめたモデルとして、走りの「タイプR」を設定するにおよんだわけである。

 実際、歴代の「タイプR」に乗ってみれば、贅肉を削ぎ落とし、性能を研ぎ澄ました結果が、タイプRだと気付かされることになる。駆動系の重量によって動き自体が緩慢となる4WD方式、プラットフォームを新造しなければならないFR方式、パワーリニアリティの重視から過給機の装着は最近になるまで回避。走りに特化したホンダの「タイプR」は、ホンダ量産車技術の昇華を象徴するモデルとしての役割が課せられているようだ。

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油5円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

約270万円! ホンダ新型「“4.8m級”セダン」登場に反響多数! 斬新「光るボンネット」採用の「“迫力”顔マシン」に「近未来的」の声! 天井はほぼガラスな“超開放感”内装もスゴイ「L」中国で発売し話題に
約270万円! ホンダ新型「“4.8m級”セダン」登場に反響多数! 斬新「光るボンネット」採用の「“迫力”顔マシン」に「近未来的」の声! 天井はほぼガラスな“超開放感”内装もスゴイ「L」中国で発売し話題に
くるまのニュース
ドーナツターン追加や坂の角度が緩やかに。ラリージャパン2024豊田スタジアム特設コースの変更点をチェック
ドーナツターン追加や坂の角度が緩やかに。ラリージャパン2024豊田スタジアム特設コースの変更点をチェック
AUTOSPORT web
全長5m超えのレクサス高級「“3列シート”SUV」に反響多数! 堂々「カクカク」デザインに「憧れる」「カッコイイ」と熱視線集まる! 広々内装も魅力的な新型「TX」に「日本でも欲しい」の声も
全長5m超えのレクサス高級「“3列シート”SUV」に反響多数! 堂々「カクカク」デザインに「憧れる」「カッコイイ」と熱視線集まる! 広々内装も魅力的な新型「TX」に「日本でも欲しい」の声も
くるまのニュース
ポップで個性的なモンスター達が作り出す世界観! SHOEIが「Z-8」にNEWグラフィック「YAGYO」を追加
ポップで個性的なモンスター達が作り出す世界観! SHOEIが「Z-8」にNEWグラフィック「YAGYO」を追加
バイクのニュース
レクサスのレザーもリサイクルでグッズに、リョーサンがトヨタと共同開発
レクサスのレザーもリサイクルでグッズに、リョーサンがトヨタと共同開発
レスポンス
グリーンがアクセントの爽やかコスが素敵! SUPER GTのGreen Braveは2人の「埼玉GreenBraveサポーターズ」が応援します
グリーンがアクセントの爽やかコスが素敵! SUPER GTのGreen Braveは2人の「埼玉GreenBraveサポーターズ」が応援します
Auto Messe Web
【試乗】新型CR-Vの日本導入は水素燃料電池車のみ! 特殊なクルマかと思ったら実用性十分の「買いやすい」モデルだった
【試乗】新型CR-Vの日本導入は水素燃料電池車のみ! 特殊なクルマかと思ったら実用性十分の「買いやすい」モデルだった
WEB CARTOP
ベントレー マリナーの技が冴える「エクスプレッション オブ テクスチャー」。感性を刺激する「コンチネンタルGTスピード コンバーチブル」ベースの特注モデル
ベントレー マリナーの技が冴える「エクスプレッション オブ テクスチャー」。感性を刺激する「コンチネンタルGTスピード コンバーチブル」ベースの特注モデル
Webモーターマガジン
角田裕毅、F1ラスベガスGP初日は10番手「FP1は苦労したけど、改善できました。ポジティブな兆候です!」
角田裕毅、F1ラスベガスGP初日は10番手「FP1は苦労したけど、改善できました。ポジティブな兆候です!」
motorsport.com 日本版
クルマに付けてる「青地に車いす」マークに“法的効力”一切無し!? 「黄色いちょうちょ」と役割違う? 意外と知らない実態とは
クルマに付けてる「青地に車いす」マークに“法的効力”一切無し!? 「黄色いちょうちょ」と役割違う? 意外と知らない実態とは
くるまのニュース
日高前副会長の後任に、ヤマハ渡部克明会長兼社長が就任【日本自動車工業会】
日高前副会長の後任に、ヤマハ渡部克明会長兼社長が就任【日本自動車工業会】
バイクのニュース
50台限定の『ディフェンダー110』発売、アリゾナの自然を表現した「赤」採用 価格は1300万円
50台限定の『ディフェンダー110』発売、アリゾナの自然を表現した「赤」採用 価格は1300万円
レスポンス
ヒョンデに続いて韓国のKIAも日本に上陸! どんなクルマが揃っているのかチェックしたらデザインも中身も結構ヤバい!!
ヒョンデに続いて韓国のKIAも日本に上陸! どんなクルマが揃っているのかチェックしたらデザインも中身も結構ヤバい!!
WEB CARTOP
なぜ12気筒エンジンは魂を揺さぶるのか? アストンマーティン新型「ヴァンキッシュ」は快感以外のなにものでもない。【試乗レビュー】
なぜ12気筒エンジンは魂を揺さぶるのか? アストンマーティン新型「ヴァンキッシュ」は快感以外のなにものでもない。【試乗レビュー】
くるくら
ミツオカ、創業55周年記念車『M55』の市販モデルを正式発表。ローンチ仕様を100台限定で発売へ
ミツオカ、創業55周年記念車『M55』の市販モデルを正式発表。ローンチ仕様を100台限定で発売へ
AUTOSPORT web
初代NSXに存在した「やりすぎ」モデル! たった14台しか売れなかった「タイプS Zero」のストイックさに脱帽
初代NSXに存在した「やりすぎ」モデル! たった14台しか売れなかった「タイプS Zero」のストイックさに脱帽
WEB CARTOP
一体何が!? シーズン終盤のF1レースディレクター交代劇にドライバーたちも驚き「ちょっと奇妙だよね……」
一体何が!? シーズン終盤のF1レースディレクター交代劇にドライバーたちも驚き「ちょっと奇妙だよね……」
motorsport.com 日本版
VW、新型SUV「ティグアン」を発売 価格は487万1000~653万2000円
VW、新型SUV「ティグアン」を発売 価格は487万1000~653万2000円
日刊自動車新聞

みんなのコメント

78件
  • ある評論家が、「なぜシビックタイプRを4WDにしないのか」と聞いたら「それじゃシビックではなくなりますから」と答えたという。本当に合理性を考えたら4WDだけど、意地みたいなものだろうな。それでもきちんと成立させている所は意地の勝利(笑)。
  • CR-Xの世代のおじさんだが、ホンダ車はやはりライトウェイトスポーツであって欲しい。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

3200.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

1680.02480.0万円

中古車を検索
FFの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

3200.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

1680.02480.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村