QOROS、Lynk&Co、ボルグヴァルト(Borgward)、ビンファスト(Vinfast)……アジアに生まれたこれらの自動車メーカーの名前は、日本ではほとんど知られていない。20世紀末には「もう自動車メーカーは生まれない」と言われていたが、新興メーカーは生まれている。しかも以前には予測すらできなかった手法で生まれている。問題は成功できるか、だ。競争は激しい。
2017年にベトナムで誕生した新しい民族資本の自動車メーカー、ビンファストの工場が18年秋に完成した。港湾都市ハイフォンにある広大な埋め立て地に建設された工場だ。まず電動バイクの生産を始め、19年夏から4ドアセダンとSUVの生産を開始する予定だ。ビン・グループはベトナムの投資グループであり不動産業大手でもある。同社は設立趣意書のなかでベトナムに「ベトナム資本の自動車メーカーを誕生させたい」という思いを綴っていたが、同時に自動車メーカーは「確実に儲かる」との目算があったのだろう。
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ビンファスト最初の量産乗用車として発表された4ドアセダン「LuxA2.0」は、BMW5シリーズの旧型、F10型と呼ばれ09年から16年まで生産されたモデルのボディ骨格を使う。同時に量産が始まるSUVの「LuxSA2.0」はBMWX5の旧モデル、13年から生産され、つい先ごろ(18年10月)まで生産されていたF15型がベースである。これには少々驚いた。旧型とはいえ、BMWがプラットフォーム外販に乗り出したのである。
BMWは中国・華晨汽車との合弁会社にミニおよび2シリーズ・グランツアラー/アクティブツアラーで使用しているFFプラットフォームを提供し、BMWブランドの中国市場専用セダンとして量産を開始している。外観デザインはBMWが手がけた。しかし、ビンファストに権利を販売したのはBMW伝統のFRプラットフォームであり、内外装デザインはビンファストの自由という契約だった。
ベトナム生産されるF10プラットフォームが果たして旧5シリーズ用をそのまま踏襲しているかどうかは公表されていない。F10はボディ骨格に熱間成形鋼板やDP(二相=デュアルフェーズ)およびTRIP(三相=トライフェーズ)の高張力鋼を使用し、もっとも大きな力を受ける前輪ストラットタワーはアルミ鋳物製だ。接合にはレーザー線溶接と構造接着剤を多用するほか、ボンネットフード、フェンダー、4枚のドア外皮はアルミ合金製である。これらをビンファストが内製するのか、それともドイツから調達するのか、あるいは設計変更するのか。ここはまだ伝わってこない。
ただし、ビンファストに協力する企業のリストを見れば「F10の設計そのまま」でもモノになりそうな気がする。オーストリアのマグナ・シュタイアーとAVLはエンジニアリング部門で参画し、マグナは車両実験までを請け負っている。デザインはイタリアの名門・ピニンファリーナとイタルデザインが担当した。部品・ユニットのサプライヤーにはドイツ系が多い。この布陣は、中国の奇瑞汽車がイスラエルの投資会社と共同でQOROSAuto(観致汽車)を立ち上げたときに似ている。
QOROSの市販モデル開発は多国籍軍の仕事であり、たとえばボディの衝突安全性能はサーブ・オートモーティブから移籍したチームが手がけ、制御系の開発担当には日本人エンジニアもいた。資本は中国とイスラエル。実働部隊は欧米日のエンジニア。現時点では大成功と呼べるほどの販売実績ではないが、形態としてはまったく新しい自動車メーカーである。そしてこのQOROSを追って、似たスタイルの自動車メーカーがベトナムにも誕生した。それがビンファストである。
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