21世紀のスーパーカーはどんなふうに進化しているのか?? 自動車評論家の石川真禧照氏がじっくりしっかり動画付でお届けする当連載。今回は、レクサスのフラッグシップSUVであるLX600の中で、オットマン付きの豪華な後席を備えた4人乗り仕様「エグゼクティブ」をご紹介する!
●やっぱり「スーパーカー」が好き!! 自動車生活探検家・石川真禧照のスーパーカーワールド一覧
レクサス最高級の1800万円! LX600 エグゼクティブの後席空間が贅沢すぎた!!【石川真禧照のスーパーカーワールド】
文/石川真禧照、写真/萩原文博、動画/吉田海夕、コペル
■LXとして初めての4座独立仕様となる“エグゼクティブ”
レクサスは1989年の創業以来、母体であるトヨタとは一線を画すクルマづくりを実行してきた。LXもベースはランドクルーザーだが、独自の高級路線でユーザーを魅了している。日本では2015年に初代LXが導入され、車両本体価格が1000万円近いにもかかわらず販売も好調だった。
2022年1月12日に発売が開始されたレクサス LX600。今回試乗した4人乗りの豪華仕様「エグゼクティブ」の価格は1800万円
2021年10月、2代目のLXがワールドプレミア。その後、2022年1月に正式発表された。
搭載するパワートレインは3.5LのV6ツインターボガソリンエンジン(最高出力415ps/最大トルク650Nm)。燃費はWLTCモードで8.0km/L
GA・Fプラットフォームをレクサス車として初めて採用、エンジンはダウンサイズでV8、4.7LからV6、3.5Lツインターボガソリンエンジンを搭載。10速ATを組み合わせた。ランドクルーザー300に設定されたディーゼルはLX600にはない。
軽量化ではルーフなどにアルミ素材を用いるなどして、旧型にくらべ200kgも減量。ハンドリング向上のために構造用接着剤を採用するなど、世界の高級SUVと肩を並べる仕上がりになった。
もちろんオフロード性能もアプローチアングル、デパーチャーアングルをはじめ渡河性能もトップレベルに仕上げられている。いくつかの新装備もオフロード走破性に貢献している。
バリエーションも変化した。従来からのノーマル仕様(5/7人乗り)に加え、よりハードな走行を意識した「オフロード」仕様(5/7人乗り)と、最上級グレードとして「エグゼクティブ」(4人乗り)が加わった。
■後席はまるで旅客機のビジネスクラスを思わせる極上空間!
セパレートタイプのリアシートは最大48度のリクライニングができる。専用の読書灯やリアシートディスプレイ、専用のオーディオシステムなど快適装備が満載
さっそく、最上級グレードの「エグゼクティブ」に試乗した。
外観はノーマル仕様と大差ないように見える。違いは、リアシート用のドアを開けるとわかる。
明るい赤茶色の本革に囲まれたリアシートは左右完全なセパレートシートだが、その形状と動きがフツーではなかった。
定員は2名。大きな座面と背もたれは、通常のポジションでもやや寝かせ気味。しかも曲面を描いているので、体がスッポリと包みこまれるよう。当然、リクライニングするのだが、その動きもこれまでの乗用車にはない動きなのだ。背もたれが後方に動くのではなく、座面が前方に動き、背もたれがうしろに倒れる。当然、助手席のうしろでは助手席が前方に動き、後席のレッグスペースが確保される。助手席の背中にはオットマンが内蔵されている。
このシートの動きは、旅客機のビジネスシートの動きと同じだ。後方のスペース(この場合はリアのラゲッジスペース)を変えることなく、シートをリクライニングさせるという発想だ。
乗り心地も街中での低速では細かい上下動やゴツゴツ感もなく、高速では大きなうねりでも上下動は極力抑えられている。これもAVSの効果。レクサス史上最大の22インチタイヤにもかかわらず、乗り心地は上質だ。
今回の試乗では、本格的なオフロードには行けなかったが、この4人乗りエグゼクティブのリアシートは、どのような動きなのか試してみたい気がする。おそらく、ユーザーでそれを試す人はいないに違いないので、体験できなかったのは心残りだ。
リアシートでの居住性を確かめた次は、ハンドルを握り、走行性能を確かめることだ。
■余裕のある動力性能! ドライブモードはエコモードがベスト!?
フラッグシップSUVにふさわしい高級感のあるインテリア。寄木細工の美しさが映えるオーナメントパネルはエグゼクティブグレード専用
エンジンスタートは、標準仕様になっている指紋認証でスタートスイッチを押すことからはじまる。V6、3.5Lツインターボガソリンエンジンは、415ps、650Nm。10速ATはDレンジ、ドライビングモードはエコ/コンフォート/ノーマル/スポーツS/スポーツS+/カスタムをコンソールのダイヤルで選択できる。
ノーマルモードでスタートする。走り出しのトルクは太め。結構、勢いよく動き出す。これはコンフォートモードでも変わらない。もちろんスポーツモードでは、さらにアクセルレスポンスは鋭くなる。いろいろなモードでトライしてみたが、一番落ち着いていたのは、エコモードだった。エコモードでの走りが、もっとも自然な動きなのだ。街中ではエコモードを多用した。ハンドリングや乗り心地もエコモードのセッティングは、大人しく、好感が持てた。但し、燃費に関してはエコモードだからと言って期待してはいけない。
もちろん、このビッグSUVをスポーティに走らせることも可能だ。
車重2.6トンのかたまりが全開で走る姿はかなりの迫力だ。動力性能もトップクラス。
Dレンジでの0→100km/h加速は、7秒前後。V6、3.5Lツインターボは、6000回転まできれいに上昇して、加速する。エンジン音は2000回転から高まるが、4000回転を超えても耳障りな音は室内に入ってこない。
ちなみに5000回転まで各ギアで回してみると、1速45、2速75、3速100キロに達してしまう。
一方、100km/h走行では10速1300回転、9速1500回転、8速1700回転をキープしながら走行する。このときの燃費は8km/L台を記録した。
オフロード走破性はそのままに、街乗りでも優れた乗り心地を実現。まさに、世界最高峰のラグジュアリーSUVだ!
ワインディングでのLX600エグゼクティブは、それまでのジェントルな性格とは、別の顔を見せてくれる。コーナーではやや重めの操舵力で、切りこんでいくと抵抗は強め。ハンドルを保持する力もかなり大きくなる。運転するほうも迫力だが、それを車外から見ているのも迫力がある。但し、これはあくまでもLX600エグゼクティブの余興。
本来の姿は、エコモードで、ジェントルに走るのが似合っている。
動力性能に関しては、このクルマよりも速いスーパーSUVは何車種か存在している。しかし、安全性、快適性、運転のしやすさを考えると、レクサスLX600は世界のスーパーSUVのなかでもトップレベルに仕上がったラグジュアリーSUVといってよいだろう。
◆ ◆ ◆
※レクサスLX600は、先般からの半導体不足や部品流通の不安定化、世界中からの受注集中を受けて、現時点(2023年3月上旬)で、受注を停止しております。そうした時期に試乗記事を展開する可否について編集部で議論しましたが、レクサスLX600の車両としての魅力を伝え、一刻も早い受注再開を願うことも含めて、本記事を公開することにいたしました。重ねて、一刻も早いレクサスLX600の国内受注再開と、納期の平準化、短縮化を願います(ベストカーWeb編集部一同)。
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