この記事をまとめると
■スズキのスーパーハイトワゴン、スペーシア
軽商用車と思えぬ贅沢っぷり! 「スズキ・スペーシアBASE」の秘密基地感に妄想は膨らみっぱなし
■2代目にスペーシアベースが追加された
■スペーシアベースの特徴について解説する
自分だけの移動基地! スペーシアベースとは?
2023年11月にフルモデルチェンジで3代目となったスペーシア。先代モデルとなった2代目に追加された(2022年8月)のがスペーシアベースです。
スーパーハイトワゴンの2代目スペーシアをベースに、「遊びに仕事に空間自由自在」をテーマに開発されたスペーシアベースは、軽乗用車を元にしつつ室内空間、とくに荷室空間を重視するために4ナンバー商用バンとなりました。
リヤシートは快適性を捨て補助シートとわりきり、折りたたんだ状態で荷室を広々と活用できることを想定したクルマに仕立てるには4ナンバー化が最適だったのです。
いわばスーパーハイトワゴンの快適性を備えた前席と、4ナンバー商用バンが有する荷室空間を備えたクロスオーバーといえるモデルがスペーシアベースなのです。
スペーシアベースの特徴
荷室を重視し4ナンバー化
スペーシアベースの荷室はリヤシートを備えた状態で奥行きが735mm、格納した場合は1230mmとスーパーハイトワゴンにはない荷室スペースを備えているのが大きな特徴です。
また、のちほど説明するマルチボードで荷室を区切ると、手前と奥を分割することができるため、荷室に積載した荷物が室内側に侵入してくるのを防ぐことができます。
2代目スペーシアとは異なる外観
先程からお伝えしているよう2代目スペーシアをベースに開発されたスペーシアベース。ただ、外観は2代目スペーシアと大きく異なります。
まず、グリルはブラックパールで仕立てられ、ドアハンドルなども同色で統一されました。さらにもっとも大きく異なるのが、リヤウインドウにクオーターパネルを設けたこと。
3本のビード(半球状の溝)を刻んだクオーターパネルを設置したことで、スーパーハイトワゴンのスペーシアと比べて道具感が強調されています。
パワーユニット&安全性能
スペーシアベースに搭載されるパワーユニットは、R06A型直3エンジン。スズキ自慢のマイルドハイブリッドは用意されていませんが、燃費性能は21.2km/L(WLTCモード)と、商用車としてクラストップの低燃費性能を誇ります。
また、商用車化されたとはいえ、先進安全性能はスペーシア同様に充実。ACCこそ上級グレードのみの装備となりますが、衝突被害軽減ブレーキや誤発進抑制機能、後退時ブレーキサポートなどいまどきのクルマにほしい先進安全装備が用意されました。
荷室のマルチボードが便利!
スペーシア譲りの快適性と商用車譲りのユーティリティ
2代目スペーシアをベースとしたことで運転席&助手席の乗員は快適に移動できるのが特徴のスペーシアベース。
運転席にはシートヒーターを標準装備。助手席にも一部グレードを除きシートヒーターが備わりました。
また、助手席は前倒し機構が備わっていることで、テーブルシートの背もたれをテーブルとして使用が可能。もちろん助手席を前倒することで長い積載物を乗せることができるため、レジャーなどにも活用できます。
ただ、スペーシアベースは快適性を備えるだけでなく、レジャーで使い勝手がいいユーティリティ性能も誇っているのが特徴。荷室側面にはリヤクォーターポケットを備え、それらのまわりには計10カ所のユーティリティナットを装備。一部グレードにはオーバーヘッドシェルフが用意されています。
多彩な活用術を実現したマルチボード
基本的にリヤシートは倒したり格納した状態で利用することとなるスペーシアベース。マルチボードを活用し、多彩なシートアレンジを可能としています。
4つのモードを用意! マルチボード活用法
スペーシアベース最大の特徴といえるのがマルチボード。荷室側面に設けられた上中下3つの溝(ステー)からスライドしてボードを差し込むと、多彩なシーンで最適なラゲッジ空間を生み出すことができます。
上段モード
ラゲッジボードを荷室側面の上段溝に設置すると、ラゲッジルームがボードを机として使用できるデスクスペースに!
中段モード
ラゲッジボードを荷室側面の中段溝に設置することで、ラゲッジルームを上下二分割に仕切ることができ、荷物を上下にわけて積載することができます。
下段モード
ラゲッジボードを荷室側面の下段溝に設置することでラゲッジルームと倒した前席がフルフラットなスペースとなることで、車内泊に最適な空間となります。
前後分割モード
ラゲッジボードを荷室中央に設置した溝を利用し縦に設置することで、荷室を前後二分割に分けることが可能。ペットを乗車させる際、最適なモードです。
まとめ
ホンダ・N-VANやダイハツ・アトレーをライバルとするスペーシアベース。ただ、それらと決定的に違うのが、4ナンバー車でありつつパーソナルユースメインで開発されたクルマだということです。
ライバル車のひとつであるN-VANをレジャー目的で購入するユーザーもいますが、メインは商用として使用するモデル。
そうなると、最大のライバルとなるのはアトレーですが、同車は軽商用バンをベースに開発されたことで、軽乗用車をベースとしたスペーシアベースほど快適性は備わっていません。
ダイハツ・タントファンクラスなどハイトワゴンやスーパーハイトワゴンをベースとして趣味使いに適すよう開発されたモデルはいくつかありますが、荷室の広さにこだわり、しかも快適性を備えたスペーシアベースはオンリーワンの存在といえるでしょう。
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