スズキは1月30日、ジムニーの5ドアモデル「ジムニー ノマド」を発表しました。まずはその背景と実車を見て確認できた5ドア化のメリットや価値についてレポートします。
ジムニーの人気ぶりがもたらした5ドア化の道筋
ジムニーは1970年の初代登場から世界累計販売台数が349万台を超える、スズキの中でもトップランナーのひとつです。言わずと知れたタフなオフローダーとして唯一無二のポジションを確立してきたジムニー、その現行モデルのJB64型は2018年に登場しました。ダウンサイザーの増加やSUVブーム、パンデミック以降に高まったアウトドア需要など、時節的背景も重なって高い人気を獲得。そして驚くべきは、これまで大きな改良はほとんど行われていないのに、今でも納期待ちが心配されるほど人気であり続けていることです。
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なぜ本格オフローダーがこんなに人気を集めるのでしょう。きっとジムニーで林に分け入り、その優れた耐久性やオフ性能の真価をいかんなく発揮するユーザーはそれほど多くないはず。ではなぜか? それは人々が「ジムニー」という不変的なキャラクターに惚れ込んでいるからです。スズキによると、都市部に住み、山岳地帯に赴くことのほとんどない、ジムニーをファッション的に駆るユーザーが多いそう。つまり多くのユーザーは日常のアシとして、通勤や買い物へ出かける移動手段でジムニーを採り入れているということになります。
そうなると、こうしたシティユーザーは当然、ジムニーシリーズに対してユーティリティ性や積載性能の拡大を要望します。そこで世界中から要請の声が多かった「5ドアモデルの追加」を決断、まずは生産国に選ばれたインドで先行発売されたのち近隣諸国で販売を開始しました。そして、いよいよ日本へ導入される運びとなりました。つまり、このジムニー ノマドは日本仕様も含めてインドで生産されます。
実車を通して感じたジムニー ノマドの魅力
ジムニー ノマドは3ドアのジムニー シエラをベースに、全長およびホイールベースを340mm延長していますが、その恩恵のほとんどをリアシートの居住性とラゲッジルーム容量の拡大に充てているのが特徴です。
エクステリアはジムニー シエラの雰囲気を完璧に残したまま、ごく自然にドアが2枚追加されているという印象。つまり車体の延長によって不安視されるデザインの胴長感はなく、ジムニー シエラの黄金比的なデザインを巧く継いでいます。一方で、フロントグリルはノマド専用で、ガンメタリック塗装とメッキ品で覆われた5スロットグリルはジムニーの武骨なイメージから一転、フラッグシップとして高級感を演出したいという意志が感じられました。
インテリアの造形もまた、ジムニーシリーズと共通です。ナビゲーションシステムは2DINサイズを用意する必要がある点も共通しています。ここは可能であれば、新型スイフトやフロンクスなどで採用された「全方位モニター付メモリーナビゲーション・スズキコネクト対応通信機」の搭載を期待したいところでしたが、それは叶いませんでした。
そしてジムニー ノマドのフロントシートに座り、意外な発見がありました。それは、ドア化でフロントドアの長さが短くなると同時に、前席のシートベルト位置が前方寄りになり装着しやすくなったという、5ドア化ならではのベネフィットです。特に既存のジムニーシリーズのユーザーからすると、地味に羨ましいポイントかもしれません。
さて、待望の「リアドア」を開けて乗り込むと、開口下部の長さが300mm確保されており、乗降時の足の運びは良好です。シートに座ると掛け心地が良いうえ、ヒップポイントが高く設計されたことで前方視界が広く圧迫感は少ない印象。肝心のニースペースは、ジムニーベースの後席だと考えると望外に広く、実用十分のスペースを確保していました。
ラゲッジルームはシエラ比で350mm荷室長が伸びています。これはシエラに備わる防汚タイプのラゲッジフロアが取り除かれたことでラゲッジルーム自体の面積が拡大しているうえ、ホイールベースの延長が奏功しているようですが、そのおかげで一般的なコンパクトSUVと遜色のないスペースを確保していました。何より、4名乗車時で荷物が十分積み込めるのは5ドアならではの魅力にほかなりません。
人気必至のノマド、気になる走りは・・・?
このようにジムニー ノマドは「たって2枚ドアが増えただけ」で、大きな可能性を秘めたコンパクトSUVに仕上がっていました。月間販売台数は1200台を予定していますが、それを大きく上回るのは確実でしょう。そう断言できるのは、ジムニーシリーズのブランド力あってこそです。そして同時にジムニー ノマドは、ラダーフレームを有する5ドアコンパクトSUVという、他に類を見ない稀有な存在として、大注目の一台といえます。
価格は5速MTは265万1000円、4速ATは275万円ということで、同社フロンクスとほとんど変わらないプライスタグを掲げています。フロンクスも販売から半年あまりが過ぎ、依然として人気好調の声を聞きますが、2025年におけるスズキのコンパクトSUV市場の席巻ぶりは、これまで以上に注目したいところですね。
そして気になる走りはというと、残念ながら確認することができませんでした。ですが開発担当者に走りについて聞くと、ホイールベースの延長によりジムニーでこれまで味わえなかった「しっとり感」を体感できます! と力強いコメントを聞けました。それは実に期待できる知らせですね。気になった方は4月3日の発売以降、ぜひご確認いただきたいと思います。
最後に、ジムニー ノマドの実車解説動画をモーターマガジン社が運営するYouTubeチャンネル「モーターマガジンmovie」にて公開中です。サイズ感や使い勝手など、ぜひ動画でもご確認ください。
スズキ ジムニー ノマド 主要諸元
●全長×全幅×全高:3890×1645×1725mm
●ホイールベース:2590mm
●エンジン:直4DOHCガソリン
●総排気量:1460cc
●最高出力:75kW(102ps)/6000rpm
●最大トルク:130Nm(13.3kgm)/4000
●トランスミッション:4速AT/5速MT
●駆動方式:4WD
●車両重量:1180kg(5速MT)、1190kg(4速AT)
●タイヤサイズ:195/80R15
●WLTCモード燃費:14.9km/L(5速MT)、13.6km/L(4速AT)
●車両価格:265万1000円(5速MT)、275万円(4速AT)
[ アルバム : スズキ ジムニー ノマド はオリジナルサイトでご覧ください ]
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みんなのコメント
いないから売れそうだね。3ドアとの価格差が
結構あるのと納期が3ドアと同じように長期化
しそうな点は気になるけど。