AMG 4.0L V8ツインターボとして最高馬力
最高出力は、モデルラインナップでの位置付けと結びつくことが多い。アストン マーティンDBX707の最高出力は707psもある。メルセデスAMG由来の4.0LツインターボV8エンジンが発揮した馬力としては、過去最大の数字となっている。
【画像】圧倒的な動的能力 アストン マーティンDBX707 競合する高性能SUVと写真で比較 全154枚
すなわち、アストン マーティンのフラッグシップSUVでの頂点に君臨する。その下のグレードへ、かなりの差を付けて。
間違いなく、最も高性能でもある。単にエンジンのパワーを上げて、車高を下げて、足まわりを引き締めただけではない。アストン マーティンが、全面的に手を加えた改良版といってもいい。SUVのDBXが、総合的に良くなっている。
といっても、そもそもの仕上がりが悪かったわけではない。2年ほど前にAUTOCARで実施した詳細テストでも、90点という高得点を残していた。
アストン マーティンは、更に上を目指したのだ。新CEOにトビアス・ムアース氏が就任すると、手始めにスポーツカーのヴァンテージを大改良。本来あるべき内容へと仕立て直した、F1エディションを投入した。
続いてムアースの目に止まったのが、売れ筋となるDBX。14か月の開発期間が費やされ、グランドツアラーとしての快適性を犠牲にすることなく、フラッグシップとして大幅に能力が高められたのだ。
既にシルバーストーン・サーキットで、プロトタイプへは試乗している。今回は、完成した量産版のステアリングホイールを握らせていただいた。
本物のスポーツカーといえる能力
通常のDBXからの視覚的な変化は、かなり大きい。フロントのデイタイムライトの位置を変更し、冷却効率が高められている。空力特性も見直され、ドラッグを減らし、高速域での安定性も磨かれている。
リアスポイラーは、実際に機能する部品として手が加えられた。SUVだとしても、スポイラーが必要な速度で走れるためだ。
F1マシンのようなディフューザーがリアバンパーの下に追加され、両脇に2本出しのマフラーが並ぶ。DBX707の後ろ姿は、かなりの迫力。機能を備えたデザインがゆえに、勇ましさも負けていない。
アルミホイールは23インチもある。その奥にはフロントが420mm、リアが390mmという巨大なカーボンセラミック・ブレーキディスクが鎮座している。
足元が放つ存在感によって、クルマ全体のプロポーションも凛々しさを増している。バネ下重量は、標準のDBXより約40kgも軽いそうだ。
もちろん、外からは見えないシャシー側へ施された改良も多岐に渡る。「本物のスポーツカーといえる、機敏なコーナリングやスポーティなフィーリング」を与えたと、アストン マーティンが主張するほど。
サスペンションは、基本的な構造に変更はないものの、完全にチューニングし直されたという。ステアリングは設定が見直され、感触を向上させるとともに、切り始めからの重み付けが改められた。
707psを感じさせない上質なマナー
アクティブ・ライド・コントロールや電子制御デフ、四輪駆動システム、スタビリティ・コントロールなどの電子デバイスもアップデートされている。日常的な乗りやすさを損なわず、敏捷性を高め、スポーツカーらしさを獲得するために。
シャープになったシャシーとタッグを組むのが、たくましいV8ツインターボ・エンジン。新しいインダクション・システムとボールベアリング・ターボが組まれ、最高出力は157ps増しの707psに、最大トルクは20.4kg-m増しの91.6kg-mへ引き上げられた。
それほどパワーアップしたエンジンだから、始動時にも勇ましいひと吠えで目覚めるだろう、とご想像かもしれない。だがアストン マーティンの技術者は、あまり下品なことはお好みではない。
社交的なボリュームで、4.0LのV8ツインターボは目覚める。ただし、スタートボタンを押す前にシフトパドルを1度引いておくと、始動時に周囲へ驚きを与えることもできる。オーナーの要望へ応えるように。
市街地などに適した速度域で運転している限り、荒々しさも殆ど感じられない。デフォルトとなるドライブモード、GTモードを選んでおけば、普段使いにも問題なく順応できるはず。
主要な操作系の重み付けは適正で、運転席からの視認性も良好。リラックスしたスピードでのドライブを、DBX707は自然にこなせる。707psの最高出力や、310km/hの最高速度からイメージするような、緊張感はまったくない。
静かに、ゆったりと移動できる。オリジナルのDBXが備える長所を、そのまま受け継いだようだ。
この続きは後編にて。
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