現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > クルマの味は「アシ」が命! ダンパーにこだわったクルマ好きの生態

ここから本文です

クルマの味は「アシ」が命! ダンパーにこだわったクルマ好きの生態

掲載 更新 24
クルマの味は「アシ」が命! ダンパーにこだわったクルマ好きの生態

ひと味違う走りを楽しむための必須アイテムだった

 Auto Messe Webをご覧の皆さんには今さら説明は不要だろうが、ダンパーはクルマの走りの味を決める要のパーツだ。近年では電子制御サスペンション、アクティブサスペンションなど、技術の幅が広がり、いわゆるチューニングの領域もさまざまなアプローチがみられる。

「アルミホイール」がマニアの証だった時代! 「カタログ」でニマニマした「昭和のクルマ好き」の生態

 とはいっても、クルマの“アシ”を決めるのはやはりダンパー次第。少し前の話になるがそれまでダンパーの内製にこだわっていた某輸入車ブランドの新型が、新たに社外の大手サプライヤーのダンパーを使うようになった。その話を聞いたのは試乗後だったが、なるほど乗りながら「なんかこれまでとは違うよなぁ」と感じていたのだった。ダンパーとはそういうものだ。

スプリングの動きを抑えるのがダンパーの役目

 編集部からこの記事の依頼を引き受けておきながら、筆者はダンパーの専門家ではないからあくまで経験談だが、筆者は一般公道を走らせる乗用車にあってはダンパーには“乗り心地”を第一に求めている。直近でいうと目下の愛車はツインエアの普通のチンク(フィアット500)だ。このクルマはよくいえば小気味よくリズミカルな走りっぷりがよさだが、ホイールベースが2300mmと短めなコンパクトカーということもあり、どうしてもピッチングが起きやすいところが宿命。

 とくに走らせて観察していると、トーションビーム式(純正のスタビライザー付き)のシンプルなリヤサスペンションが大きな入力があるとグッと路面から押し戻されやすく、それが繰り返されるような場面では決して乗り心地がいいとは言えなくなる。下から覗くとダンパーが驚くほど斜めになって取り付けられており、無茶な姿勢で仕事させられている感は見れば実感させられるところではあるが……。

 そこで調べて、ビルシュタインの“B4”と呼ぶ、もっともベーシックな純正交換タイプ(色も黒)のダンパーに替えてみた。すると低速からクゥンクゥン! としっかりとダンパーがサスペンションの動きを受け止めてくれ、タイヤ空気圧の調整との併用でかなり乗り心地が整えられた。

 交換前はイタリア車のチンクにビルシュタインなんて魂をドイツに売るみたいでいかがなものか……とも思ったが、背に腹は代えられない、というと大袈裟だが替えたのは正解だった。B4はかなり手ごろに入手できる手段を見つけて買った。

タイヤ、ホイールと来たら次はダンパーという通り道があった

 調整ということでは、1990年頃にNAロードスターに減衰力調整式のコニを入れて乗っていたこともあった。写真にカタログと一緒に写してあるのはその時の“調節用ダイヤル”だが、これも走りながら前後のバランスを調整するなどして、自分好みのハンドリングと乗り味を探って楽しんだ。

 この時はスプリングも交換(確かレーシングビートだった)、タイヤも標準の60をあえて65に変えるなどして、ロードスターの走りを自分好みに仕立てた。

 その前はかなり以前、70年代後半の話だが、いすゞ117クーペにコニ・スペシャルDと呼ばれる赤いダンパーを装着。この時代は国産車の純正ダンパーに飽き足らず、とにかくコーナーでロールが少なくなることを最大の目的にそうしていたような気がする。

 写真のカタログはそんな70年代以降のものだが、ご覧の通りダンパーの構造やメンテナンスの方法まで紹介されていて、今見てもなかなかマニアックなムードが漂う。コニのページには“J・スチュワート以来、12年間もF1のワールドチャンピオンマシンは、すべてコニを装着”などと誇らしげに書かれていたり。そういえばコニ・スペシャルDはオイル式で、2~3万km走行ごとの調整により減衰力が戻せるのが売りだった。

 今はチューニングメーカーだけでなく、自動車メーカー自身が用意するオプションとして、そのクルマにアジャストしたダンパーが用意され、手軽に安心してカタログモデルとはひと味違う走りが愉しめたりもする。タイヤ、ホイールと来たら次はダンパー……そんなマニアの通り道があったような気がする。

こんな記事も読まれています

6月25日20時からの『脇阪寿一のSUPER言いたい放題』は豪華ゲストと前半戦をプレイバック
6月25日20時からの『脇阪寿一のSUPER言いたい放題』は豪華ゲストと前半戦をプレイバック
AUTOSPORT web
276万円って破格すぎ!! ソツなく仕上げた[カローラクロス]! コスパ最強と言えるワケ
276万円って破格すぎ!! ソツなく仕上げた[カローラクロス]! コスパ最強と言えるワケ
ベストカーWeb
【ポイントランキング】2024年WEC第4戦ル・マン終了時点
【ポイントランキング】2024年WEC第4戦ル・マン終了時点
AUTOSPORT web
三菱「デリカミニ」「eKスペース」一部改良 華やかなピンクを採用した2トーンカラー追加
三菱「デリカミニ」「eKスペース」一部改良 華やかなピンクを採用した2トーンカラー追加
グーネット
世界最速EVが誕生!「アウル SP600」が最高速度438.7km/hを達成
世界最速EVが誕生!「アウル SP600」が最高速度438.7km/hを達成
グーネット
高速乗るから空気圧上げなきゃ!! ってもう過去の話!? 空気圧を変えなくてよくなったワケが納得すぎ
高速乗るから空気圧上げなきゃ!! ってもう過去の話!? 空気圧を変えなくてよくなったワケが納得すぎ
ベストカーWeb
車内を素早く冷却!首振り機能付き車載サーキュレーター登場!マックスウィン
車内を素早く冷却!首振り機能付き車載サーキュレーター登場!マックスウィン
グーネット
ホモロゲーション延長でマクラーレンに「余裕」。LMDhプログラムは2027年参戦開始を目指す?
ホモロゲーション延長でマクラーレンに「余裕」。LMDhプログラムは2027年参戦開始を目指す?
AUTOSPORT web
設置したままで洗車OK!走りながら発電するソーラーパネル先行販売 ジャクリ
設置したままで洗車OK!走りながら発電するソーラーパネル先行販売 ジャクリ
グーネット
HRCからザルコも走行。デイタイムはDucati team KAGAYAMA、夜間にYARTヤマハが最速タイム記録/鈴鹿8耐テスト 1日目
HRCからザルコも走行。デイタイムはDucati team KAGAYAMA、夜間にYARTヤマハが最速タイム記録/鈴鹿8耐テスト 1日目
AUTOSPORT web
BMW 動画配信サービス「U-NEXT」の視聴が可能に!車内のスキマ時間を有効活用
BMW 動画配信サービス「U-NEXT」の視聴が可能に!車内のスキマ時間を有効活用
グーネット
EV充電×グルメ! 地図アプリ「おでかけEV」にグルメサイト「EVごはん」閲覧サービス実装
EV充電×グルメ! 地図アプリ「おでかけEV」にグルメサイト「EVごはん」閲覧サービス実装
グーネット
ル・マン決勝前日に完成。シャシー交換で蘇ったJOTAポルシェが8位入賞「完走できると思ってなかった」
ル・マン決勝前日に完成。シャシー交換で蘇ったJOTAポルシェが8位入賞「完走できると思ってなかった」
AUTOSPORT web
ちょっと前まで200万円台だったポルシェ964が20倍以上に!? やっぱりポルシェは値下がりしない説は本当か?
ちょっと前まで200万円台だったポルシェ964が20倍以上に!? やっぱりポルシェは値下がりしない説は本当か?
ベストカーWeb
おお、もしや新型パジェロでは!?!? クラウン風ライトで超絶高級になる予感
おお、もしや新型パジェロでは!?!? クラウン風ライトで超絶高級になる予感
ベストカーWeb
なんちゃってセレブが650馬力の新型ヒョンデ「アイオニック5N」を駆る!「とにかく一度乗ってみて。ヒョンデのイメージが変わるわよ~」
なんちゃってセレブが650馬力の新型ヒョンデ「アイオニック5N」を駆る!「とにかく一度乗ってみて。ヒョンデのイメージが変わるわよ~」
Auto Messe Web
【プロvs素人】データを重ねたら一目瞭然! フォーミュラカー走行で実力差の出るポイントは一体どこなのか
【プロvs素人】データを重ねたら一目瞭然! フォーミュラカー走行で実力差の出るポイントは一体どこなのか
motorsport.com 日本版
アルファ・ジュリアやジャガーFタイプも狙い目 今なら半額!な有能「中古」モデル(3) 高速サルーン/クーペ編
アルファ・ジュリアやジャガーFタイプも狙い目 今なら半額!な有能「中古」モデル(3) 高速サルーン/クーペ編
AUTOCAR JAPAN

みんなのコメント

24件
  • 今車は10万キロは当たり前の時代になってきたので、今度はショックアブソーバー。ATオイル等、必要交換部品を変えて20万キロを乗ろうと思っている。ショックアブソーバーはポン付けできる社外品にしてどのくらい乗り心地、走行性能が上がるか試してみようと思っている。
  • ダンパーを高性能化するのも大事だけど
    同じ位にスプリングも大事です。
    高反発、中反発、低反発、線径、巻き数、巻き方
    長さ等コイルスプリングも奥が深い。
    本来はコイルスプリングに合わせたダンパー選び
    となるので、ダンパーだけで完結させるのは
    帯に短し襷に長しになっちゃう。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村