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特殊機能が付いた軽トラ「特装車」とは 意外と奥が深い軽トラックの世界

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特殊機能が付いた軽トラ「特装車」とは 意外と奥が深い軽トラックの世界

■これはスペシャル! な軽トラックが「特装車」

 小回りが効き、身近な物流を支え続けている軽トラック。決して特別なクルマではなく、街でよく見かける存在であるほか値段も安価で、商用車のなかでは比較的親しみやすい存在です。

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 ところで軽トラックのなかには「特装車」というジャンルがあり、軽トラックを製造するメーカーは特装車をラインナップしています。「特装車」とはいったいどんなクルマでしょうか。

 軽トラックの特装車とは、車体後半の荷室や荷台となる部分に変更を加えて、荷物を積むこと以外の付加価値を加えたクルマです。

 本来の特装車の意味としては、自動車メーカーが生産した普通のクルマに対して、特定用途のために改造を施したクルマのことを指しますが、軽トラックは荷台部分を改造する場合がほとんどです。

 現在、軽トラックの開発・製造を行っているスズキ、ダイハツ、ホンダの軽トラックにはそれぞれ特装車がラインナップされています。そして、3社に共通する特装車のジャンルとしては3つの種類があります。

 ひとつ目は「ダンプ」と呼ばれるジャンルです。荷台の前方が上へ持ち上がり、滑り落とすように荷物を降ろすことができる仕様となっています。

 建設現場では大型ダンプが土砂を運ぶ光景もよく見かけられますが、軽トラックの特装車では土砂の積載が可能な仕様と不可な仕様がそれぞれそれぞれ存在します。

 また、農業・畜産などを想定した仕様や、廃棄物を積載するための仕様など、用途ごとに仕様が細かく別れているので、どういった用途で使いたいのか明確にすることが必要です。

 ふたつ目は「リフト」や「リフター」と呼ばれるジャンルです。これは重い荷物を荷台の高さまで垂直に持ち上げるリフトが装着された軽トラックを指します。主に電化製品や農機具などを積載することが想定されています。

 最後に紹介するのが、荷台部分に冷蔵機能や冷凍機能が内蔵されているジャンルで、メーカーによって名称は異なりますが、「食品シリーズ」(スズキ)や「保冷・冷凍シリーズ」(ダイハツ)、「フレッシュデリバリー」(ホンダ)などと呼ばれています。

 想定される運搬物は食品や生花などで、荷物にあわせた庫内温度を設定することが可能です。庫内にはスノコが設置されており、荷物が水に触れないよう配慮されているほか、水抜き用の穴が庫内にあるなど、普通の軽トラックとは異なる装備が数多くあります。

 ※ ※ ※

 軽トラックの特装車のメリットは、用途にあわせて欲しい特殊機能を、ユーザーが安価に手に入れられる点です。

 今回紹介した3メーカーの特装車をみると、「ダンプ」と「リフト」についてはおよそ120万円から150万円前後の価格設定(すべて消費税込)となっています。冷蔵タイプや冷凍タイプのクルマはやや平均価格が高くなりますが、それでも一番高い仕様で200万円前後です。

 また軽自動車ということもあり維持費が安い点も、ユーザーに優しいといえるでしょう。

 比較的身近な「はたらくクルマ」といえる軽トラックは、さまざまなバリエーション展開で今日も私たちの生活を支えてくれています。

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