日本のコンパクトカーの名門「マーチ」が、海外で超絶進化しているのをご存じだろうか。マーチの海外版「マイクラ」は、すでにマーチとは別の道を歩み始めており、見た目も大きく成長している。
マイクラを日本導入しないのはもったいなさ過ぎる!! というかたはとても多い。筆者も同じ意見だ。だが、そう簡単にはいかない事情もある。
高級車ブランドはレクサスだけ! 日本では売れない? なぜ日産とホンダは海外展開だけなのか!?
今回は、マイクラの全貌をここで改めて確認しつつ、日産がマイクラを日本導入しないわけについて考察していく。
文:吉川賢一
写真:NISSAN、RENAULT
【画像ギャラリー】日本のコンパクトカーの名門!! 日産マーチの歴代モデルを写真で振り返る
低コスト車から、上級小型車へ
現在、欧州で販売されているマイクラは、K14型。マイクラは、K13型までは日本で販売されているマーチと同じデザインであったが、2017年に欧州のマイクラのみがモデルチェンジし、国内マーチとは切り離された。2021年3月時点でも、日本のマーチはK13型のままだ。マイクラは、ルノーが所有するフランス・パリ近くのフラン工場にて生産され、そこから欧州全体へ輸出されている。
ボディサイズは全長3999×全幅1743×全高1455mm、ホイールベース2525mm K13に対して全幅は78mmも拡大されている
K13マーチは、K12マーチが成功したことを受け、デザインはキープコンセプトで、価格を限界まで安くし、アジア圏を中心により多くのお客様の手に届くように、と開発された。日産がVプラットフォームと呼ぶシャシーを使っており、コスト削減のため、極限まで装備を削り落とされたクルマだ(落とし過ぎて魅力に欠けるクルマとなった…)。
K14型は、このVプラットフォームを欧州向けに大幅に刷新、欧州Bセグメントに求められる要件を満たすべく、サスペンション含め見直されたクルマだ。
(※編集部注/本原稿の上記部分は当初「K14型はCMF-Bプラットフォームを採用」と書かれておりましたが、それは筆者の思い違いと編集担当者の知識不足による誤りです。正しくは上記表記のとおり、K14型は「欧州向けに刷新されたVプラットフォーム」を採用しております。ご指摘いただいた関係者の方に感謝するとともに、謹んで訂正し、謝罪いたします。申し訳ありませんでした)
マイクラのインテリア 写真のモデルは6速MTだ
さらに、スポーツコンパクトへと進化!!
K13マーチよりも、全幅を拡大しつつ全高を低くしたことで、ワイドアンドロ―なスタイルを手に入れた。ボディサイズは、K13に対して全幅が78mm拡大されて1743mmとなり、ノートの1695mmよりもずっとワイドとなっている。ちなみに、VWポロやルノークリオといったライバルも1750mmと、欧州ではBセグメントのコンパクトカーもこのくらいの全幅だ。
全高も1455mmと、K13に対して60mmも低くなり、低く構えたようなスタイリングとなった。「これぞスポーツコンパクト」といったスタイリングで、日本のクルマ好きにも大いに受け入れられるであろう。
リアのスタイリングも新鮮 Cピラー周りのデザインは、ZE1リーフや新型キャシュカイにも似た形状だ
エンジンは、排気量1.0リッターの直列3気筒ターボ。100ps/160Nmの「IG-T 100」と、117ps/200Nmの「DIG-T 117」だ。前者には5速MTもしくはCVT、後者には6速MTが用意されている。燃費は、44~52.1 mpg(15.6~18.4m/L)、CO2排出量は123~145g/kmと、2021年のCAFE規制(95g/km)に対しては未達のため、今後、パワートレインの見直しが入る可能性が高い。
ちなみに、英国価格は、13,995ユーロ(エントリーグレードVISIA+)から19,045ユーロ(最上級グレードTEKNA)、日本円だと182~247万円ほどだ。仮に、日本導入となった場合は、関税や輸送コストなどで、さらに高くなることになる。
スポーツモデルのN-Sportには、ブラックカーボンの外装パーツ、17インチタイヤホイール、合成皮革シート、リアビューカメラ、リアパーキングセンサーなどを搭載する
国内にマーチは必要でもマイクラは必要ではない
これほど魅力的なK14マイクラだが、残念ながら日本登場の可能性は限りなく低い。「元マーチ」であるマイクラではあるが、ヒエラルキーはノートと同等以上であり、すでにマーチとは別の道を歩み始めたマイクラには、マーチの役割は果たせない。
日産の販売ラインアップのなかで、かつてのマーチの役割を担っているのは軽自動車のデイズとルークス どちらもヒットしているが、軽自動車だけに車両価格や維持費(つまり販売店の売上)が比較的安価であることや、ほかの日産車へのステップアップが期待できるかどうかがポイントか
マイクラは、国内導入してほしいクルマではあるが、日産の国内ラインアップを考えたとき、マイクラでは、日産車内で喰い合いが起きてしまう。それよりも、これまでの「マーチ」のような、Aセグメントの超コンパクトカーがほしいところだろう(ルノー・トゥインゴのプラットフォームで作れないだろうか)。トヨタヤリスに真正面から、ぶつかっていってほしい。
マーチの穴を埋めるには、マイクラではダメ ボディサイズは維持したコンパクトカーが欲しいところだ
ルノートゥインゴをOEMして新型マーチとして売るのはどうだろうか? RRのマーチというのは面白いと思う!!
また欧州生産のため、ロジスティック分で価格アップすることも懸念点だ。1.0リッターガソリンエンジンのみのモデルが300万円弱にもなることが予想され、もし仮に、そこにe-POWERでも搭載されようものならば、320万円オーバーにもなるはず。BMW1シリーズもみえてくる価格帯だ。残念ながら、K14 マイクラを日本へ導入することは、難しいだろう。
このマイクラのように、日産の海外専売モデルには、カッコいいものが多く、日本導入を熱望されているクルマは他にもある。可能性は低いが、これらのクルマをオーテックが輸入して日本仕向けに改装して販売するような、ドラスティックな手段もあってほしいと思う。日産が、一気に盛り返そうとしているいまこそ、そのタイミングだ。
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みんなのコメント
ホント、カッコいいんだもん。
日産の社員は一体どう思っているんだろうか?
パルサーとして売ったらどうだ。