日本では新型アウディA3が発表されたばかりだが、本国ではすでにそのハイパフォーマンスバージョンであるRS3の開発が最終段階に入っている。ここでは次期RS3に採用される新デバイス、トルクスプリッターの威力を確認した。(Motor Magazine2021年8月号より)
5気筒の点火順1-2-4-5-3をあしらったカモフラージュボディ
昨今の自動車メーカーによる内燃機関(ICE)からの離脱タイミング宣言は、日に日に厳しい内容になっている。ドイツの自動車専門紙「(アウトモビルヴォッヘ)」は、アウディのマルクス・デュースマン社長は2026年以降はHEVも含むICE搭載のニューモデルは開発、そして生産販売は行わないと経営会議で宣言したと伝えている。
●【くるま問答】ガソリンの給油口は、なぜクルマによって右だったり左だったりするのか
こんな状況の下で間もなく発表される、アウディのハイパーコンパクトRS3のプロトタイプ同乗試乗会が開催された。スポーツバックそしてセダンともに、カモフラージュをまとった2021年モデルのボディサイドには、1-2-4-5-3の文字が並ぶが、これは搭載されている直列5気筒ターボエンジンの点火順序を表している。
エクステリアは、キープコンセプトでブーメラン型のLEDデイドライビングライト、両側にワイドなエアインテークを従えたハニカムシングルフレームグリルがパワフルな威圧感を与えている。
2.5Lの排気量からは最高出力400ps、最大トルクは500Nmを絞り出す。さらにRSパフォーマンスバージョンでは、450psまで引き上げることも可能で、トランスミッションは7速DCT(Sトロニック)、もちろんクワトロ、4WDシステムを搭載する。
プレス用の資料によれば0→100km/hの加速所要時間は3.8秒、最高速度は250km/hでリミッターが介入するが、RSダイナミックパッケージのオプションを注文すると、このセグメントでは最速の290km/hまで引き上げられる。
サーキットでパフォーマンスを発揮するトルクスプリッター
シャシは、ベースモデルと共通のフロントにストラット、リアはマルチリンクの組み合わせで19インチのスポーツタイヤが標準、オプションではセミスリックのピレリPゼロトロフェオも装着可能である。テスト車には、オプションのRSロゴの入った真っ赤なブレーキキャリパーが付くセラミックブレーキが装備されていた。
インテリアは、未公開で残念ながらカバーが掛けられているが、アルミとカーボンのアプリケーションでスポーティに仕上げられている。スポーツシートはやや幅に余裕があるので快適で、それでもコーナーでは身体をしっかりとサポートする。そしてスポーツステアリングホイールは下縁がフラットになっているタイプだ。
今回初公開された新技術のトルクスプリッターは、リアデフの両側にフランジされた2基の多板クラッチでトルクを無段階に左右の車輪に振り分けることで、アンダーステアを低減するというもの。
また各センサーから送られたさまざまな運転状況および路面情報を感知し、そこから計算された駆動力を振り分けることによって、ブレーキを利用することなく安定した走行追従性を発揮する。従来のトルクベクトリングシステムに比べると構造がシンプルで作動速度が速く、確実なのである。
ドライブを担当した開発エンジニアのフランク・スティップラー氏は元レーシングドライバーでニュルブルクリンク24時間レースでの優勝経験もある。
ダッシュボードに取り付けられたテスト用のモニターを示しながら「実際のウエット路面でのドライブでは確かにアンダーは少なく、またブレーキが介入しないので安定した姿勢で高い速度を保ちながらダイナミックなハンドリングを楽しめます。さらに新たに採用された『レーシングモード』では、コーナーでほぼニュートラルな姿勢を保ち、サーキットで間違いなく最高のパフォーマンスを発揮することができますよ!」と語りながら見事なドリフトコントロールを見せてくれた。
最後のハイパーコンパクトスポーツになりそうなニューRS3シリーズは、間もなくドイツで発表されると同時に予約注文が始まり、今秋から欧州全域でデリバリーが開始される。価格はまだ発表されていないが、およそ6万ユーロ(約800万円)をわずかに下回るとの情報が流れている。日本での販売は、早くても2022年の春頃になりそうである。(文:A・オーステルン<キムラ・オフィス>/写真:キムラ・オフィス)
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みんなのコメント
中身ワーゲンだし。