この記事をまとめると
■かねてから噂となっていたSUVタイプの「センチュリー」がついにデビューを果たした
【速報】国産車史上もっとも高級なSUVが君臨! トヨタがセンチュリーのニューモデルを世界初公開
■トヨタは新型センチュリーをSUVではなく22世紀のシューファーカーと位置付けている
■新型センチュリーはテーラーメイド的にさまざまな仕様を作り上げることができる
SUVではない、これが新型の「センチュリー」だ
まだまだ残暑厳しい2023年9月6日、東京・有明アリーナにてトヨタ・センチュリーがワールドプレミアされた。アルファード/ヴェルファイアが発表された際に、その存在が明らかとなっていた通称センチュリーSUVの世界初公開にふさわしい大舞台だ。
と、思いきや新型モデルには”SUV”といった文字はなく、ステージ上に登場した新型センチュリーは、シルエットこそ2BOX的だが、けっしてSUVという雰囲気ではなかった。
センチュリーはトヨタの誇りが詰まった名前であり、モデルである。有明アリーナに降臨した新モデルはまさしくセンチュリーであって、それ以上でもそれ以下でもない「ザ・ショーファー」と呼ぶにふさわしいニューモデルだった。
いうまでもなく、センチュリーというのは「100年」を意味する英語である。じつは1967年に誕生した初代センチュリーには、トヨタの祖といえる豊田佐吉氏の生誕100周年に由来するという意味も込められていたという。
それでは、新型センチュリーがその名前に込めた思いとは……、次の100年を見据えたショーファーカーである。実際、ショーファーカー(=専属運転手が走らせ、オーナーは後席に乗るクルマ)の定義は変わりつつある。
2018年にセンチュリーが3代目にフルモデルチェンジしたときには、ショーファーカーの本流はセダンであった。いまでもロイヤルなVIPの方々が乗るクルマとしてはセダンが選ばれているが、企業トップなどのエグゼクティブについてはトヨタ・アルファードに代表される高級ミニバンを選択するケースは増えている。
そうした時代の変化を踏まえ、「次の100年を見据えたセンチュリー」としてゼロからパッケージが考えられたという。移動手段というだけでなく、隙間時間でリラックスしたり、はたまたビジネスの執務室となったりするのが昨今のショーファーカーに求められる。
さらに、ショーファーカーには後席に乗るVIPの品格を演出することも求められる。具体的には到着と出発がいかにエレガントでスムースであるかが重要だ。たとえば、乗り降りの所作において品を感じさせるパッケージとなっていることは、ショーファーカーには欠かせない機能となる。出迎えや見送りをする人との視線の位置関係もイメージを左右するという。
そうして導き出されたパッケージが新型センチュリーのそれである。
センチュリーSUVという噂が広まっていたこともあって、新型センチュリーはSUVムーブメントに迎合したプレミアムモデルという風に思ってしまうかもしれないが、あくまでも2120年代まで通用するショーファーカーのパッケージを考え抜いた結果が、このフォルムといえるのだ。
リヤドアに連動してサッと展開する電動格納式ステップや、75°まで開くドア、大型アシストグリップといったアイテムは、いずれもセンチュリーらしい乗降性の必然から採用されたという。
後席の窓ガラスが調光タイプとなっていて、スイッチ操作で一瞬にして非透過ウインドウに変わるというのも、いかにもスマート。たしかに新時代のショーファーカーといえるパッケージである。
価格は2500万円~でさまざまなオーダーにも対応可能
パワートレインについては、現時点でショーファーカーに求められるウェルバランスを考えたという。完全なゼロエミッションは、この秋に登場するクラウンセダンFCEV(燃料電池車)に任せつつ、従来からのセンチュリー(センチュリーセダンとして継続販売される)と同じような大排気量V8エンジンのハイブリッドでは、環境性としては物足りない。
そこで新型センチュリーは、3.5リッターV6エンジンの電気4WDハイブリッドに外部充電機能を加えたプラグインハイブリッド仕様を採用することになった。普通充電にのみ対応するバッテリーを満充電にしておけば、カタログスペックで69kmをエンジンを使わずゼロエミッションで走行可能だという。
都市部におけるセンチュリーの使われ方を調査したところ、1日の平均的な走行距離は50kmだったという。新型センチュリーは日常的には排ガスを出さないゼロエミッションのショーファーカーになり得る。一方で、遠出が必要になればハイブリッドカーとしてどこまでも走っていくことができる。
新型センチュリーのWLTCモード燃費は14.2km/L、燃料タンク容量は55リットルとなっているので、バッテリーでの走行分を加味すれば、ノンストップで800kmを走れるだけの実力を持っている。
ちなみにエンジンはフロントに横置きされ、サスペンション形式はフロントがマクファーソンストラット式で、リヤがマルチリンク式。基本的な設計としては、トヨタの中型モデルに多く使われているGA-Kプラットフォームの発展形といえるが、ほとんど専用設計になっているといっていいだろう。
新型センチュリーはモノグレードで、気になるお値段は2500万円。これだけでも十分に高いと思ってしまうが、モノグレードなのはテーラーメイド的にさまざまな仕様を作り上げられるための”ベース車両”という位置づけともいえそうだ。
実際、発表会では真っ赤なブレーキキャリパーが印象的なGRMN仕様も展示。通常の新型センチュリーはヒンジドアだが、こちらの特別な仕様ではスライドドアになっていた。こうしたオーダーには実際に対応可能だという。
また、プレゼンテーションではパレード用のコンバーチブル仕様の構想もあることが示された。ショーファーカーに必要なバリエーションは全方位対応するということだろう。
トヨタ・センチュリーに期待されるハイクオリティのオーダーメイドに対応するというのも、また100年先を見据えたショーファーカーのあるべき姿なのかもしれない。
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みんなのコメント
センチュリーの顔を借りたアルファード
やってることがオートサロンレベル
3行で片付いたわw