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お得意様の「一番高いの持ってこい!」は昔話? 車の売れるグレード、ニーズも変化

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お得意様の「一番高いの持ってこい!」は昔話? 車の売れるグレード、ニーズも変化

■上級グレードが売れる時代は終わった?

 昭和の頃、クルマの購入法として『最高級グレードのオプションフル装備』というものがありました。つまり「一番、高いモノ持ってこい」という買い方です。

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 もちろん高額にはなりますが、それができることもステイタスのひとつ。そのため高級モデルほど、トップグレードがよく売れるという傾向がありました。

 しかし、昨今ではあまり聞かなくなった買い方ですが、最近になって販売された高級モデルにおいては、どのようなグレードのクルマが売れているのでしょうか。

 まず、日本の高級車の代表となるのが、トヨタの「クラウン」。2018年6月に新型モデルが発売されました。1965年に初代が登場してから15代目のモデルで、日本の高級車を代表して「一番、高いモノ持ってこい」という顧客が最も多かったクルマかもしれません。

 クラウンには「2リッターターボ」、「2.5リッターハイブリッド」、「3.5リッターV6」という3種のエンジンが設定されています。一番高いのは3.5リッターV6となり、トップグレード「G-Executive」は、718万7400円です。

 2018年6月から12月の販売内訳を見ると、一番売れているのが「2.5 RS Advance」の32%。そして「2.5 S“C package”」の16%、「2.5 RS」の12%、そして「2.5 G」の10%と続き、驚くことに販売の大多数が、2.5リッターのハイブリッドモデルが占めています。なお、「2.5 RS Advance」は579万9600円です。

 残念ながら、一番高いグレードが、一番多く売れているわけではないようですが、2.5リッターモデルのグレード編成を安い値段順に並べると「B」「S」「SCパッケージ」「RS」「G」「RS Advance」となり、「RS Advance」がトップグレードとなります。

 また、2018年10月に発売されたレクサス「ES」では、「標準モデル」「F SPORT」「version L」の順にグレードが構成され、販売比率では「version L」が半数を超える55%、「F SPORT」が36%。「標準モデル」が9%と、レクサス「ES」では、一番の上の「version L」が売れているのです。

 売れているグレードについて、レクサスの販売スタッフは次のように話します。

「モデルによって一概にいえないですが、傾向としては中間グレードが売れているようです。昔にいわれていた『上級グレードが売れた』という話には、昔と今との先進・安全装備の差が大きく関係しています。

 平成の始まり頃の新車は、安全性や快適性などを求める場合に上級グレードやオプションを選ぶしかありませんでした。しかし、最近では中間グレードでも十分なほどの装備が標準化しています。

 もちろん、先進・安全技術はさらに進化しているため、いまでも上級グレードやオプションではないと付かない装備もあります。

 ただし、現在の中間グレードでも装備が充実していることやクルマ自体の価格帯も全体的に底上げされていることもあり、それらを総合的に考えると中間グレードに落ち着くのかも知れません」

■それでも、上級グレードが売れているマツダ「CX-8」

 トヨタやレクサスでは、基本的には中間グレードが売れているようです。レクサスのフラッグシップである「LS」のハイブリッド車「LS500 h」では、一番売れているのは中間グレードで、二番目に売れているモデルとして最も高額な1640万円の「EXECUTIVE」が位置しています。ここら辺が、昭和の『一番、高いモノ持ってこい』という香りを残している部分でしょう。

 また、近年においてブランドイメージを向上させているマツダでは、少し違った傾向があるようです。

 マツダの国内モデルにおいて、フラッグシップSUVの「CX-8」では上級グレードの「L Package」が約5割を超え、コンパクトカー「デミオ」では、中間グレードの「15S」や「15S Touring」が高いシェアを誇っているといいます。

 グレードの販売比率について、マツダは次のように話します。

「発売当初の『CX-8』は、中間グレードの『PROACTIVE』が5割を上回っていました。しかし、グレード追加や改良などを経た最新の状況では、上級グレードの『L Package』が5割を超えています。これは、300万円を超える価格帯では、より良い装備を求めたいというユーザーが多いからのようです。

 しかし、マツダのエントリーモデルともいえる『デミオ』では、中間グレードが売れています。これは、買い物用や通勤用など普段の移動手段として考えた場合に、最低限の装備があれば良いというニーズの表れかもしれません」

※ ※ ※

 いろいろなクルマの販売比率を見ると、昭和の『一番、高いモノ持ってこい』という買い方は、今でも少しは残っていますが、少数派になっているようです。

 また、自動車メーカー全体的に、クルマのグレード差を安全の差にするという考えが減りつつあります。最低限の安全性はどのクルマでも確保していくという『安全』に対する認識という面では、時代が変化したといえるのかもしれません。

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