エンジンの進化がオイルの耐久性に貢献している
エンジンオイルの交換サイクルは、以前に比べれば飛躍的に伸びた。メーカーの指定は、ガソリンのNA(自然吸気)エンジンで1万5000kmもしくは1年毎というのが多くなってきている。これに対して、ガソリンスタンドなどの案内を見ると、5000km/半年毎だったり、未だに3000km毎というのも目にする。ネットなどでも諸説見かけるが、実際のところはどうなのかを検証してみよう。
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まず最新のエンジンは昔と比べて確実に汚れなくなっているし、オイルの劣化も進行が遅い。ただしこれだという技術投入によってではなく、いくつかの技術的な進化の複合の結果である。
汚れない理由のひとつは精度が上がったから。素材も昔のような鋳鉄の使用が減っているのもあるだろう。精度が高ければブローバイの吹き抜けも減る。
なかでもブローバイの処理は、昔とは仕組みが異なっていて、劣化を遅らせるといった点では効果が大きい。メカやチューニングに詳しかったりする人なら、ブローバイというと、ヘッドからホースが出ていてそれがインテークの戻されることで再燃焼させるイメージが浮かぶだろう。抜くと内部の圧力が抜けてエンジンの回転がスムースになったりするというのもある。
だがじつは現在ではこのようなシンプルな仕組みではなく、PCVバルブというワンウェイバルブを使用したクローズドタイプが主流になっている。詳しい仕組みは割愛するが、このタイプの特徴は新鮮な空気がエンジン内部に送り込まれるということ。そうなればオイルの耐久性にも好影響を及ぼす。
シビアコンディションは過激な走りだけじゃない!
そのうえで、オイル自体もSL規格以降資源と捉えて、耐久性を重視しているのもあるし、そもそも3000kmや5000km毎の交換指定だった時代とはオイルの性能はまったく違う。
さらにオイル量自体も厳密な比較はできないが、少し増えているように思われる。量が増ければ、交換時期が伸びるのは当然だ。ちなみにドイツ車勢は3万km毎に交換とかなり長いが、オイルの量も6リッターぐらいなので、実質は日本車と変わらないと言っていいだろう。
というのが、現状なのだが、じゃあ1万km以上交換しなくていい、とはならないので要注意。なぜかというと、シビアコンディションというのがあって、それに当てはまる使われ方をしているクルマは指定の半分とするメーカーが多いからだ。
シビアコンディションというと、相当ハードな走りをする場合のみだと考えがちだが、ちょい乗りや渋滞によくはまる、ノロノロ運転が多い、さらにはアイドリングが多いなどもこれに含まれる。しかも、これらが全体の走行の30パーセント以上であればシビアコンディションに当てはまる可能性があるのだ。そうなると多くのクルマが当てはまるのではないだろうか。
そして長期間放置で交換しないのは論外。3000kmや5000km毎に頻繁に交換するのも考えものだが、良質なオイルを選びつつ、自分の走り方や使い方を見直してみて適切なインターバルで交換するようにしよう。オイルの質さえしっかりとしていれば、メーカーの指定で問題はないだろう。
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