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新車で採用増える「ガラスルーフ」 開放感高いが夏は「車内アツすぎ」? 「ガラス張り天井」で快適を保つ方法は?

掲載 更新 70
新車で採用増える「ガラスルーフ」 開放感高いが夏は「車内アツすぎ」? 「ガラス張り天井」で快適を保つ方法は?

■開放感バツグンの「ガラスルーフ」 魅力は?

 新車を購入する際にはさまざまなオプションを選択します。かつてはサンルーフが主流でしたが、近年の新型車ではガラスルーフがオプションとして設定されているクルマが増えてきました。
 
 では、夏などの日差しが強い日には車内が暑くなることはないのでしょうか。

【画像】えっ…! これがガラスルーフの「開放感」です 爽快感がスゴい車内の画像を見る(30枚)

 初夏になり気温の上昇とともに、天気のいい日はクルマでドライブに行きたいという人も多いかもしれません。

 その際にクルマにサンルーフ(スライディングルーフ・ムーンルーフなどとも)などを装備していれば、ドライブ時に開放感を味わうことができれば、より楽しみが広がります。

 サンルーフは1980年代から1990年代にかけて、「デートカー」の流行とともに憧れの装備として人気を博していました。

 しかし、2000年代に入るとサンルーフを標準装備やメーカーオプションとして設定するクルマは減少。

 それには、近年のクルマでは先進の安全装備の強化や電動化などによりクルマの価格が上がっていることから、オプションの装備をせずクルマを安く抑えたいというユーザーが増えていることが理由のひとつとして挙げられます。

 また、チルトやスライドといった複雑な機能や、開口部を設けることで補強が必要となるなど車体が重くなり、燃費が悪化するといったデメリットも生じます。

 このようにサンルーフを搭載するクルマが減少したことにはさまざまな要因があります。

 一方で、近年ではサンルーフの代わりに、より大きな面積がガラスで覆われた「ガラスルーフ(パノラマルーフなどとも)」が台頭しています。

 サンルーフは主にルーフ前部を切り取って開閉式のガラスにしているのに対し、ガラスルーフはルーフの大面積を1枚のガラスパネルとすることで、より開放感を味わうことができるものとなっています。

 2020年6月に発売されたトヨタ「ハリアー」や、2021年4月に発売されたホンダ「ヴェゼル」の最上級グレード「PLaY」などにガラスルーフが採用されています。

 また、2023年1月に発売されたトヨタ「プリウス」の「Z」グレードにも大型のガラスルーフがメーカーオプションとして採用されており、新型車への搭載もますます増えつつあります。

 一方で、サンルーフとは大きく異なる点として開閉機能がないことが挙げられます。

 サンルーフはスライドやチルトの機能により外気を取り入れたり、喫煙時の換気などにも役立ちますが、ガラスルーフにはそういった機能がありません。

 とはいえ、開閉作業を行わずに開放感を味わうことができるため、風の強い日や雨でも日差しを取り入れたり、上を眺められることから高い魅力を発揮しています。

■天井「全面ガラス張り」で夏は暑くならないの?

 天井が大きなガラスとなるガラスルーフは、車内が明るくなり、手軽に開放感を感じられるということがメリットですが、一方でデメリットもあります。

 最大のデメリットは、日差しが降り注いでくることによる車内の温度上昇です。

 直射日光に含まれる光のなかで、赤外線は当たった箇所の温度を向上させる性質を持ちます。

 この赤外線をカットする性質を持つ「IRカットガラス」は例えば住宅用などでは一般的であるものの、クルマではごく一部の車種でフロントガラスに採用されている程度にすぎません。

 そのため、ガラスルーフ最大のメリットである「日差しが届く」ことがかえってデメリットとしてはたらき、車内も熱せられてしまうのです。

 しかし、近年のガラスルーフには車内が暑くならないような工夫が施されているようです。ガラスルーフを製造しているAGC広報部の担当者は次のように話します。

「トヨタ新型ハリアーの『Z』グレードやレクサス『RZ』などで採用されているガラスルーフに、『調光パノラマルーフ』というものがあります。

 この調光パノラマルーフのガラスは、調光モードに設定すればガラスが半透明になり、日差しを遮ることができ遮熱性もあります」

 さらに、調光パノラマルーフがもたらす効果に関して、前出の担当者は次のように話します。

「従来のガラスルーフは天井を閉める際にサンシェードを使用していましたが、どうしても車体が重くなり、燃費に影響が出るという問題があります。

 調光ルーフを使用することでサンシェードが不要となり、車体の軽量化にもつながっています」(AGC担当者)

 ガラスを暗く調光することで日差しを和らぎ、車内の温度の上昇を防ぐこともできるパノラマルーフですが、ハリアーなどの調光パノラマルーフでは音声で操作することもでき、快適なドライブに役立つ装備となるかもしれません。

 また、全面ガラス張りとなっているため、日焼けを気にする人もいるかもしれません。これについて前出の担当者は以下のように話します。

「ガラスルーフで使用しているガラスは紫外線を99%カットできるものを使用しています。それにより、日差しの強さをやわらげています」(AGC担当者)

 ルーフの大面積をガラスにすることにより、メリットとデメリットがそれぞれ対極に存在することから諸刃の剣とも言えますが、こうしたデメリットを補完するために、さまざまな技術が登場しています。

 また、こういった機能が採用されていないクルマであっても、ガラスルーフ専用のフィルムが市販されているなど、これからの暑い時期に快適にドライブできるアイテムが用意されています。

※ ※ ※

 開閉作業やサンシェードが不要となり、遮熱性も期待できる「調光パノラマルーフ」ですが、現状では上級グレードのSUVなどでしかオプションが用意されておらず、限られた車種でしか装備ができません。

 ドライブ時に開放感を味わうことのできるガラスルーフが今後どのような需要を発揮していくのかに注目です。

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みんなのコメント

70件
  • セラ「まるで成長していない……」
  • 極たまに開けると気持ちがいいけど、基本、暑いし眩しいし
    無くてもいい、、、
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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