<逆に言えば3気筒モデルのヤリスとノートしか売れていない?>
このところ日本のコンパクトカー市場における話題の中心は「ホンダ フィット」が失速していること。かつて日本でもっとも売れたことがあるフィットは、直近(2021年6月)でいうと月販3393台と目標の月販1万台に対して、1/3の達成度でしかありません。
>>トヨタ ヤリスのおすすめグレードとユーザーの評価を見てみる
その一方で、同じBセグメントのコンパクトカー「トヨタ ヤリス」が売れに売れています。同じく2021年6月の販売台数は1万4937台。この数字は通称名の合計なので「ヤリスクロス」や「GRヤリス」が含まれますが、それでもフィットに比べると圧倒的に売れています。
はたしてヤリスが売れて、フィットが苦戦している理由はなんでしょうか。半導体不足の影響も考慮しなければならない時期ではありますが、単純にBセグメント・コンパクトの販売状況を見ていると、ひとつの仮説が浮かび上がってきました。
それが3気筒エンジンじゃないと売れない!? というものです。
2021年上半期のコンパクトカーの販売台数と前年同期比のデータをまとめてみると…
トヨタ ヤリス(3気筒) 11万9112台 247.5%
日産 ノート(3気筒) 4万6879台 112.4%
ホンダ フィット(4気筒) 2万9686台 59.3%
マツダ MAZDA2(4気筒) 1万2750台 86.0%
スズキ スイフト(4気筒) 1万2253台 86.7%
販売台数自体はディーラー網の規模感とも関係するので、販売台数だけで多い少ないという話をすべきではありませんが、前年同期比で増えているのはヤリスとノート、それ以外の3台はコロナで経済的に落ち込んでいた前年よりも販売台数が減っています。
<3気筒エンジンは安っぽいは、もはや一昔前のイメージ>
絶対数ではヤリスの独り勝ちに見えますが、e-POWERというハイブリッドだけのラインナップである「日産 ノート」も十分に健闘しています。ノートは日産自慢の先進運転支援システム「プロパイロット」のブランド力も効いているはずです。
また、フィットの減速が目立つのは、コロナ禍を新車効果で乗り切ったことへの反動という面もあるでしょう。
そして、2021年上半期のBセグメント・コンパクト市場で結果的に3気筒エンジンを搭載したヤリスとノートが売れているのは、偶然かもしれませんが事実です。
ヤリス登場時、Bセグメントクラスでは3気筒エンジンは安っぽいイメージがあって売れないという見方もありました。しかし、世界的なダウンサイジング・レスシリンダートレンドや軽自動車(現在はすべて3気筒エンジン)のシェア拡大によって、いまどき3気筒エンジンの排気音や振動を気にするようなユーザーは少数派なのかもしれません。
<4気筒Bセグ・モデルの商品力を考えると実に不思議な結果>
だからといって4気筒が悪いという話になるわけではありませんが、フィット、MAZDA2、スイフトと4気筒モデルが軒並み販売台数を前年比で落としているところを見ると、市場的には、これらのモデルに魅力を感じていないといえるかもしれません。
それにしても、2モーターハイブリッドのスムースな走りを活かした「e:HEV」の上質な走りが楽しめるフィット、国産コンパクトカーとしては唯一のディーゼルエンジンを用意するMAZDA2、そして最強のコスパを誇るスポーツカー「スイフトスポーツ」を擁するスイフトといった、いずれも魅力的なモデルが前年比で落ち込んでいるというのは、その商品力を考えると不思議で仕方ありません。
もし、ヤリスの燃費性能やノートの先進運転支援システムに注目して、他のコンパクトカーを気にしていないのであれば、クルマ選びとしてはいかにももったいない。たしかにヤリスハイブリッドの燃費性能は断トツであり、日産の「プロパイロット」がもつイメージは圧倒的かもしれませんが…。
文:山本晋也(自動車コミュニケータ・コラムニスト)
※写真
1枚目:トヨタ ヤリス
2枚目:日産 ノート
3枚目:ホンダ フィット
4枚目:マツダ マツダ2
5枚目:スズキ スイフト
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