この記事をまとめると
■物流業界をとりまく「2024年問題」
コロナからの2024年問題でバス&タクシー業界がヤバイ! いまでさえ深刻な「運転手不足」がさらに加速する可能性
■関係者はさまざまな観点から「2024年問題」対策を検討している
■今回は「安全自動車」の取り組みについて解説
「モバイルコラムリフト(MCO86)」を開発
物流業界は、いわゆる「2024年問題」の話題でもちきりである。この問題は、2024年4月からトラックドライバーに時間外労働上限規制などが適用され、労働時間が短くなることで輸送力が低下することを懸念するものだ。根底には、トラックドライバーのなり手不足や過重労働がある。こういった問題を解決すべく、トラック業界はもとより、物流業界などに関係する事業者が、さまざまな知恵を絞って新たな仕組みやアイディアを出し合っているのだ。
トラックの整備を支える整備機器・工具のメーカーもその例外ではない。トラックを効率的に運用するためには、短時間で簡単・正確に整備・修理が終えられるツールが必要になる。そこで、汎用性・利便性・正確性・簡便性・安全性などを備え、作業時間の短縮・省力化・コストダウンなどに貢献する新たな機器を開発・提供することで、「2024年問題」解決の一助を担おうとしているのだ。
自動車整備部品の製造販売を行う「安全自動車」では、こういった観点から「モバイルコラムリフト(MCO86)」を開発した。このリフトは小型トラックだけではなく、大型トラックやバスにも対応可能であるなど汎用性が高い。本来、車両をもち上げるリフトは接地型のものが多く、整備工場床面にボルトを打ち込むなどして固定するのが一般的だ。ところが、このリフトはフロアジャッキのように移動可能な柱(コラム)からなり、車輪にセットすることでリフトアップが可能になる。すなわち、フラットな場所であればどこでも使用することができるというのだ。
駆動には各コラムに搭載されている電動モーターを使用し、それに電力供給を行なうバッテリーは100V電源から充電することができる。コラムはそれぞれ独立しているが、車両に合わせて2基から10基まで接続(連動)させることが可能だ。車両ごとの設定やリフトの操作は、コラムに搭載されている対話式のタッチ式パネルを使用して行なう。リフトアップをしているときに万一自然降下が発生した場合には、自動的にメカニカルロックがかかるほか、コラム間の上昇・下降のスピード維持や水平維持機能(50mm以上の差が出た場合は自動停止)など、安全性にも配慮されている。
コラムは1基750kgあるものの、ハンドルと車輪がついているので単独で移動させることも可能だが、フォークリフトサポートが標準装備されているので、フォークリフトでも移動させることができる。トラックの急な故障にも対応が可能で、コストパフォーマンスにも優れたリフトといえよう。
一方、2014年11月から段階的に進められているトラックの衝突被害軽減ブレーキ義務化が、2025年9月以降はさらに厳格化されるといわれている。この装置にはフロントカメラが不可欠であり、それがフロントガラスのメンテナンスに負担感を高めているのだ。すなわち、フロントカメラの搭載でフロントガラスが高額化し、少しの傷で交換することになれば運送事業者の負担が増すというわけだ。
その対策として注目を集めているのが、ガラスリペアキットである。フロントガラスの傷は車検の合否に直結するために、修理の仕上がりには高いクオリティが求められるだろう。そこで、傷を埋めるレジン液の注入や傷のなかを真空にするなどといった作業を、より精密に行えるツールが必要になる。これを満足させたのが、「ZoomII Miniplusコンプリートキット(グラスウエルドジャパン)」だ。こういった整備・修理用ツールが開発されることにより、運輸・物流事業者の経済的・人的負担が軽減され、「2024年問題」解決に繋がっていくのである。
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