日本仕様では初となる「ジルコンサンドメタリック」を設定
先ごろマツダが実施した「CX-60」の商品改良。それとともに登場したのが、同車初の特別仕様車「CX-60 XDハイブリッド トレッカー(Trekker)」です。
【画像】「えっ!…」なぜ燃費が向上!? これが進化したマツダ「CX-60」の特別仕様車「トレッカー」です(30枚以上)
「トレッカー」のキャラクターをひと言で表現するならば、アクティブな要素を加えたアウトドア好きのための仕様。
ベースモデルに対してアウトドアシーンが似合う演出や装備を加えた存在で、マツダ「CX-5」に設定される「フィールドジャーニー」や、かつて「CX-8」にラインナップされていた「グランドジャーニー」をイメージするマツダ好きも多いかもしれません。
そんな「トレッカー」の特徴のひとつがボディカラー。日本仕様の「CX-60」では初めて「ジルコンサンドメタリック」を設定しているのです(もちろん他のカラーも選択可能)。
「ジルコンサンドメタリック」はすでに多くのマツダ車に展開されているカラーですが、現状、日本仕様の「CX-60」で選べるのは「トレッカー」だけ。アクティブなイメージのあるアースカラーであり、「CX-60」の都会的な雰囲気とはひと味違う世界観を演出しています。
「トレッカー」のエクステリアは、ベースモデルである「XDハイブリッド エクスクルーシブスポーツ」と同様、ハニカムメッシュ状のフロントグリルやドアミラーカバー、ホイール、そしてサイドウインドウ周囲がブラックでコーディネートされ、シックでスポーティな印象。
「CX-60」のスタイリングは高級感や華やかさといったイメージが強いのですが、「ジルコンサンド」に塗られた「トレッカー」はそれとはかなり印象が異なります。落ち着きがある中に、どことなく力強い雰囲気が漂っています。
「トレッカー」のインテリアはベースモデルに準じたものですが、唯一、異なるのは、ラゲッジスペースとキャビンを隔てる“パーティションネット”が備わること。
アウトドアレジャーなどでラゲッジスペースに多くの荷物を積載する際、急ブレーキなどで荷崩れが生じ、荷物がキャビンへ飛び込んでくるのを防ぐ装備です。なお、この“パーティションネット”、後席の背もたれを起こした状態と畳んだ状態のいずれでも装着することが可能です。
ちなみに“パーティションネット”は、これまでも欧州向けの「CX-60」には用意されていました。しかし、日本仕様には設定がなく、今回の「トレッカー」で初採用となっています。これも「トレッカー」の注目すべきポイントといえるでしょう。
“パーティションネット”を取りつけるには、車両側の天井付近にアンカーが必要となりますが、「トレッカー」を除く日本仕様の「CX-60」にはアンカーが装着されていません。筆者(工藤貴宏)が、たくさんのギアを積み込んでキャンプなどレジャードライブへ行きたい人に「トレッカー」をおすすめする理由がここにあります。
これまで「CX-60」は、スポーティとか上質といった雰囲気を強調していました。しかし最新モデルは、この「トレッカー」を見てもうかがえるように、その方向性が少し変化したといっていいでしょう。正確には、多様な価値観を身に着けたというのが適切かもしれません。
なお「トレッカー」は、ベース車両だとオプション扱いとなるパノラマサンルーフが標準装備となる点もポイントです。
見た目だけでは分からない「トレッカー」の核心とは?
「CX-60」の新しい特別仕様車「トレッカー」で注目すべき点は、そうした見た目に分かる違いだけではなりません。なんとベースモデルとは燃費性能が異なるのです。しかも「悪くなっている」のではなく「よくなっている」のですから驚きです。
ベースモデルのWLTCモード燃費は20.9km/L(サンルーフ装着車)なのに対し、「トレッカー」のそれは21.4km/Lまで向上しています。その違いを生み出しているのはなんでしょう? もちろん、上記したボディカラーや“パーティションネット”が燃費向上に寄与しているわけではありません。
実は「トレッカー」のパワートレインは、ハイブリッドの制御に新たな取り組みが盛り込まれているのです。ポイントとなるのは、モーターによる走行領域の拡大。これにより燃料の消費量を節約しているのです。
具体的には、モーターで走行している状態からのエンジン始動時に、ハイブリッド用モーターではなくスターターを活用しています。
ちなみに他のモデルは、走行状態からのエンジン再始動にハイブリッド用モーターを活用。そのため、エンジンの再始動に備え、モーターを動かすだけの電気を駆動用バッテリー内にキープしています。
しかし「トレッカー」は、エンジンの再始動に補器類用バッテリーで動かすスターターを活用。他のモデルでは駆動用バッテリー内にキープされている電力を、駆動力に回せるよう変更しています。その分、モーターでの走行領域が拡大され、燃費が良化するという仕組みです。
スターターでエンジンを再始動させる「トレッカー」は、エンジンの再始動時にショックなく駆動力を伝達するための協調制御もつくり込んでいます。この辺りが「トレッカー」のメカニズム上のトピックです。
ただし、そのための弊害もあります。それは走行中のエンジン再始動時に、「トレッカー」以外のマイルドハイブリッド車には生じないセルスターター作動音が発生すること。
そのため「トレッカー」は、センターディスプレイにある「車両設定」において、他のモデルと同じエンジン再始動方法も選べるようになっています。スターターの作動音が気になる場合は、こちらを選ぶといいでしょう。
現状、新しい再始動方法が取り入れられているのは特別仕様車の「トレッカー」だけですが、多くの人に受け入れられるようであれば、他のマイルドハイブリッド車に拡大採用されるかもしれません。
* * *
というわけで、「CX-60」初の特別仕様車である「トレッカー」は、内外装にアウトドアテイストを盛り込んだモデルというだけでなく、これまでにない新たな制御で燃費向上を図るという、テスト車のような役割も持ち合わせているのです。
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みんなのコメント
常時高速飛ばす人は滅多にいないから解決して欲しいわ