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ロールス・ロイスが3年を費やした世界に1台の「コア ファントム」。幻のコアウッドを設えた走る芸術品

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ロールス・ロイスが3年を費やした世界に1台の「コア ファントム」。幻のコアウッドを設えた走る芸術品

Rolls-Royce Koa Phantom

ロールス・ロイス コア ファントム

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ハワイでしか育たないコアウッドを使用

ロールス・ロイスのビスポーク部門は、顧客の“想像”をいかにしてクルマという工業製品へ落とし込むかを常に模索している。数千のステッチで薔薇の刺繍を天井に施したり、芸術家のアート作品をそのままダッシュボードに嵌め込むなど、ありとあらゆる方法を駆使して世界に1台だけのロールス・ロイスを日々作り続けている。

今回彼らが手掛けたのは、稀少なハワイ産の「コアウッド」を使用した唯一無二のファントム エクステンデッド。じつに、3年の歳月をかけて実現したオンリーワンのビスポークモデルである。

ロールス基準のコアに出合えるのは「百万にひとつ」

「Koa Phantom(コア ファントム)」と彼らが名付けたとおり、今回素材に用いられたのはハワイでしか育たないと言われている希少種コアウッド。注文主は、60台以上のレアモデルを収蔵する「JBSコレクション」のオーナーとして知られるジャック・ボイド・スミス Jr.だ。スミス夫妻はコアウッド製のロッキングチェアを自宅で長年愛用しており、その温かみのある風合いを自動車のキャビンにも持ち込みたいと考えたそう。

コアの木はハワイの土地でしか育たない希少種で、ハワイ州と国立公園により厳重に保護されている。決められた民間の農場のみが取り扱うことが可能で、特有の成育環境も必要となる。ロールス・ロイスのウッド専門家曰く、手に入れられるのは「百万にひとつのチャンス」だという。しかも、ロールス・ロイスの車内に相応しい最高レベルのクオリティのものを入手しなければならない。担当者はサプライヤーと交渉に交渉を重ね、納得のいくまで“理想のコアウッド”探しに邁進した。3年の時間を要したというのも、これが理由のひとつであった。

ようやく入手できたのは、まるでビロードのような表情をたたえた、複雑で奥行きのある木目が一面に広がるコアウッド。織物のようなテクスチャーをファントムの車内を彩るウッドパネルへ加工するべく、ロールス・ロイスのウッド工房のスタッフは技術の粋を注ぎ込んだ。

80年以上前のボディカラーを再現

「コア ファントム」でもうひとつ注目したいのが特製のボディカラーだ。太陽の下では深いブルーに、夜になれば闇に溶け込む独特の外板色は、スミス氏の所有する1934年製「パッカード 12 クーペ」と同じもの。80年以上前のペイントを再現するのは容易な作業ではなく、チームの面々はグッドウッドにヴィンテージカーのパーツを取り寄せるなど、あらゆる方法にトライ。40を超えるテスト塗装を重ねて、ようやく完璧な色味に辿り着くことができたそうだ。

“パッカード ブルー”をまとったボディの中ほどには、職人の手作業によりグレーのコーチラインが描かれた。さらに、運転席側のドアには“JBR Jr”のイニシャルが、助手席側にはスミス夫人のイニシャル“LAS”があしらわれている。

ルーフに煌めくオハイオの夜空の星々

ロールス・ロイスが“ギャラリー”と呼ぶファントムのダッシュボードには、まるで博物館で永久保存される太古の宝のように、ガラスの向こうにコアのウッドパネルが飾られている。

淡いグレーのシートもまた、前述のパッカード 12 クーペと同じ色合いであるという。天井に輝く1420もの星々の輝きは、スミス氏が生まれた日のオハイオ州クリーヴランドの夜空を再現してレイアウトされた。

500時間超をかけて作ったバスケット

さらに、“純正アクセサリー”としてコアウッド製のピクニックパスケットも付属。サドルレザーとステンレススチールを使って美しく設えられたバスケットは、なんと500時間以上をかけて製作。サドルレザーの色味は「コア ファントム」のシートと同じグレーに染められている。セットされるワイングラスとデキャンタは、ハンガリーの老舗クリスタルガラスメーカー「Ajka Crystal(アイカ クリスタル)」によるハンドメイドだ。もちろん、磁器類はウェッジウッド製、カトラリーは英国伝統の製法で作られる真正の銀食器である。

コアウッドと職人の粋が結晶したファントム。木工、銀細工、レザー加工、クリスタル工法にいたるまで、ロールス・ロイスのビスポークモデルは、アートであり工芸品であり、文化を後の時代へ伝える貴重な遺産といえる。

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