■簡素で無骨な「商用バン」より快適でカッコいい「ミニバン」を好むユーザーは多い
近年ブームを巻き起こしたほど注目を集めた車中泊やキャンプですが、ブームが沈静化しつつある今もなお、利用者は増え続けているようです。
本格的なキャンピングカーまではいらないというライトなユーザーにとって、一体どのようなクルマが最適なのでしょうか。
【画像】めちゃカッコいい! ミニバン「車中泊仕様」を画像で見る(30枚以上)
一時期、クルマで一夜を過ごす車中泊や、自然を感じるアウトドアレジャーのキャンプがブームだと話題になっており、本格的なキャンピングカーも長期の納車待ちを伴うほどの人気を集めていました。
現在、熱狂的なブームこそひと段落したようですが、依然として一定の需要はあるようで、なかにはクルマを買い替える際に、車中泊やキャンプに適した車種を選ぶという人もいます。
車中泊では、大人でも寝転がることができる「広さ」が重要になります。そのため、室内空間の大きいトヨタ「ハイエース」などの商用ワンボックスバンや、スズキ「エブリイ」などの軽ワンボックスバンが選ばれることがあります。
しかしユーザーの中には、商用車をベースにしたキャンピングカーに否定的な人もいます。
炊事や収納、ベッドなどの重装備のため日常使いには馴染まない点に加え、価格のわりに基本装備は簡素な反面、見た目もゴツく、女性ユーザーを中心に「商用車には乗りたくない」という意見があるようです。
そこで注目が集まるのが、トヨタ「ノア」や「ヴォクシー」、ホンダ「ステップワゴン」などをはじめとした「ミニバン」の車中泊利用です。
ミニバンを車中泊で使用する際の魅力やメリットについて、キャンピングカーの老舗ビルダーで、ミニバンベースのキャンピングカーも得意とする「ホワイトハウスキャンパー」の担当者は以下のように話します。
「ミニバンはサイズも手ごろなので普段使いにも使えますし、快適装備も揃っているので、家族でのお出かけにも最適なモデルです。
弊社では屋根に収納式のテントを備えた“ポップアップルーフ”仕様車を用意しているので、小柄なミニバンでも家族4人が快適に就寝できるのが特徴です。
実際に購入された方々からは『買い物利用など、普段からさまざまな用途に使いやすい』といった声が多くありました。
全長5mを超える大柄な車種をベースにしたキャンピングカーでは、広い室内空間を確保できる反面、長さや車幅制限のある一般的な駐車場に停められない場合が多々あります。
その点、ミニバンをベースにしたキャンピングカーなら心配はなく、日常的に使うショッピングモールの立体駐車場などにも停めることができるので、便利だと好評です。
またマンションなどの集合住宅に住んでいる人も同様に、制限なく敷地内の駐車場に停めることができます。
このように日常生活に適応しつつも、キャンプ利用としても役立てるところに魅力を感じてくださった方がたくさんいらっしゃいます」
ミニバンなら、日常から週末の車中泊まで、1台で多用途に使えるところが大きなメリットとして好まれているようです。
■ブームに先駆け登場した「ボンゴフレンディ“車中泊”仕様」とは
このように、ミニバンの車中泊仕様ならではのメリットがあるようですが、実際のところミニバンを車中泊やキャンプで利用するイメージは、まだまだ浸透していないというのが正直なところです。
しかしかつて、その良さをメーカー自らがいち早く取り入れた車種がありました。それがマツダの「ボンゴフレンディ」に設定された「オートフリートップ」という純正ポップアップルーフの車中泊仕様でした。
ボンゴフレンディとは、1995年よりマツダが発売していたミニバンで、家族や仲間のためのレジャー基地として誕生しました。
最大の特徴は、ルーフ部分が電動で立ち上がり、屋根にテント部屋が登場するオートフリートップが設定されている点です。
テント部屋の内部は大人2人が十分に寝ることができる広々したサイズがあり、出入りは車内から登り降りして行います。
また車内も、後席2列を倒せば大人2人が寝ることができる程度の寝床サイズが確保できるため、普段はミニバン、週末はテント付きで上下合計大人4人がゆっくり過ごすことができるという、1台で2度美味しい快適な車中泊仕様となっていました。
ボンゴフレンディの生産販売はすでに終了していますが、欧州ではミニバン向けの純正キャンパー仕様が複数ラインナップされています。
例えば高級車ブランドのメルセデス・ベンツは、ミニバン「Vクラス」をキャンピングカーに早変わりさせる「マルコポーロ」を設定しています。
Vクラス マルコポーロは、ルーフに大人2名が就寝可能な純正ポップアップルーフが備わります。このモデルは日本でも正規輸入されていた時期があり、中古車で密かな人気を集めています。
欧州ではこのVクラス マルコポーロに、シンクやコンロなどを備えた本格的なキャンピングカー仕様も用意され、現地での需要の高さがうかがえます。
なお現在、日本では純正のポップアップルーフ付きミニバンは販売されていませんが、前出のホワイトキャンパーのように、ミニバンベースでキャンピングカーをつくるキャンピングカービルダーは多数あります。
※ ※ ※
車中泊利用の増加に伴い、自動車メーカー純正のポップアップルーフ仕様を導入して欲しいという潜在的なニーズは、今後ますます増えていくかもしれません。
どのメーカーが真っ先に純正ポップアップルーフ付きミニバンを出すか、大いに期待したいところです。
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みんなのコメント
ゆるキャン△で女子高校生が原付でキャンプに行く時代。コペンのトランクにテント、寝袋を入れて妻とキャンプに行き、テントを張った後高原をオープンで走って楽しみます。
キャンプは非日常を楽しむものと思うので、日常乗ってる車に車中泊なんて楽しめない。「ルーフテント」も何が良い?か私には分かりません。
キャブコンに乗り換えたけど、子供に聞くと「ポップアップテントから見た花火大会が忘れられない」とのこと。ジャングルジムというか2階の小部屋というか、それが楽しかったって。
あと雨の日に使った後、職場でも家でもいいんだけど早めに半日くらいテント状態にして太陽・風に当てて干さないとくさくなる場合がある。