■レクサス「最小SUV」は「CT」位置づけ?
2023年6月5日、レクサスは、これまでになかった新型SUVである「LBX」を発表。日本では、2023年秋からの販売が予告されました。
【画像】まさに「小さな高級車」! 超カッコいい新型「LBX」を画像で見る(58枚)
レクサスは、この新しいLBXについて「コンパクトサイズながらも走りやデザインも上質である、サイズのヒエラルキーを超えたクルマ」と説明しています。
具体的には、コンパクトカー向けTNGAプラットフォーム(GA-B)に1.5リッター直列3気筒のエンジンとモーター、バイポーラ型ニッケル水素電池を使うハイブリッドを搭載。基本性能と電動化技術を徹底的に磨き上げたといいます。
また、デザインでは「プレミアム・カジュアル」をコンセプトに、上質さとカジュアルさの両立を目指したそうです。
その新型LBXの位置づけを考える上で重要となるのが寸法です。
LBXのサイズは、全長4190mm×全幅1825mm×全高1560mmと発表されています。これは、従来のレクサスの最小SUVであった「UX」の全長4495mm×全幅1840mm×全高1540mmよりも、ひと回り小さいというもの。
そして、2022年まで販売されていたレクサスのコンパクトハッチバック「CT」は、全長4355mm×全幅1795mm×全高1450mmでした。
新型LBXは、UXだけでなく、かつてのCTよりも小さいモデルとなります。
なお価格は、UXが約400万円からで、CTの生産終了時に386.9万円からとなっていました。
ちなみにトヨタは、同じプラットフォームを使って複数のクルマを作り分けるのが得意な自動車メーカーです。
2019年まで、トヨタ店/トヨペット店/カローラ店/ネッツ点という4チャンネルの販売体制をとっていました。
併売車両もありましたが、一方でチャンネルごとに独自のクルマも販売しています。
そのため限られたリソースを上手に使いまわして、大中小のサイズ違いだけでなく、キャラ違いなどでも数多くのモデルを造り分けていたのです。
しかも驚くのは、それだけ数多くの車種を造りながらも、互いの顧客を食い合うことのないように、モデルごとに絶妙に内容が異なっていました。
それに比べてみれば、現在のトヨタとレクサスの2つの販売体制に向けての造り分けは明確で、トヨタにとって簡単なことでしょう。
そうしたトヨタの流儀を考えてみれば、新型LBXが、「サイズのヒエラルキーを超えたクルマ」と説明されたとしても、上位モデルであるUXやNXの顧客を奪うことのないような価格設定になっていると予想できます。
つまり、新型LBXの位置づけは、今はなきCTと同じものになるのではないでしょうか。それは「レクサス全体のエントリー(入口)」となる存在です。
■LBXの価格はいくらになる?
では、次に新型LBXのライバルは、どのようなクルマになるのでしょうか。まず、欧米のプレミアムの代表格であるメルセデス・ベンツとBMWの最小SUVは、どうでしょうか?
メルセデス・ベンツ「GLA」の寸法は、全長4415mm×全幅1825mm×全高1620mmで価格は573万円から。BMWの「X1」は、4500mm×1835mm×1645mmで586万円から。
サイズ的にはLBXよりも大きく、レクサスではUX相当になります。
もう少し小さいモデルとしては、MINI「クロスオーバー」、アウディ「Q2」、ボルボ「EX30」、DSの「DS3」と言ったところ。それぞれのサイズと価格は、次のようになります。
MINIクロスオーバーは、全長4315mm×全幅1820mm×全高1575mmで429万円から。Q2は4200mm×1795mm×1530mmで417万円から。EX30は、4233mm×1837mm×1549mmで3万6000ユーロ(約540万円~)から、そしてDS3が4120×1790×1575mmで509万円。
これらはみな全長4.2mのSUVです。新型LBXはこれらのライバル車とサイズが近いため、価格帯も近くなることでしょう。
また、新型LBXと同じプラットフォームを使う、トヨタの「ヤリスクロス」の価格は189~293万円となります。
つまり、同じレクサスの上に約400万円からのUXがいて、下には約190万円~300万円弱のヤリスクロスがいるわけです。そして、かつてのCTは約390万円からという価格帯。
その一方で、ライバルはどうかといえば、400万円台前半からに位置しています。
それら関連モデルの価格帯を見わたして予想できるのが、新型LBXの価格は300万円台。しかも、ヤリスクロスとは、なるべく価格を離すのではないかと考えると、LBXの価格は300万円台でも後半で、400万円に近いのでは。つまり、スタート価格は400万円弱です。
ここでポイントとなるのが、「ビスポーク・ビルド」という新型LBXに用意されたサービスです。専用アイテムを組み合わせることで、約33万通りものバリエーションが可能なカスタマイズ・メニューのこと。
これを使えば、顧客の満足度は確実にアップしますが、それと共に、もちろん価格もアップするでしょう。
スタート価格こそ400万円弱が想定されますが、ビスポーク・ビルドを使うと、上のクラスのUXやNXよりも高額になってしまうかもしれませんん。
もしかするとそれがレクサスのいう「サイズのヒエラルキーを超えたクルマ」=新型LBXなのかも。
ビスポーク・ビルドで、めいっぱい好みのクルマに仕上げることができる新型LBXならではの特徴は、そんなところにもあるのかもしれませんね。
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みんなのコメント
無責任なコメなんかに影響されずにさ。