■カーナビに見えるけどナビ機能は内蔵されていない!?
2019年にトヨタが「カローラ」に標準搭載してから日本でも急速に普及が進む「ディスプレイオーディオ」は、メーカー純正のみならず社外品も続々と発売され、いまもっとも注目度の高いカー用品といえるでしょう。
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ディスプレイオーディオとは、その名が示す通り、「ディスプレイが付いたカーオーディオ」です。
見た目はカーナビと変わらないため混同しがちですが、あくまでもAVのメインユニットとなり、製品により違いはあるものの、基本的にはカーナビ機能もTVチューナーもCD/DVDプレイヤーも搭載されていません。
本体に備わるのはFM/AMラジオチューナー程度ですが、そのかわりにスマートフォン(スマホ)と連携することでさまざまな機能を追加できるのが特徴です。
ハンズフリー通話や音楽の再生はもちろん、iPhone用の「Apple CarPlay」やAndroidスマホ用の「Android Auto」と連携可能なディスプレイオーディオなら対応アプリを画面に表示でき、スマホのように画面上で操作することができます。
代表的なのが地図アプリです。これを利用すればカーナビと同じように自車の位置を確認できたり、目的地までのルート案内が可能になります。また、サブスク対応の音楽再生アプリではスマホと同じように聴き放題サービスを楽しめます。
現在まだ対応アプリは限られますが、これからますます増えることは間違いありません。
つまり、ディスプレイオーディオはさまざまな可能性を秘めた装備といえ、そうした将来への期待も含めユーザーからはおおむね好評なようです。
しかし、実際の使用感については賛否両論があり、不満もゼロではなさそうです。ディスプレイオーディオに対して、実際に利用しているユーザーからはどのような意見があるのでしょうか。
まずは好意的な意見から紹介すると、もっとも多かったのは「操作性の良さ」です。
「タップやスワイプなど使い慣れたスマホと同じように直感で扱える」(30代・男性)、「(精度の高い音声認識により)音声での操作もストレスなくおこなえます」(40代・男性)と評判は上々です。
ただし、「地図アプリでの検索機能などの使いやすさはカーナビには及ばない」(40代・男性)、「音楽の選曲リストが見づらい」(20代・女性)といった、アプリごとの細かい操作についてはネガティブなコメントも散見されます。
次いで多かったのが「好みのアプリが使える」というもの。「地図アプリも音楽再生アプリも複数用意されているから好みのアプリを選んで使っています」(30代・男性)という好意的な意見も多数ありました。
音楽再生アプリは普段使っている(サブスク契約している)アプリを選んでいる人がほとんどで、地図アプリと異なりあれこれと試しているケースは少ないようです。
もっとも地図アプリにしても「いろいろ試すのは最初だけ」といった声も少なからずありました。
ちなみに、Apple CarPlayを例に挙げると、地図アプリはApple純正のマップ以外に「Googleマップ」や「Yahoo!カーナビ」、有料の「ナビタイム」などがあり、実際に試して自分に合ったアプリを利用することができます。
複数のカーナビを体験してから購入するのは現実問題として難しいため、これは地図アプリ利用ならではのメリットといえるでしょう。
■安価が魅力でも、TVや動画を見るには別料金が必要
ディスプレイオーディオ最大のメリットともいえるのが「通信により最新の機能や情報が提供される」ことです。例えば地図アプリの場合は、地図データなどが頻繁に更新されるため新しく開通した道路もきちんと表示されます。
ただし、これは「通信量、通信費の増加」というデメリットと表裏一体。
常に通信しながら地図を表示していることもあり、事前にWi-Fi環境下で地図をダウンロードしておくなど工夫をしないと、スマホの契約プランのデータ通信量をオーバーしてしまうこともあります。
地図アプリの不満といえば、自車の位置表示をスマホのGPS機能と電話基地局や中継局からの通信に依存しているため「高層ビルに囲まれた都市部やトンネル内など電波や信号の弱いところで精度が落ちる」(50代・男性)という意見もありました。
これについては専用のGPSアンテナを用意する機種や、ジャイロセンサーや車速パルスを利用する機種なども登場しているので、本体の買い替えやハードの追加などは必要になりますが、将来的に解決されることでしょう。
ほかにもデメリットとして挙げられたのが「映像系のコンテンツが楽しめない」(20代・男性)という不満です。
TVチューナーやCD/DVDプレイヤーはオプションで追加できる機種もありますが、「価格の安さがディスプレイオーディオの魅力のひとつだから、あれこれ足して高額になるのは本末転倒」(40代・男性)という厳しい声も。
また、Apple CarPlayやAndroid Autoは安全面への配慮からYouTubeなどの動画アプリに対応していませんが、この対策として「サードパーティ製の製品を接続して見ている」(30代・男性)というユーザーも多いようです。
同じくサードパーティ製の製品に頼る人が多いのが、ディスプレイオーディオとスマホのワイヤレス接続化です。
マツダの「マツダ2」や「CX-3」に設定されるオプションなど、Apple CarPlayのワイヤレス接続に標準対応する機種もありますが、ほとんどは有線接続で「乗り降りのたびにケーブルに接続するのが面倒」という意見も少なくありませんでした。
※ ※ ※
カーナビの元祖は1981年にホンダが「アコード/ビガー」に初搭載した「ホンダ・エレクトロ・ジャイロケータ」だといわれており、その後1990年代に浸透し2000年代に携帯電話との連携を強化しながら発展してきました。
一方でディスプレイオーディオの歴史はまだ浅く、発展途上にあるといえるでしょう。
そのため細かいところで「もう少し」という注文もあるかもしれませんが、カーナビのように進化を遂げ、いっそう満足できるシステムとなるはずです。
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みんなのコメント
オーディオの方が機能的に使いにくいのが殆ど。
どちらかというと普段はオーディオの方がメインなので、余計にアラが目に付き、
更には車両の一部品として交換も難しいから、好きにはなれんかな。