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新型トヨタ・クラウン、第1弾「クロスオーバー」を解説 価格/サイズ/内装は?

掲載 更新 16
新型トヨタ・クラウン、第1弾「クロスオーバー」を解説 価格/サイズ/内装は?

フルモデルチェンジで、4車種が登場

執筆:Wataru Shimizudani(清水谷 渉)

【画像】新型クラウン 4つのバリエーション じっくり見る【歴代が勢揃い!】 全144枚

7月15日。トヨタが新型「クラウン」を世界初公開し、その第1弾として「クラウン・クロスオーバー」を本年秋ごろに発売すると発表した。

クラウンは、トヨタ独自の国産技術で作り上げた初の量産型乗用車として、初代が1955年に誕生した。

従来型は2018年に発表された15代目で、最近のクルマのモデルサイクルを考えると本来はマイナーチェンジの時期なのだが、豊田章男社長からダメ出しがあったという。

そして「クラウンとは?」「セダンとは?」を再考した結果、クラウンの「革新と挑戦」のDNAを受け継ぎつつ、ユーザーの多様な価値観やライフスタイルに寄り添う、4つのバリエーションを持った新時代のフラッグシップとして刷新された。

今回発表された4バリエーションは、セダンとSUVを融合させた新しいスタイルの「クロスオーバー」、エモーショナルな雰囲気を持ち、運転しやすいパッケージとともにスポーティな走りを楽しめる「スポーツ」、新たなフォーマル表現とともにショーファーニーズにも応える「セダン」、大人の雰囲気で余裕のある走りを持つ機能的なSUV「エステート」となる。

このうち、クロスオーバーは前述のように発売の予定時期が判明。残りの3バリエーションも、1年半以内には販売が始まる。したがって、今回クロスオーバー以外のバリエーションは外観が公開されただけだ。

では、これまでの概念にとらわれない、新たな価値を提供するというクラウン・クロスオーバー(以下、クロスオーバー)の概要を紹介していこう。

サイズ、従来型からどう変わった?

クロスオーバーのボディサイズは、全長4930×全幅1840×全高1540mm。ホイールベースは2850mm。

従来型より全長は20mm長く、全幅は40mm幅広く、全高は75~85mm高く、ホイールベースは70mm短い。サイズ的には車高が高くホイールベースが短くなった以外は大きく変わらないが、スタイリングはまったく異なるものとなった。

外観は、スタイリッシュなクーペライク・シルエットと、力強さを感じさせるリフトアップスタイルを組み合わせ、流麗さとダイナミズムを両立させた。

ヘッドランプとテールランプは、いずれも左右に一直線につながる造形で、キャラクターラインに頼らず面の抑揚で質感を表現したサイドビューなど、シンプルでありながら鋭さと雄大さを兼ね備えたデザインだ。灯火類には全グレードでLEDを採用し、上級グレードではオートレベリング機能やヘッドランプクリーナーも備える。

また、上級グレードでは従来のセダンの常識を打ち破る21インチという大径タイヤ(225/45R21)を採用。

ボディ構造の工夫により、ボディ側面近くまで外側に張り出した足まわりと、ボディとタイヤの隙間のバランスも徹底的に吟味したことで、セダンでもSUVでもない、踏ん張り感のある力強いスタイルを実現している。

内装 「全席特等席」とは?

インテリアも、従来型までのデザインとは一線を画すものとなっている。

メーターナセルがインパネから突出する従来までのデザインを廃し、ディスプレイや操作スイッチを水平方向に集約。直感的に操作ができる機能レイアウトと、インストルメントパネルからドアにかけて繋がりのある造形となった。

これにより、ドライバーは運転に集中でき、パッセンジャーは心地良く移動を楽しめる、「全席特等席」を実現するという。

また、過度に飾り立てず暖か味を感じられる金属加飾「WARM STEEL」や、思わず触れたくなる造形と握り心地を両立したシフトノブ、一目でわかる仕立ての良さと着座時の安心感にこだわったシートなど、内装部品の1つ1つにもこだわった。

シートはヒップポイントを高め、前後席とも優れた乗降性と視界の良さを実現。

なお、クロスオーバーはファストバック的なスタイリングからハッチゲートを備えているように見えるが、ショートデッキのトランクリッドを備え、独立したトランクを持つ。

その容量は450L(スペアタイヤ非装着車)あり、9.5インチのゴルフバッグを3個収納可能だ。

「2.4LターボHV」と「2.5L HV」

クロスオーバーには、2種類のパワートレインが設定されている。

まず、「2.4Lデュアルブースト・ハイブリッド・システム」。

これは、低回転から力強いトルクを生み出す2.4L直4ターボと、高い駆動力を発揮する電動パワートレイン「eAxle」、新開発のバイポーラ型ニッケル水素電池を組み合わせたシステムをトヨタとして初採用している。

エンジンは272ps/46.9kg-mを発生。モーターは、前が82.9ps/29.8kg-m、後ろが80.2ps/17.2kg-mというスペック。アクセル操作にリニアに反応し、
気持ち良いドライビングフィールを体感できる。燃費は15.7km/L(WLTC)だ。

もう1つが、「2.5Lシリーズ・パラレル・ハイブリッド・システム」。

これは、2.5L直4エンジンにモーターを組み合わせた、クロスオーバーに最適化した高効率システムに、新開発バイポーラ型ニッケル水素電池を搭載したものだ。

エンジンは186ps/22.5kg-m、モーターは前が119.6ps/20.6kg-m、後ろが54.4ps/12.3kg-mを発生する。クラストップレベルの低燃費と高い静粛性を実現し、クラウンならではの上質で滑らかな走りを進化させた。燃費は22.4km/Lだ。

トランスミッションは、前者がダイレクトシフト6AT、後者が電気式無段変速機と組み合わされる。駆動方式は、いずれも電気式4WDとなるが、前者は前後輪の駆動力配分を100:0から20:80の間で制御するE-Fourアドバンスト、後者はE-Fourとなり、システムが異なる。

乗り心地と最低地上高

シャシーには、新開発のTNGAプラットフォームを採用。また、前述の大径21インチ・タイヤの採用により得られた従来のセダンより高いヒップポイントを活かし、乗り降りがしやすく、視界の良い着座位置を実現している。

最低地上高は全てのグレードが145mmだ。

TNGAプラットフォームは、軽量かつバランスの取れた高剛性のボディをもたらした。

足まわりでは、フロントにマクファーソンストラット式、リアには新開発マルチリンク式のサスペンションを採用。運転のしやすさを優先したパッケージでありながら、クラウンらしいどっしりとした直進安定性と、しなやかな動き、目線のぶれないフラット感と振動の少ない乗り心地を追求した。

発表会で豊田章男社長が「乗ってみると、クラウンでした」と語ったように、ずっと乗っていたくなる快適性を実現している。

ユーティリティでは、インテリアの項でも紹介したが独立したトランクはハンズフリーの電動開閉機構も設定され、デッキアンダートレイも備え、リアシート中央部はトランクスルーとなる。

「全席特等席」と謳っているように、前後席ともシートまわりに収納スペースは豊富。スマホやタブレットに対応する、充電用USB端子(タイプC)は前後で計4個、通信にも使えるUSB端子(タイプA)とアクセサリーソケットも1個ずつ備えている。スマートフォンの置くだけ充電も、トヨタ車では初めて設定された。

ADAS/装備について

トヨタのフラッグシップにふさわしく、最先端の先進安全・運転支援システムも充実している。

まず、予防安全パッケージの「トヨタセーフティセンス」は、先進機能を付与し、機能を向上した最新のものを全グレードに標準装備。

「交差点」右折時の対向直進車・右左折時の対向方向から来る横断歩行者・自転車運転者検知機能や、低速時加速抑制機能、緊急時操舵支援(アクティブ操舵機能付き)といった機能も設定されている。

また、高度運転支援技術「トヨタ チームメイト」も搭載。渋滞時の安全運転を支援する「アドバンスト・ドライブ(渋滞時支援)」や、さまざまな駐車シーンでスムースな入庫・出庫を自動で行いリモート操作も可能な「アドバンストパーク(リモート機能付き)」など、安心・便利な先進機能を装備している。

コネクティッドでは、12.3インチのディスプレイオーディオを備え、トヨタスマートセンターの新しい情報を活用したコネクティッドナビが5年間無料で利用できる。

また、話しかけるだけでクルマが応える「エージェント」や、車内Wi-Fi、スマートフォン対応など、一部はオプションだが充実している。

価格と発売時期

トヨタ・クラウン・クロスオーバーは、2022年秋頃の発売となる。

生産はトヨタの元町工場・堤工場で行い、月販基準台数は3200台/月と発表された。

クロスオーバーの価格は下記のとおりとなっている。

なお、クロスオーバーRS、クロスオーバーGレザーパッケージ、クロスオーバーG、クロスオーバーXは、2023年1月以降に生産する予定だ。

2.5Lハイブリッド仕様

クロスオーバーX:435万円
クロスオーバーG:475万円
クロスオーバーGアドバンスト:510万円
クロスオーバーGレザーパッケージ:540万円
クロスオーバーGアドバンスト・レザーパッケージ:570万円

2.4Lターボ・ハイブリッド仕様

クロスオーバーRS:605万円
ウロスオーバーRSアドバンスト:640万円

クラウン・クロスオーバー スペック

クラウン・クロスオーバーRSアドバンスト 主要諸元

車両価格:640万円
全長×全幅×全高:4930×1840×1540mm
ホイールベース:2850mm
車両重量:1920kg
パワートレイン:2393cc直4ターボ+モーター
最高出力(エンジン):272ps/6000rpm
最大トルク(エンジン):46.9kg-m/2000-3000rpm
最高出力(前モーター):82.9ps
最大トルク(前モーター):29.8kg-m
最高出力(後モーター):80.2ps
最大トルク(後モーター):17.2kg-m
ギアボックス:ダイレクトシフト6AT
駆動方式:四輪駆動
ハイブリッド燃費:15.7km/L

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みんなのコメント

16件
  • 納車予定は5年後です。
  • 何度か見たらかっこよく見えてくるかなぁと思いながらネット閲覧してるけど、やっぱりリアのデザインが全く好きになれない
    ダサい
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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