■トヨタ・日産の人気ミニバンはどこが違う?
テレビやインターネットなどのCMでセレナが「ミニバン販売台数日本一」と宣伝している日産。対するトヨタは、2017年度において「ヴォクシー・ノア・エスクァイア」の合計販売台数が新車販売台数で1位となったと過去に発表しています。
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日産「セレナ」とトヨタ「ヴォクシー」は、日本の市場において『売れているミニバン』の代表ですが、なぜこの2台は売れているのでしょうか。
トヨタ「ヴォクシー」は2001年に初代モデルがデビューし、現行の3代目モデルは2014年に登場。日産「セレナ」は、1991年に初代モデルが登場し、2016年には現行の5代目モデルへと変わっています。
現行モデル同士の販売台数比較において、2016年ではヴォクシー(9万1868台)、セレナ(7万3502台)とヴォクシーが人気でしたが、2017年にはヴォクシー(8万8753台)、セレナ(8万4433台)と、その差がわずかになっています。
そして、2018年(1月から12月)の年間販売台数において、ヴォクシー(9万0759台)、セレナ(9万9865台)と逆転。これは、同年2月に日産の誇る電動パワートレイン『e-POWER』を搭載した、「セレナ e-POWER」が新たにラインナップされたことをきっかけに、セレナが大幅に販売台数を伸ばしたのです。
セレナの販売好調な理由について、日産は次のようにコメントしています。
「楽しい思い出をつくり続ける“家族”のミニバンとして1991年の初代発売以来、常に時代が求めるファミリーの楽しみを追求し、進化を続けているミニバンです。
また、『e-POWER』は、2016年にノートへ初搭載し、その力強い走行性能や高い静粛性、アクセルペダルの踏み戻しだけで加速から減速まで意のままに行うことができる『e-POWER Drive』が高く評価され、多くのお客さまにお買い求めいただいています」
※ ※ ※
セレナは、ガソリン車/ハイブリッド車(e-POWER・S-HYBRID)やスポーティ車(NISMO・AUTECH)といったさまざまな仕様が設定され、全32グレードを展開。ユーザーの使い勝手に合わせて選べる点なども人気の秘訣といえます。
■トヨタ「ヴォクシー」人気の理由はどこに?
2017年7月には、現行モデル(3代目)初のマイナーチェンジを行っています。
2019年1月にトヨタの先進安全技術「Toyota Safety Sense」において、プリクラッシュセーフティに昼間の歩行者検知機能を追加するとともに、インテリジェントクリアランスソナー(パーキングサポートブレーキ(静止物))を新たに設定するなど、改良を続けて常に売れる要素を作り出しているのです。
また、ヴォクシーは、2014年「ZS 煌」、2016年に「ZS 煌II」という特別仕様車を発売。迫力のあるデザインを好むユーザーに人気となり、ヴォクシー全体の販売台数を後押ししています。
ヴォクシーのモデルラインナップは、ガソリン車/ハイブリッド車やスポーティ車(GR SPORT)や特別仕様車(ZS 煌)などの種類が存在。
ヴォクシーの人気についてトヨタの関係者は次のように説明しています。
「ヴォクシーはスポーティさを特徴としています。トヨタの販売ブランド(トヨタ店・トヨペット店・カローラ店・ネッツ店)において若年層をターゲットとしているネッツ店で取り扱っている専売車種です。
姉妹車のノアは、ファミリー層向け。その2台よりも上質なモデルとしてエスクァイアという形でモデル毎の棲み分けがされています」 ※ ※ ※
2019年現在の全国における販売店数は、トヨタの約5000店舗に対して、日産の販売店は約2100店舗。しかし、ヴォクシーはネッツブランドの専売車種となり、ネッツ店は全国で約1600店舗と販売網の差も販売台数に影響していると考えられます。
国内のミニバン市場において、セレナとヴォクシーが売れる理由としては、多様化するニーズを上手く捉えたことが挙げられます。ガソリン車・ハイブリッド車・スポーティ車など自分のニーズに合う多用なモデルが選べることが人気なのです。
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