この記事をまとめると
■ワゴンRベースの背が高すぎないスライドドア車としてスマイルが新たに登場
しょせん軽……なんてバカにする時代は終わった! 新東名の120km/h区間を余裕で走れる軽自動車6選
■すでに市場には同コンセプトのダイハツ・ムーヴキャンバスが存在する
■燃費や安全装備やラゲッジや乗降性などで徹底比較を実施した
使い勝手と手頃な全高を両立したプチバン2台
スズキが満を持して登場させた新感覚の軽自動車がワゴンRスマイル。その名のとおり、スズキ軽の主力車種のワゴンRをベースに、全高を高め、両側スライドドアを与えたプチバンである。
そんなワゴンRスマイルの先駆車と言えるのが、ダイハツ軽自動車のヒット作の1台であるムーヴキャンバスだ。6代目ムーヴをベースにした、デザインや女性が嬉しい実用装備満載の”CAN=できるミニバス”がコンセプトのセミハイトユーティリティモデルと呼べる軽自動車であり、エクステリアは往年のVWバス タイプ2 T1をイメージしたことは間違いのないところ。20代後半から30代前半の女性がターゲットというだけあって(発表時)、エンジンはNAのみ。ターボモデルはない。
ワゴンRスマイルは、ゆえに、2016年9月デビューのムーヴキャンバスから遅れること5年目に登場したわけで、こうした軽自動車の需要が確実にあることを示している。スズキ、ダイハツにはスペーシア、タントというスーパーハイト系軽自動車があるものの、それより全高を抑えた、背高なクルマが嫌いな人にも向くパッケージングが特徴となる。
両車のボディサイズは、全長、全幅は軽自動車枠の規制から変わるところはないが、全高はムーヴキャンバスが1655mm、ワゴンRスマイルが1695mmと、ワゴンRスマイルのほうが30mm高い。これは室内高に直結し、ムーヴキャンバスの1285mmに対して、ワゴンRスマイルは1330mmのゆとりがある。ちなみに、室内長も、ホイールベースの違いから、ムーヴキャンバスは2115mm、ワゴンRスマイルは2185mmと長い(計測方法はメーカーによって異なるため、直接比較はできないが)。
キャラクター的に似ている両車だが、エクステリアデザインのクラシック感(ワーゲンバス風ということ)、女性ウケではムーヴキャンバス。今風で精悍な顔つきを持ち、男女どちらでも抵抗なく乗りこなせそうなのがワゴンRスマイルということになる。
パワーユニットも大きく異なる。ムーヴキャンバスはすでに述べたように、女性がターゲットのため、NAのみの設定。一方、ワゴンRスマイルはNAのガソリン車に加え、というか、メイングレードはスズキの軽自動車ではおなじみのマイルドハイブリッドを用意。よって、燃費性能も、設計が新しいワゴンRスマイルが有利で、WLTC総合モードで比較すると、ムーヴキャンバスは20.6km/L。ワゴンRスマイルはガソリン車が23.9km/L、マイルドハイブリッド車が25.1km/Lと圧倒する(FF車の値)。
というのも、ワゴンRがそうであるように、スズキの最近のクルマは軽量化が徹底され、ムーヴキャンバスの920kgに対してワゴンRスマイルはガソリン車で840kg、マイルドハイブリッド車で860kgと、とにかく軽く、当然、燃費にも貢献しているわけだ(FF車の値)。
乗降性はワゴンRスマイルが一歩リード!
では、両車の大きな売りとなる両側スライドドアの乗降性はどうだろう。ムーヴキャンバスのスライドドア開口部は、ステップ高370mm、スライドドア幅590mm、高さ1110mm。
ワゴンRスマイルはステップ高345mm、スライドドア幅600mm、高さ1165mm。つまり、ワゴンRスマイルのほうが、ステップ~フロア高がより低く、スライドドアの開口部が高いことになり、乗降性はワゴンRスマイルが一歩リードしていると考えていいだろう。
こうした大容量の軽自動車なら、大きな荷物を積むこともありそうだ。そこでラゲッジスペースを比較してみると、ムーヴキャンバスは開口部地上高650mm、開口高875mm、開口幅最大1060mm、後席使用時の奥行き330~580mm(後席240mmのスライド位置による)、幅885mm、天井高875mm、後席格納時のフロア長1110mmとなる。
ワゴンRスマイルは開口部地上高695mm、開口高855mm、開口幅最大1000mm、後席使用時の奥行き280~450mm(後席160mmのスライド位置による)、幅900mm、天井高900mm、後席格納時のフロア長1275mmとなる。
つまり、重い荷物の出し入れの容易性にかかわるラゲッジスペースのフロア高の低さ、後席格納時の奥行きでは先輩、ムーヴキャンバスが優勢。一方、ラゲッジスペースの開口幅、天井高、後席格納時のフロア長では、見事にスクエアな(幅900×高さ900mm)ラゲッジスペースのワゴンRスマイルがリードするというわけだ。これは全高の余裕が功を奏していると言っていいだろう。また、後席格納時、後席部分に角度が付くのがムーヴキャンバス。ワゴンRスマイルは、ワゴンRやスペーシア同様に、ほぼフラットでより使いやすいはずである。
先進運転支援機能はどうか。両者ともに充実しているが、さすがに設計が新しいワゴンRスマイルのほうが、より先進的と言えそうだ。つまり、高速走行でのストレス低減、安心感に直結するACC(アダプティブクルーズコントロール)は、ワゴンRスマイルの場合、オプションながら全車速追従型となるものの、ムーヴキャンバスにはそもそもACCの設定がない。アクセルの踏み間違い防止機能でも、ワゴンRスマイルはブレーキ制御付き(後方)なのだが、ムーヴキャンバスは前後ともに抑制(ブレーキ制御なし)のみとなる。ちなみにワゴンRスマイルには、スズキ初の予約ドアロック機能も用意されている。
最後に価格だが、ワゴンRスマイルは、NAエンジンモデルのみのムーヴキャンバスに相当するガソリン車のGグレードで129.6万円(FF)、主力グレードのマイルドハイブリッドモデルで147.20~159.28万円。ムーヴキャンバスは150.7万円~162.8万円となる(いずれもFF、2トーンカラーの設定・価格条件は両車異なるので注意)。
というわけで、軽自動車でVWバスのような、ほんわかとしたクラシカルな雰囲気を、穏やかな動力性能とともに味わいたいなら、依然としてムーヴキャンバスの2トーンカラー(必須。モノトーンだといきなり地味になる!!)が楽しそうだ。
一方、男女どちらにも似合うキャラクター、マイルドハイブリッド機構やボディの構造用接着剤&高減衰マスチックシーラーの採用によるスムーズで静かな走行性能、燃費性能の良さ、先進運転支援機能の充実度、そして現時点でまだ未試乗だが、車重80kgの軽さによる動力性能のゆとり、前後スタビライザー装着による走りの安定感などを総合して選ぶなら、設計も新しいワゴンRスマイルということになるのではないだろうか。
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みんなのコメント
このバランスのままシエンタクラスのサイズで6~7人乗りにしたら面白いと思う。