フォルクスワーゲン パサート セダン 「セダンとワゴンともに正統派の実用車」の専門家レビュー ※掲載内容は執筆日時点の情報です。

西村 直人
西村 直人(著者の記事一覧
交通コメンテーター
評価

4

デザイン
4
走行性能
4
乗り心地
4
積載性
5
燃費
4
価格
4

セダンとワゴンともに正統派の実用車

2022.1.17

年式
2015年7月〜モデル
総評
ポロ、ゴルフと続き、パサートへ。そういったユーザーも本国では多いと言うが、フォルクスワーゲンブランドでステップアップしていくとパサートの良さがじんわりと伝わってくる。一緒にいる時間が長ければ愛着がわいてくる、噛めば噛むほどと称されるスルメのようなクルマ。欧州ではカンパニーカーとしても多用されるほど信頼性の高いモデルでもある。
満足している点
セダン、ヴァリアント、そしてオールトラックとバリエーションが豊かであること。ガソリン、ディーゼルモデルとも燃費性能に優れること。そしてキャビンは広く快適で、トランク/ラゲッジルームとも積載能力に優れていること。また、性能からすればリーズナブルで、長く乗るにはうってつけの輸入車であることも最良点だ。
不満な点
全体的に薄味であること。これが人によってはマイナス点に感じられると思う。クルマを道具として考え、高い実用性を求めるユーザーにとっては最高の伴侶となるが、デザインが垢抜けたとはいえ個性が弱い。また、一度乗っただけではなかなか良さが伝わりにくいところがあるため、可能なら試乗シーンを変えながらじっくり体感してもらいたい。
デザイン

4

2021年4月に国内導入されたマイナーチェンジ版のパサートとパサート・ヴァリアント。内外装に至るまで大幅に手が加えられた。外装ではアルテオンを思わせるシャープなデザインを導入し、内装ではインストルメントパネル中央上部のアナログ時計を廃してパサートロゴとハザードスイッチに改められた。
走行性能

4

直列4気筒1.5lターボと、直列4気筒2.0lディーゼルターボの2タイプ。駆動方式はFFだが、ヴァリアントをベースにしたオールトラックのみ4WDだ。車格からしてマッチするのはディーゼル。中速域のトルク特性に優れていて高速巡行も得意。市街地中心なら軽快なガソリンも良いがややおっとりした走りなる。トランスミッションはいずれも7速DCT。
乗り心地

4

熟成を重ねた現行モデルは最良の部類。標準グレードはさることながら、ヴァリアントのスポーツモデルである「Rライン」が装着する電子制御ダンパーであるアダプティブシャシーコントロール/DCCが秀逸で、19インチの大径タイヤをなんなく履きこなす。荒れた路面から高速巡航まで常に車体はフラットに保たれ、前後シートとも快適な移動が楽しめる。
積載性

5

ヴァリアントの積載能力には定評があるが、意外にもセダンのトランクルームも床面積が広く天地方向にもゆとりがあるため使いやすい。ともにリヤシートは分割可倒式だ。また、車内各部にもゆとりが大きく、ドアポケットひとつにしても深さがあって使いやすい。
燃費

4

ガソリンモデルは走行シーンに左右されるところが大きいが、トルク値の大きいディーゼルは市街地走行でも燃費数値を伸ばしやすい。スムームスな流れの郊外路では17㎞/l以上をなんなく達成する。また、高速燃費は非常に優秀で、レベル2技術であるトラベルアシストを使い第1通行帯をおとなしく走れば20㎞/lはかたい。やはり実用車だ。
価格

4

セダンのボトムグレードは436.4万円。輸入競合車と比較すると同じような価格帯だが、装備内容を踏まえて比較していくとパサートの優位性がグッと高まる。衝突被害軽減ブレーキ機能やACC+車線維持支援システムなど先進安全技術は上位モデルと同じだからだ。
西村 直人
西村 直人
交通コメンテーター
WRカーやF1、MotoGPマシンのサーキット走行をこなし、4&2輪のアマチュアレースにも参戦。物流や環境に関する取材を多数。大型商用車の開発業務も担当。国土交通省「スマートウェイ検討委員会」、警察庁「UTMS懇談会」に出席。自動運転技術の研修会(公的/教育/民間)における講師を継続。警視庁の安全運転管理者法定講習における講師。近著は「2020年、人工知能は車を運転するのか」(インプレス刊)。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員日本自動車ジャーナリスト協会会員
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