フォルクスワーゲン ゴルフ R ヴァリアント 「走りも乗り心地も積載性も!そんなワガママに応える」の専門家レビュー ※掲載内容は執筆日時点の情報です。

西川 昇吾
西川 昇吾(著者の記事一覧
自動車ジャーナリスト
評価

5

デザイン
3
走行性能
5
乗り心地
5
積載性
5
燃費
4
価格
3

走りも乗り心地も積載性も!そんなワガママに応える

2023.9.4

年式
2022年10月〜モデル
総評
これほどまでワガママに対応する万能なスポーツモデルもあまり存在しないと感じる。それはゴルフRも同じだが、大きすぎないサイズ感で広々としたラゲッジスペースを有しているヴァリアントベースならではの良さもある。また良い意味でマイルドなスポーツモデルなのも好印象だ。走りの良さは当然あるものの、扱いづらさやハードな部分はなく、運転者も同乗者も笑顔になれるスポーツモデルだ。ただ、金額の高さとナビを始めとした各種操作系の使いにくさ、分かりづらさは大きな欠点。購入前に必ずチェックすべきポイントだ。
満足している点
抜群に総合性能が高いことだろう。ノーマルのゴルフヴァリアントそのままの全幅で街乗りも比較的楽に取り回しできるし、スタビリティの高さを実感できる走行性能と走りの楽しさも兼ね備えている。また乗り心地も抜群にいい。さらに大人4人が座れて、しかもヴァリアント特有のほどよいボディサイズと広々としたラゲッジスペースも兼ね備えていて実用性も高い。走りにコンフォート性能に実用性にと、広々としたラゲッジスペースでゴルフR以上に「これ一台」でかなり満足できる仕上がり。
不満な点
ここはゴルフ R ヴァリアントだから、というよりもゴルフファミリー全体の不満点なのだが、ナビを始めとした各種操作系の使いづらさが大きな欠点。物理スイッチは基本的にハザードのみで、ナビの操作性はとても悪い。空調もナビを経由していくつもの階層を通らなければならない。人によっては表記が分かりづらいと感じるし、かなり手元を見なければならない。物理スイッチに戻してほしいのが本音といったところだ。この操作系の改善をゴルフファミリー全般にお願いしたい。
デザイン

3

基本的なデザインはノーマルのヴァリアントと共通で、専用のバンパーやボディ同色のサイドシルなどが装備される。このあたりはゴルフとゴルフRの関係性も同じだ。しかし、ゴルフRと同じであまりRっぽい凄みがないというか、スポーツモデルとしてのデザイン的な演出はイマイチ薄味な気がしてならない。あえて実用車な雰囲気を出しているのだと思うが、価格に対する所有欲を考えるともう少し「速いクルマだぞ!」感を出しても良いのではとは感じる。
走行性能

5

FFの実用ワゴンがベースであることを考えれば、走行性能で文句をつけるポイントはほぼない。ボディの剛性感もしっかりとしていてスタビリティも高いため、高い速度域でのコーナリングや加速でも恐怖感はほとんどないし、ハンドリングとスタビリティが高い領域で共存している。楽しさと安定感のどちらも味わえる4WDシステムは秀逸だ。あらゆる場面でクルマとしての基本性能の高さや走行性能を感じることが出来る。
乗り心地

5

ゴルフRにも言えることだが、スポーツモデルとは思えないほど、ビックリするくらい乗り心地が良い。コンフォート、スポーツ、レース、カスタムの4つのドライブモードが設定されているが、スポーツモードでも乗り心地は十分快適。コンフォートモードだとラグジュアリーサルーンを思わせるほどで、感じる振動もかなりマイルド。出来のいいシートも相まって長距離移動は快適そのものだろう。目の粗いアスファルトでは少しロードノイズが気になるが、これはスポーティーなタイヤも影響しているものと思われる。
積載性

5

ノーマルのヴァリアントも同じだが、ボディのサイズ感を考えると広々としたラゲッジスペースだ。なにより素晴らしいと感じるのがタイヤハウスの主張が少ないこと。スポーツモデルであっても実用性を全く犠牲にしていないのはゴルフファミリーらしさを感じる。
燃費

4

WLTCモードで12.2km/Lという燃費性能は、ハイパフォーマンスなエンジンを搭載していて、1600㎏という車重があることを考えれば妥当と感じる。また、ゴルフRともどもカタログ値と実際の燃費性能との差異があまりない感覚がする点は優秀だと思う。ハイパワーなだけにアクセルを踏めば当然どんどん燃費は悪くなるが、実際に燃費走行を心がけて運転しても「それもアリ」と思わせてくれる乗り味なのがゴルフファミリーらしい。
価格

3

普段使いもOK、高速道路での疲労度も少なく、楽しい走りと高いスタビリティ、広々としたラゲッジスペース、そして胸のすく加速…あらゆる性能を高い次元で実現しているゴルフ R ヴァリアント。その総合性能の高さが分かっていても、600万オーバーという価格はやはり高いと感じる。ただ、ヴァリアントであることで利便性はゴルフRよりも高く、ワガママにはより応えられる印象だ。価格に対する満足度としてはゴルフRよりもRヴァリアントの方が感じやすいかもしれない。
西川 昇吾
西川 昇吾
自動車ジャーナリスト
1997年生まれ、大学時代から自動車ライターとしての活動をスタート。現在はWEB・紙の各種媒体で様々なジャンルの記事を執筆するほか、車両解説動画にも出演し、喋りの分野にも挑戦中。愛車のマツダ・ロードスターで定期的にサーキット走行をし、ドラテクの鍛錬も忘れない、目指すは「書けて、喋れて、走れるモータージャーナリスト」
フォルクスワーゲン ゴルフ R ヴァリアント 新型・現行モデル

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