フォルクスワーゲンタイプ1（ビートル）登場以前に似たデザインの車はありましたか?

Answer 1

「KDFハノマーグ」
1941年型KdF：稼働した新鋭工場で生産されたが生産台数はごく少数でナチの幹部などに割り当てられた。
全長3900×全幅1500×全高1500㎜・WB2400㎜・車重750kg/生産台数44台。

フォルクスワーゲンタイプ1（ビートル）は戦後に英国資本で再開発された似て非なる車です。

Answer 2

幾つかありました。

※まずはメルセデス・ベンツ・170H
https://www.eurooldtimers.com/temp/stroj_big_zoom_16715.jpg
・・・1936年型で、1938年デリバリー開始のVW・タイプ1より2年早いですが、問題はそこだけでなく。
タイプ1の設計者、フェルディナンド・ポルシェは、1923年から 1928 年までメルセデスの設計部長で、既存の技術に拘らない『小型大衆車に最適な車体構造』の研究を行っていました。
その結果が170Hであり、VWタイプ1になったということです。

※ポルシェ・タイプ12
自動車メーカーのポルシェは、第二次大戦後、フェルディナンドの息子が興した会社です。（戦犯でフランスに幽閉されていたフェルディナンドの莫大な保釈金を支払う目的で設立された、とされています。）
フェルディナンドが作った最初のポルシェ社は、『ポルシェ設計事務所』というクルマの委託設計を請け負う会社で、ここでミッドシップのアウトウニオンやVWタイプ1が設計されます。（現代の日本で言うと、童夢とか東京R&Dみたいな会社。ポルシェ設計事務所は、現在でもポルシェグループ内で『ポルシェ・エンジニアリング』という研究請負部門として残っています。）
でフェルディナンド・ポルシェは、1931年、ツェンダップ（現在のアウディ）からの依頼で、リヤエンジンの小型大衆車『タイプ12』を設計します。
https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/7/7d/Porsche_typ12.jpg
・・・結局このクルマは、市販化に向けて開発中に『第二次世界大戦前夜』の緊張した社会情勢になり、開発どころではなくなりそのまま消え去りました。
このタイプ12の開発中の車名はAuto für Jedermann＝みんなのためのクルマ、です。タイプ1のプロジェクト名がVolks Wagen＝国民車だっとのと同じ思想ですね。
このクルマも、フェルディナンドのメルセデス時代の研究成果が反映されている様に見えます。

※そして真打、チェコのタトラ・T77
https://img.over-blog-kiwi.com/1/40/60/51/20180307/ob_5845cf_tatra-t77-streamlined-saloon-1934-104.png
タトラの1934年モデル。空冷V8気筒エンジンをリヤに積む巨大なリムジンで、アイデアとしてはタイプ1そのものです。
また更に、設計部長のハンス・レドヴィンカはこのV8エンジンを半分切ってV4にし、車体を切り詰めた『リヤエンジンの小型大衆車』を設計していました。
がしかし、レドヴィンカは実家の事情で1年半ほど故郷（オーストリア）に帰らなければならず、帰省中の代打の設計部長として指名したのが、同郷のオーストリア出身で友人のフェルディナンド・ポルシェでした。つまりポルシェは、レドヴィンカが設計した（或いは設計中の）全てのタトラ車の図面を閲覧出来る立場に居た、ということです。
実際のところ、ポルシェがレドヴィンカの設計にどれほど影響を受けたか？はよく判っていません。しかしVWタイプ1開発中のポルシェの日記に、『タトラが特許侵害に関して激しく苦情を入れて来て、仕方がないので党本部（ナチス党）に相談に行った』という書き込みがあり、レドヴィンカの設計とタイプ1には少なからず共通点があったと考えられます。
尚、この話には『もっともらしい』ウワサもあって。
チェコ占領後すぐに工場を停止したほどタトラをメルセデスやアウトウニオン（後のアウディ）に対する『自動車市場での脅威』と見ていたヒトラーは、VW構想が始まった頃、フェルディナンド・ポルシェに対し『優秀なゲルマン民族が乗るにふさわしい優秀なクルマを設計して欲しい、例えばタトラの様な』と言ったとされています。
タトラで短期の設計部長職を終えた後のフェルディナンドは、(￣ー￣)ﾆﾔﾘとしたかもしれません。
そして生まれたのがタイプ1です・・・。

・・・っというワケで。

>フォルクスワーゲンタイプ1（ビートル）登場以前に似たデザインの車はありましたか?

170HやT77の様に市販されたものだけでなく試作車まで含めて見ると、VWタイプ1の先進性はかなり色褪せます。
しかし重要なことは、その全てにフェルディナンド・ポルシェが関与しているということです。タイプ1、更には後のポルシェ356や911は、全てフェルディナンド・ポルシェと、彼の友人や彼が置かれた環境から始まった、と言えそうです。

Answer 3

タトラT97