何故水平対向エンジンのショートストロークだとパフォーマンスを出しずらいのでしょうか？

Answer 1

●水平対向型のメリットとは？
最大のメリット … エンジン全長が短く，エンジン高さが低い点です。VWのビートルのように，リアオーバーハングを短くし，エンジン上部にスペースを確保するためには，水平対向が必須です

2番目のメリット … エンジン冷却に好適な点です。4気筒エンジンでも左右2気筒ずつになり，燃焼室温度が直列4気筒より均一になり，気筒間バラツキが小さくなることで耐ノック性が向上します。

●デメリットは？
最大のデメリット … 排気量が大きい場合，ボア・ストロークのアスペクト比がうまく取れなくて，ショート・ストローク傾向になり，燃焼室表面積が大きく，冷却損失が大きい点です。これは燃費やトルクの悪化，そして耐ノック性の悪化（燃焼時間が長い）になります

～ 一般にロング･ストロークエンジン（ボアに対してストロークが大きい）では，燃焼室の体積（圧縮終了時）に対して燃焼室の表面積（これも圧縮終了時）が小さくなります。なぜならボアが小さいからです。これにより燃焼したときのガスのもつ熱が燃焼室の壁面から外（＝冷却水）に逃げる量（＝冷却損失）が少なくなります。冷却損失は，エンジンの出力と同じくらいに大きな動力（＝熱量）なので，これを少しでも減らすことが燃費改善につながります

2番目のデメリット … 可変動弁のレイアウトがやりにくい点です。最近のクルマはバルブトロニックのように複雑な構成の可変動弁のため，エンジン幅（＝ピストン・ストローク側の長さ）が必要です。逆にいえば，現在のFBエンジンは，ヘッド回りのレイアウトにたいへん苦心し，ロングストロークを実現しています（2.0L版）。

3番目のデメリット … 重心を低くすると，排気系処理が難しい点です。等長や直下エキマニをやろうとすると，低重心は困難です。このため先代までのレガシィはエンジン重心が高く，フロントデフの収納が簡単でした。カタログを詳細に読むと，エンジン単体の重心が低いと書かれていました。
なお潤滑の片寄りや整備性の課題はありますが，あまり本質的ではありません。なぜならコンパクトなエンジンルーム（＝エンジン･コンパートメント）に搭載された後方排気のエンジンも十分，整備性が悪いし，エンジンの前面/後面温度差が大きいからです。
一方，エンジンレスポンスですが，非線形のアクセル開度特性（＝小さいなアクセル開度で，大きなスロットル開度）を持たせているので，注意が必要かもしれません。

●自動車の価値の変化
10年前までは，自動車開発では，「エンジンがトップ，シャシーが2番目」という地位でした。ところが最近の自動車業界を見ていると，「エンジンは何でもOK，シャシーは安ければ良い，売りはデザインとユーティリティ」という状態になっています。つまりエンジンによる差別化がない時代になってきているのです。もちろんエンジンが売りのクルマがなくなったわけではありません。しかし少数派です。

●水平対向
このような時代の変化により，「水平対向」であることがクルマを特徴付ける「売り」になってきたのです。じつは15年くらい前，富士重工が日産傘下の時代，日産は水平対向をやめさせ，VQエンジンを使わせようとしていました。この判断は，数量確保だけではなく，技術的な理由もありました。しかし現在から見れば，水平対向を維持することで，富士重工はクルマの価値と企業の存在意義を確保したのです。
現在のように，クルマの「差異」が小さい時代になると，このような「違い」はとても重要です。なぜなら，「クルマは移動手段」ですが，それ以上に「社会的価値の表現手段」であるからです。

簡単ですが，ご参考になれば幸いです。

質問者からのお礼コメント

ありがとうずら！

Answer 2

＞何故水平対向エンジンのショートストロークだとパフォーマンスを出しずらいのでしょうか？

如何考えても質問の意味が解らない？
ショートストロークの場合は、ボアが大きいのでガソリン点火の場合は、火炎伝播等の点でジーゼルには劣るかも知れませんが差異は微々たるもの！

水平対向エンジンは重心が低い・・って間違っていませんか？
クラッチ部の機構ですょ・・ＭＴであれば、単板クラッチですとクラッチハウジング外径で最低地上高は決まってしまうので、エンジン本体は必要以上に下げられない！（多版クラッチで有れば外径は小さく出来る）

パブリカでもシトローエンでもＤＫＷでもＶＷでもポルシェでも（特にカレラ-Ⅱ・・904エンジン）でも問題点は有りませんが？？

兎に角，なにを如何言いたいのか解からない？
直列4気筒エンジンを垂直状態で載せても問題無いのですょ！水平エンジンも同じくです・・何か特定の決まりが有る様に考えていませんか？