トヨタ シエンタハイブリッド 「ラゲッジスペースに魅力がいっぱいの5ナンバーミニバン」の専門家レビュー ※掲載内容は執筆日時点の情報です。

西川 昇吾
西川 昇吾(著者の記事一覧
自動車ジャーナリスト
評価

2

デザイン
1
走行性能
2
乗り心地
2
積載性
5
燃費
3
価格
2

ラゲッジスペースに魅力がいっぱいの5ナンバーミニバン

2022.6.20

年式
2015年7月〜モデル
総評
個人的にはあまり良好なイメージがないシエンタだが、売れ筋なモデルであることは確かだ。それは需要を上手くくみ取り、それにマッチした性能と機能を兼ね備えているからである。モデルライフ末期と思われるので、個人的にはこの売れ筋モデルがフルモデルチェンジをして、どのように生まれ変わってくるのかという点がとても楽しみである。TNGAプラットホームの採用や新しいハイブリットシステムなどが採用されれば、より魅力的で現代的になり売れる理由に磨きがかかったモデルになるはずだ。
満足している点
このクルマの良い点は積載性能、これに尽きる。積載性のところでも述べたが、単純にラゲッジスペースの容量が大きいだけではなく、使い勝手や汎用性に優れているところが高評価できるポイント。様々なニーズや需要に応えられるラゲッジスペースとなっている。5人乗りと7人乗りが用意されているので、どのようにラゲッジスペースを使いたいかによって選べる選択肢があるというのも大きいだろう。このクラスの車種に求められる需要をしっかりと抑えている。
不満な点
走行時のロール感や突き上げ感が気になりハンドリング性能や乗り心地があまり良好とは言えない点。現代の水準から見てみると、トップクラスに優れているとは言えない燃費性能。ちぐはぐな無理やり感を感じるデザインなど気になる点は数多くある。しかし、2015年に登場したモデルで、もうモデルライフも終盤に差し掛かっていると思われるので、現代の水準で一つ一つ見てしまうのは酷なことかもしれない。
デザイン

1

はっきり言ってデザインが優れているとは思えない。無理やり先進性を与えようとした印象があるが、その割には灯火類のデザインがコンサバティブ過ぎる印象である。もっとLEDを多用した灯火類ならばまともだったかもしれない。また、ヘッドライト、テールライト下からバンパー下部へと延びるデザイン処理も特に機能的な理由が感じられず、不自然な印象。ライバルの他の5ナンバーミニバンの方が、親しみやすさと先進性のバランスを上手く実現していると思う。
走行性能

2

走行性能もあまり満足のいくものではない。実際に乗って見ると乗用車というよりバンというイメージが強い。ハイブリットシステムを採用しているため、トルクは大きな不満がないが、高速域へと加速のノビなどでは出力ももう少し欲しいという印象を受ける。登場が2015年ということで、TNGAプラットホームが採用される直前のモデル。その後のTNGAプラットホーム採用モデルと比べてしまうと、かなり劣勢と感じてしまうのは否めない。次期モデルの進化に期待したいといった感じだ。
乗り心地

2

全高が高く、ボディ剛性的にも不利なボディ形状であるため上質な乗り心地を実現するのは難しい面が多い。そうであっても車内の静寂性の無さや細かな振動が伝わってくる点が目立つのは正直好ましくないと言える。ガソリンの4WDのリアサスペンションはダブルウィッシュボーンとなるため、それならばまだ上質な乗り心地を期待できるが、ハイブリットは2WDのみの設定しかない。乗り心地という面ではあまり期待してはいけない。
積載性

5

積載性はとても高い。3列シートの7人乗りだけでなく、2列シートの5人乗りが用意されている点も高評価と言える。7人乗りも高い積載性能を誇るが、5人乗りの方が長物の積載性能が高く、荷物を積むということに関して言えば汎用性が高い。また、オプションでラゲッジスペースの使い方のバリエーションを広げるアイテムが用意されているのも嬉しいポイントだ。そして開口部下部も低く荷物の積み下ろしもしやすくなっている。容量だけでなく汎用性と使い勝手に優れたラゲッジスペースとなっているのだ。
燃費

3

WLTCモード22.8㎞/Lという燃費性能は登場当時としては優れた性能であったが、後発のモデルたち、より上級のモデルたちがこれよりも優れた燃費性能を実現しているポイントを見ると、今となってはあまり高いとは言えないだろう。今やトヨタの1.5Lハイブリットの主軸は3気筒エンジンとなっているが、シエンタは一世代前の4気筒エンジンのシステムとなっているため、そのような基本システムの古さも燃費性能に大きく影響していると考えられる。
価格

2

価格帯が約230万円から270万円ということを考えると正直他にも魅力的な選択肢は多くある。スライドドアとミニバンというボディ形状にこだわらなければ、新世代のTNGAプラットホームとハイブリットシステムを組み合わせた上級のSUVなどに手が届く値段なのだ。正直言ってシエンタを新車で購入する旨味はあまりないと言えるだろう。ただ、5ナンバーサイズのスライドドアミニバンという選択肢が少なくなっている現状を考えると、他の選択肢があまりないというのも事実だ。
西川 昇吾
西川 昇吾
自動車ジャーナリスト
1997年生まれ、大学時代から自動車ライターとしての活動をスタート。現在はWEB・紙の各種媒体で様々なジャンルの記事を執筆するほか、車両解説動画にも出演し、喋りの分野にも挑戦中。愛車のマツダ・ロードスターで定期的にサーキット走行をし、ドラテクの鍛錬も忘れない、目指すは「書けて、喋れて、走れるモータージャーナリスト」
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