トヨタ シエンタ 「2022年式シエンタHEV_Z(7人乗り)感想文」のユーザーレビュー

ノイマイヤー ノイマイヤーさん

トヨタ シエンタ

グレード:Z_7人乗り(CVT_1.5_ハイブリッド) 2022年式

乗車形式:試乗

評価

3

走行性能
3
乗り心地
-
燃費
-
デザイン
3
積載性
3
価格
2

2022年式シエンタHEV_Z(7人乗り)感想文

2022.12.9

総評
●要旨
Bセグベースで3列シートを成立させたシエンタは今やトヨタ車の中で小型車枠に収まる唯一のMPVとなった。新型はTNGAのスケールメリットを最大限活かし、大雑把に言えばアクアのエンジンコンパートメントに先代シエンタのフロアを組み合わせてラテン系欧州車のエッセンスを恥ずかしげも無く盗用して成立している。シートとステアリングセンターが見事にズレている。ドライバーズカーとしては全く評価できないのだが、運転席以外の助手席は運転装置が無いので収まりが良く、2列目は低床で足の置き場も十分あってミニバン的な世界観が堪能できる。緊急用の3列目も先代キャリーオーバーながら、何とか身体が収まり十分にミニバンらしい。運転席以外の座席では辻褄が合っており、よりによって運転席がその調整弁となるのである。走らせるとE/Gの振動感が気になる印象だが、段差で角を感じさせずに乗り越えた柔らかいサスは気に入った。価格はアップ。新型シエンタは内容は内容的に酷評するほどでは無いがフリードとどちらを選ぶべきかと聞かれると意外と新型シエンタが圧勝!と言うわけではない。モデルライフは長いだろうから、地道な商品改良に期待。

●美味しくなって新登場(収益的な意味で)

2022年8月、5ナンバーコンパクトミニバンのシエンタがFMCされて3代目となった。RVブームによって多人数乗車モデルが大衆化していた1997年、カローラスパシオによって3列シート車をコンパクトな車体の中で実現する試みが開始された。



競合他社では2001年にモビリオ、2003年のキューブキュービックなどそれまで持てはやされたミニバンのコンパクト化が進んでいた。




トヨタも2003デビュー初代シエンタを投入。初代ヴィッツのP/Fをベースに薄型燃料タンクを使って低床化を実施。「片手でポン!」のセカンドシート格納スライド機構を使って3列目への乗降性を確保。今まで不可能とされてきたわずか4100mmの全長に6人乗れるミニバンを構築した。



フロアが低く、しっかりヒールヒップ段差が確保された2列目、3列目シートは薄く小振りながら意外と座れるミニバン入門用としてはよく出来たモデルであった。メーカーとしては2008年に後継として開発されたパッソセッテに最小ミニバンの座を譲りフェードアウトするつもりだったのだが、後継のパッソセッテが極端な不振に見舞われた。



パッソセッテの不振により初代シエンタは2010年に一旦生産が打ち切られた後、1年で法規対応を済ませて復活となり2015年まで販売された。2代目は2015年に登場。待望のHEVが設定された事が最大のトピックである。



アクア譲りの1.5L4気筒THSは非力ながら燃費の良さとミニバンの機能性をコンパクトサイズで実現したいいとこ取りのモデルであった。実は最大のライバルであるフリードはIMAを搭載したHEVがあり、クラス唯一のHEVとして君臨しておりシエンタへのストロングHEV搭載は悲願であった。

更に当時のトヨタ車は麻疹にかかったようにエモーショナルを叫び、シエンタもスポーツバッグをイメージした奇抜なスタイリングを採用し、性能と個性でフリードを迎え撃とうとした。

一方で2016年にフリードが2代目へ切り替わった。i-DCDという弱点がありながらシエンタが手薄だった先進安全機能を充実させ、背が高いミニバン的なスタイリングを維持した。結果、フリードはCM出演タレントの不祥事などに見舞われつつも手堅いセールスを続けた。特にステップワゴンが不振でホンダ内でも顧客が流れただけで無くシエンタのアクの強いデザインや安全装備の物足りなさを補う存在としてフリードが選ばれた側面もあった。



この様な状況で生まれた3代目シエンタは、扱いやすさを維持しながらTNGAによって熱効率を追求したTHSを採用し、優れた燃費を実現。加えて遊び心と実用性を感じさせるデザインを採用した。アウトドアブームの要素を取り入れて、道具感をスパイスにしたシエンタはカワイイだけではないデザインを手に入れたのである。ただし、欧州ブランドのモデルを拝借したと思われるデザインは分かる人が見ると気恥ずかしい。



もう少し匂わせる程度に留める配慮が出来なかったのか。トヨタは模倣から脱却できる実力を持っているはずなのに他車に似せてしまうのは自信が無かったのだろうか。新型のエクステリアデザインに機能性やまとまりを感じたとしても、所詮オリジナルの良さだと指摘せざるを得ない。

一方でパッケージングも家族の最大幸福を願った効率の良さが特徴である。運転席に座るとヤリスやアクアよりもシート-ステアリング-ペダルの関係がぐちゃぐちゃなのだが、運転席以外はサイズを考えると広々としたキャビンで3列目にもキチンと座れてしまうのは難解な3Dパズルの成果である。

面白いのは、どの席を犠牲にするかという判断で迷わず運転席を選んでいるところだ。ドライバーが快適に運転できて初めて家族との安全なドライブが可能、という考え方は正論である。私もその考えに近いのだが、運転する妻なのか夫が、己よりも家族を優先するだろうという思考パターンをトヨタは知っているのだろう。この車格では全ての性能を満足させることは難しい。「あちらを立てればこちらが立たず」を地で行く開発だったことだろう。全ての前提条件の中でギリギリで成立させているのがBセグミニバンなのである。自動車をマニア的立ち位置の私の審美眼では新型シエンタの行った選択と集中は許容しがたいのだが、シエンタの主戦場である市街地では大きな欠点にならない事も事実だ。



価格は最近のトヨタの法則通りZ/G/Xの3種類にガソリン車と約35万円高でHEVが選べる。2列仕様最廉価が税込195万円、売れ筋となりそうな3列仕様GのHEVで269万円。最上級のZなら291万円に至る。もうこれはかつてのノア・ヴォクシーの価格帯に置き換わっていると言っても過言では無い。今まで普通車が買えた人が軽自動車しか買えない時代だが、今までノアを買えた人がシエンタすら買えない時代になってきた。

しかも、現在は生産する仕様を絞っており、実質的に収益性の高い上級仕様を優先した生産計画になっている。必要なメーカーオプションを厳選しないと支払い総額400万円に達しそうなレベルである。

個人的には中級のGに必要最低限のオプションで十分役目を果たせると思われるが、そんな成果に繋がらない仕様の生産は来年度に後回しだ。実は粗利の低いグレードは生産計画すら後回しにして「売らない」戦略を立てている。受注が落ち着いてきて安いグレードを作るヒマが出来たら生産して下さるという実に資本主義的に正しいやり方なのだ。

日本経済新聞の記事では「お客様のご要望の多い仕様に絞ることで少しでも納期を短縮する・・・」というコメントをしている。半導体不足の中で工夫しているんだなとイノセントな方は感心するだろうが、底意地の悪い私はなんとなく900mlになって「従来品に比べ、筋肉への負担が約1割軽減」とコメントした某牛乳を思い出して苦笑いする他なかった。
満足している点
1.脱エモーショナルスタイル
2.道具としての機能性の追求
3.運転席以外の居住空間
4. 広告キャラクターの犬が可愛い
不満な点
1.独自性が極めて薄いエクステリアデザイン
2.失望のぶるぶるエンジン
3.運転席のドラポジがぐちゃぐちゃ
4.かつてのエスティマ級の購入価格
デザイン

3

先代シエンタは当時最高潮にあったエモーショナルブームの最中の開発だったので、有機的な曲線やキャラクターラインがウネウネと顔全体で個性をわめき散らしていた。スポーツバッグをイメージしたとされ、内外装共にスポーツバッグのモチーフがあった。



このデザインは有機的で独自性があったが市場で評価されていたかというと、そうでもなかった。口を大きく開け。目を吊り上げたような過度なエモーショナル顔は見ているだけで疲れてしまう。実際に、妹家族はデザインを理由にフリードを選んでいる。

メーカー自身もその点をよく分かっていたようで、新型は道具感を感じさせる優しいエクステリアデザインを選んだ。独りよがりな格好良さの追求から脱却し、可愛いんだけどちょっとアウトドア風味を感じさせつつもハコスタイルで便利そうなテイストでまとめている。



金のかかるクロームメッキを辞めてワンポイントとして黒素地色のモールやプロテクターを配して楽しげでありながら、コストをかけずに機能美も感じさせた。まるで欧州のフルゴネ・・・

・・・CMに出演している可愛らしい犬も上手にシエンタのような顔をした犬を見つけてきたなと広告代理店の手腕には感心してしまう。ちょこんと小さい犬がけなげに走る姿は確かにBセグというミニバンとしては最小サイズに近いシエンタとマッチしている・・・

・・・忖度するのはやめよう。シエンタのデザインは明らかに複数の欧州車をモチーフに良いところを拝借している。





サノケン教授もニッコリの「倣冒(ファンマオ)」なのである。確かに「PANGDA」などと名乗っているわけでは無いから「スーパーコピー品99%本物!専門家しか見破れない!」などという違法商品ほどの悪質性はない。・・・けれど、決してモノマネが転じて本物になったルパン三世の声優や、本家のエランを超えたミアータの様なオマージュ感は無い。ま、せいぜい河口某の桜ソングや某テックのe-oneのようなもので、完全な模倣では無いとしてもオリジナルを超える独自性があるかと言われるとどうだろうか。(無いと思うよ)



車に詳しくない市井の人々はシトロエンもフィアットの存在も知らないだろうから新型シエンタの道具感と親しみやすさのバランスが取れたデザインを気に入ってくれるだろう。しかし、うっかり本家に駐車場で隣に並べられたら少し恥ずかしくなるようなレベルにはある。気づいたら負け、気づいても気にしたら負けだ。

インテリアデザインは近年のトヨタ的なデザインでこちらはファンマオではない。回しやすい真円形状の3本スポークステアリングに液晶メータ、サイドウォークスルー可能なインパネシフト、スマホを置いておける窪み、或いは助手席前面のトレイや、両側のレジスター前に配置されたカップホルダーなど先代までの有機的なテイストから機能的なミニバンらしい内装にシフトしている。



最上段に10.5インチのディスプレイオーディオまでもが鎮座しており、奇を衒わない良い意味でのフツーな内装で安心感がある。ちょっとしたところでは最上級車のI/P上面にシート生地と同じクロス素材が貼られており、質感を高める工夫がなされている。最上級グレードではFrシートにパイピング(玉縁)が施されている。ちょっとしたことだが、随分とお洒落に映る。ただ、最上級仕様ですらドアトリムも布張りだったのをやめて上部に耐傷付き性に劣る硬質樹脂丸出しにしたのは残念だ。

中間のGグレードでは通常の黒樹脂となるが、競合と比べてインパネが黒一色とカラーコーディネーション性に乏しいのが少々残念である。メリハリというか、高くなった価格を納得させる満足感を与える努力をしていない。逆に言えば彼等なりに価格そのものを下げることに重きを置いたのかもしれない。

2列目以降のシートは何となく先代と変わらないが、恐らく骨格を流用しているのだろう。最上級の玉縁も無く、ステッチもないのは密かに先代よりもグレードダウンである。ただ、機能的には平板だがサイズが小さすぎることも無く機能面では私は割合認めている。どうせ連中は汚すし(笑)。

インテリアはベルトラインを低く水平に引いた事から明るく開放感がある。初代シエンタもベルトラインが低く、明るい車内が特徴だったが、先代ではスタイリッシュに見せる為ベルトラインを高くし、後ろ上がりのウエッジシェイプだった。相対的にRrタイヤ上が分厚く見え、16インチホイールを必要としたが、個人的には新型のようなルーミーな水平ベルトラインが好きだ。その意味で新型は質感ダウンはあるものの、Bセグながらミニバンと言うものに求められる内装をキチンと表現しているなと感じた。

最上級グレードはファブ巻きインパネに助けられているものの中間以下は安いBセグでございます、的な部分が目立つ。内装色は標準がブラックで上級グレードでは明るいフロマージュが選べる。更にMOPで「ファンツールPKG」という名目でカーキが選べる。黒一色だと味気ないので内装色のカラバリがあるのは素晴らしい。ファンツールPKGではセットオプションでBピラーのサッシュブラックアウトテープが廃止される。元々はFr-Rr-QTRの窓を連続的に見せるための処理なのだが、生産現場での貼付け作業は骨が折れる。埃やゴミ、髪の毛が入り込むだけでブラックアウトテープは無慈悲にその存在を浮き上がらせるからである。だから貼直しも困難で本来は設定すらしたくないのがこのブラックアウトテープである。だから、下級グレードに設定しなかったり、ボディカラーが濃色の場合はちゃっかりテープ廃止を目論むのであるが、やはりつや消し黒じゃ無いと締まりが無くぼんやりと見えてしまっていた。(テープ出現前は手間暇かけてブラックアウト塗装を行っていた。)

今回のファンツールPKGでは、テープ廃止によりFrドア以降の窓が繋がるように見せることでお手本にした欧州車的な外観を演出できるという意図が感じられる。(ファンカーゴっぽくもなるのだが・・・)最上級Zグレードではなく、中級のGを選ぶ人は内装色を変える為にファンツールPKGを選んでも良さそうだ。ちなみに最廉価のXではブラックしか選べない。

新型シエンタのデザインをまとめると、エクステリアデザインは先代より好感が持てるが、上記理由により手放しで絶賛できない。本当はもっとファンカーゴや初代ポルテのような優しくも独自性のあるデザインが社内にあったのだが、安易に舶来品の模倣に走ったのが残念だ。とは言え好評を博しそうな感じはある。また、インテリアデザインも外装同様道具感のある実用性重視であり、内外装のマッチングは良いと思う。

採点するなら外装が4★、内装3★かなと感じた。
しかし、外装は★を1.5減じたい。知らずにシエンタを買い、後でネタ元を知るはずのオーナーが気の毒だからだ。結果、外装★2.5、内装★3、総合的に★2.75である。ちょっと厳しすぎるだろうか。
走行性能

3

試乗したのはHEV ZのFFである。最上級だが、ホイールキャップ仕様であった。

感心したのはドアを閉める為に掴むグリップだ。最近はデザインの為に力のかかりにくい場所にグリップを設定したりトリムのPLを乗員の掌に無神経に当ててくる車があるが、シエンタは着座姿勢の高いミニバンの特長を活かしている。写真のようにグリップを上部に設定して重心よりに配置したのですこぶる掴みやすい。



ドラポジを調整したが、結論を先に言えばここに大きな難がある。シートスライドやリクライニング機構は当然として、バーチカルアジャスタや
ステアリングのチルテレが装着されていて25年前のミニバンと比べれば良心的なのだが、そもそものステアリング位置がかなり無理をしている。

回しやすい真円形状は良いのだがステアリングコラムがどうしてもズレている。真上から見た時の左右ズレも大きく、角度のズレも大きい。ノア・ヴォクシーでも指摘したが、インタミシャフトの角度的制約など理由はあるのかも知れないがパッと乗ったときにシートの中心とステアリング中心が10~20mm位ズレているとあれっ?と違和感を覚える。

これは新型シエンタが騒がしい3気筒TNGAエンジンを採用した事を超える欠点だ。エンジンはうるさいがパワフルさ・低燃費性能がプラスだが、このパッケージングはメリット無しだからだ。元々ヤリスのパッケージングを基本に開発されたエンジンコンパートメント、ステアリング系を流用している為ミニバンらしいパッケージングに必ずしもそぐわない部分を無理矢理使っていることは想像に難くない。運転席に着座すると、ステアリング中心が20mm位中央にズレているだけでなく、上から見て外側に角度がついている。そのズレ量が顕著な為、目で見てもすぐ分かるが事態を更に悪化させているのは試乗車についていたフル液晶メーターである。あろうことか、メーターがステアリングとのズレを強調するようにズレており、さらにI/P上面の収納ボックスの蓋の開閉ボタンもズレているのだ・・・。運転席のみのアームレストの左肘を置いて運転すればステアリングの位置も丁度良いのかも知れないが中心線がズレまくっていて視覚的にもスッキリしないのはいかんともしがたい欠点だ。



バイワイヤ技術が発達すれば89年の世界デザイン博で展示されてたコンセプトカーのようにステアリングの左右位置も自由に動かせるのだろうが。

ドラポジは余裕のあるヘッドクリアランスを活かしてシートリフターを上げると、ステアリングコラムとの関係が良くない。つまり、ヤリスのような低い着座姿勢に重きを置いているため、ミニバン的なアップライトな姿勢になってもステアリングが上を向いてしまう。この辺りは、Bセグゆえ仕方ないと言うべきか・・・。

エレクトロシフトマチックを操作し、意外と操作力が軽い足踏み式PKBを解除すれば、モーターによってスッと走り出す。ディーラーの駐車スペースが狭かったが、シエンタは小回りが利き小径ステアリングも回しやすい。パノラミックビューモニターの力も借りながら車道へ出た。この際に150mm位の縁石から降りたのだが、ドーンと突き上げること無く、はんなり着地したのは印象が良かった。子供や高齢者を後席に安心して乗せられるからだ。
シエンタは先代にあった16インチホイールを廃止して15インチホイールに一本化した。乗り心地や小回り性を考えればタイヤの過度な大径化は慎むべきでこの点は結構なことである。

渋滞路を抜けて市街地を50km/h程度で走らせる。80ps/14.4kgmのモーターは発進から日常走行までは十分こなせる実力を持つ。1370kgとBセグとしては重量級の車体ゆえ、加速させるとE/Gがすぐに起動することは仕方が無いのだが、起動するとすぐにステアリングから振動伝わってくる点は白けてしまう。2000rpm前後という常用域でも伝わってくる振動はもう少し何とかならないだろうか。ヤリスやアクアの経験から、この3気筒エンジンはお世辞にも静かなE/Gでは無い事は理解できるが、けたたましいE/G音が車内に入り込んでくると言うよりはぶるぶるとした振動が強い印象であった。



その反面、力強さは随分と向上した。先代シエンタHEVはいかんせん非力(システム出力100ps)だったが、新型は116psへと向上を見せている。
結果的に先代のパワーウェイトレシオは1380kg/100ps=13.8kg/psだったが、新型は1370kg/116ps=11.81kg/psへ進化し、俊足と言える程の実力では無いが先代の明らかな遅さが影を潜めた事は喜ばしい。大通りで強めの加速を試みたが、日常使いで遅いと文句を言いたくなることはないレベルに進化している。

意外なことにシリーズ最重量のシエンタなのにヤリスクロスで感じた騒がしさは感じられなかった。ヤリスクロスはヤリスより車重が重く高回転域をよく使うのでE/Gそのものの音やこもり音がうるさいと感じていたが、どうも車重だけが原因では無いらしい。

丁度2台の展示車を比較観察すると、Rrのメインマフラーの大きさが違うことに気づいた。Rrフロアが先に挙げた兄弟車と異なることで横置きの大型マフラーが搭載されているらしくこの辺りが聞いているのかも知れない。Rrのデッキボードをめくるとマフラーの直上は塗布型サイレンサーが設定されて対策を行っている事も確認できた。



メーカーの広報資料でもルーフパネルの制震の為のマスチックシーラーを高剛性タイプにしてルーフからの発音を抑える工夫もしているようだ。ルーフの剛性を高めるには本来はルーフに曲率をつけて丸くすればいい。しかしシエンタのように寸法的余裕のない車の場合はその丸みが室内空間を圧迫する。普通はNV性能を諦めるか居住性を諦めるかしかなかったのだが技術が課題を解決した事例だ。



走った感じもロードノイズも小さめで雑味が無く、車体に塗られた構造用接着剤(振動減衰効果がある)も良い仕事をしていた。昔ならパフォーマンスダンパーなどで後付けの減衰性能をつけていたが、現代では生産ラインで減衰効果があるシーラーや接着剤を塗ることで安く簡単に減衰を与えることが出来るようになった。その昔は高級車の先進的な手段だったが遂にシエンタのようなファミリー向けの親しみやすいクルマにも降りてきたようだ。

兄弟車の中では徐々に改善されて居ると感じられるが、競合となるフリードと比べると3気筒エンジン分が不利に感じるが、THSの卓越した燃費最適化技術やギクシャクしない感じ(=対i-DCD)は有利となる。

シエンタの走行性能は市街地で乗るなら、小回り性能も高くコンパクトカーとして十分な扱いやすさを誇る。今時は5ナンバーサイズと言うことだけでも十分素晴らしい事だが、高速道路を使った長距離ドライブや帰省に耐えうる余力があるかと問われるとどうだろうか。走行車線をトコトコ走るなら問題無さそうだが、運転席の配置の不自然さは疲れを助長するかも知れない。一応、レーダークルコンや車線維持アシストは標準装備されて、最廉価以外はBSM(ブラインドスポットモニター)も標準なので高速道路の運転支援は十分だ。
この手の一定速度を維持しにくい車重に対して低出力なモデルほどレーダークルコンで予め100km/hなり95km/hなりに設定して失速を防ぐ事が効果的だ。カタログの中に「高速道路ではクルマの流れに乗れるストレスのない走りを実現」と書かれているが、嘘は無さそうだ。

走行性能・静粛性の結論としては、ヤリスやアクアの出来映えと比較し、優しい乗り心地やミニバンボディの割に頑張った静粛性もあり★3つ。2をつけるほど酷くも無いが、シエンタが強く主張したい性能は、明らかに走りでは無いのだろう。
乗り心地

-

積載性

3

全長4.2m級のコンパクトなボディに最大7人が乗れて、普段使いでは広大なラゲージを持ったコンパクト、それがシエンタである。



運転席の感想は後にするとして、助手席は収納が多く、圧迫感の無いデザインであるだけでなく、足元も広い。ヘッドクリアランスはこぶし3.5個分と全高を活かして余裕あり。



2列目はヒールヒップ段差が小さめながらギリOKレベル。シートの形状は平板で1列目のようなパイピングも無い質素な印象だが、シートバックの高さもまずまずで、座面も適切なレベルに収まっている。スーパーハイトワゴンでありがちな「足引きできず、長すぎる座面」ではない。シートスライドが可能でフロントモーストでも膝前がこぶし3.5個分、ヘックリが3個の余裕がある。Rrモースト位置では膝前はこぶし5個分まで広がって脚長のゲストも満足できるはずだ。ミニバンの美点である2列目の快適性が確保されており、人を乗せてもCRSを搭載して子供を乗せても良いだろう。

しかも、新型はUSBジャックやRrサンシェードや天上サーキュレータなど後席の快適性を高めるような演出も見られる。そもそもベルトラインが水平基調で窓が大きいのでキャビンが明るいことも好印象だ。私がいつも気にしている脚引き性も良い。

3列目は現代のBセグミニバンの凄い部分でそれなりに乗員を座らせることが可能。流石にリラックス出来る快適空間とまでは言えないが、私と同世代なら小一時間程度の楽しいドライブなら可能だろう。膝前はこぶし1個分残るか残らないか?というレベルながら2列目シートのシートバックの形状で膝前スペースを捻出するような工夫もありシートバックに脚が接触しない他、つま先も何とか入るので私は許せた。ヘッドクリアランスもこぶし1個分が確保されているが座高の高い私でも左記レベルなので普通の方ならまず大丈夫だろう。

帰省先で自分の父母を乗せて3世代でファミレスに行くようなシーンでも活躍することだろう。かつての小型ミニバンであるカローラスパシオやタウンボックスワイド、或いはウィッシュのようなモデルでは3列目シートの快適性が著しく低く、「法規上の座席が存在するだけ」で「犬もうんざりOne-mileシート」とは一線を画するスペース効率を実現している。

ただし、乗降性という面では先代に引き続き不満がある。初代シエンタなら「片手でポン」機構によりシートを簡単に大きくスライドさせて3列目へのアクセス性を確保していたのに、先代以降は肩口のレバーを操作してシートバックを前倒しし、更に「ガッチャン」とシートロックを外して跳ね上げることで3列目へアクセスしていた。この方式は2列目に人がいなければ問題なのだが、現代の子持ち家族の必需品たるCRSを取付けていると2列目ガッチャンが出来ないので3列目に乗ることが出来ない。

2列目をベンチシートにしている車特有の問題で競合のフリードはキャプテンシートを用意することでCRSをつけたまま3列目へアクセスできるようにしている。この点がユーティリティ面でシエンタが持つ大きな弱点になる。まさか先代ステップワゴンのようにワクワクゲートをつけるわけには行かない。本当はシエンタにもノア譲りの横スライド付きのキャプテンシートがあれば良いのだが頻度の関係で割切られたのだろう。

ここまでは良いのだが、パッケージ上最大の問題は運転席の姿勢である。試乗編でも触れたとおりである。せめて液晶メーターは機械部分が無いのだから表示を数ミリずらして置けば問題なかっただろうし、I/Pリッドのボタンも右端にオフセットしておけば違和感を減らせたと思うのだが・・・。この様にシエンタは運転席以外と運転席とで印象が大きく異なっている。まるでブラックな部分を運転席に集中させて他の席をホワイトにする、いわばホクロの様な存在なのかも知れない(笑)これはP/F企画段階で運命づけられたことなのだから今更もう遅い。

積載性に関しては3列目シートは普段畳むことを基本としているが、その状態で奥行き990mm、荷室容積445L(VDA法)を実現。ヤリスの270L、ヤリスクロスの351Lを凌ぐカローラセダン並みの数値である。3列目使用時は137Lと軽自動車レベルの荷室しか残らないので3列をフルに使って旅行に行くようなシーンはラゲージ不足である

4人家族の帰省程度の荷物なら5人乗りにしてしまえば余裕だし、家電量販店で買うようなちょっとした家電(電子レンジなど)なら苦労すること無く持ち帰れるだろう。



2列目シートを倒せば1525mmもの荷室がとれるのだが、写真を見て貰えば分かるとおり隙間がスカスカで大きなものをドーンと載せるときは良くても細々したものを載せるとフロアの隙間に落ちてしまうちょっと不親切な荷室である。気になる人は用品で隙間を埋める板があるので追加されるといいだろう。

5人乗り仕様ならパタンと前に倒すだけで2045mmのフラットな荷室が出現するが、その分シートスライド機構が廃止されているのと背もたれを前に倒すだけなので荷物が直接運転席に突っ込んできてしまう点は安全上好ましくない。昔のレガシィならカーゴネットを用意していたが、シエンタにはオプションすらないので注意されたし。

これで運転姿勢がまともであれば★4つで問題ないと思う。しかし全てのしわ寄せが運転席に行っており、★は3つ。購入希望の方はよく試乗して判断して欲しい。
燃費

-

価格

2

先代の反省を活かして上手にキャラ変しつつ、新型は販売価格をかなり上げてきた。

価格は下記の通り。



新型の価格に関して、7人乗りが+4万円、HEVが+43万円~35万円、E-FOURの価格差が19.8万円などかなり分かり易い明朗会計である。ここで参考の為、先代の中間的グレードのG(HEV)で比較すると、先代HEVのGは237万円だったので32万円の価格アップだ。その分、G(HEV)同士で仕様の差異をリストアップすると下記の通りである。

▲仕様が上がった
LEDヘッドランプ(マルチリフレクター)(2万円予想)
*歩行者「夜」・二輪車検知機能
*LTA(レーントレーシングアシスト)
*レーダークルコン
*PDA_プロアクティブドライビングアシスト
サイドエアバッグ+CSA(4.95万円相当)
BSM(ブラインドスポットモニター)(4.95万円相当)
前方ドライブレコーダ(3.19万円予想)
ETC車載器(1.1万円相当)
バックガイドモニター(1.65万円相当)
ディスプレイオーディオ(6.6万円相当)
USB端子(1万円相当)

▼仕様が下がった
運転席アームレスト
ファブリックの仕様ダウン
インパネ加飾の廃止
ラジエータグリルのメッキモール
Frインサイドハンドルのメッキ加飾
エアコンレジスター加飾
工具DOP化(0.47万円)
BiビームのMOP設定廃止

予想した装備アップ分は25.44万円。*印をつけた安全装備のレベルアップは少なくとも10万円相当なので先代との32万円の差額は何となく説明がつく。主に加飾部分の仕様ダウン分は明確に金額を出しにくい部分だが商品力は明らかに削がれている。そう遠くない将来に自動運転が実現するムードの中で新型シエンタも先進安全装備を軽視することは出来ない。この手の装備はメーカーが自力で開発することが出来ず、強力なシステムサプライヤ(例えばコンチネンタルやボッシュ、DENSO)のパッケージ商品に対して自車なりの適合を行う様な性格の為、コストのイニシアチブを掌握されている。この辺りが先進安全装備の金のかかる原因であるが、そもそもこの手の装備の開発は自動車メーカーが独力で行うことはもはや困難な域に達している。スバルのアイサイトがあれほど一世を風靡できたのは宣伝のうまさだけで無く、スバルが自分で開発した廉価なシステムだったことも大きい。技術を手の内に、トヨタはかつてマクファーソン式ストラットサスペンションですら内製でやろう(1966年初代カローラ)としたほどの会社だ。それでも先進安全装備を内製化しなかったのは世の中の進歩に追いつくことで精一杯な現状があるのかも知れない。

グレード間の装備差について考える。廉価グレードのXでは、
185/65R15タイヤ(鉄ホイール+樹脂キャップ)
素地色グリル
2灯式LEDマルチリフレクターライト(ターン&クリアランスは豆電球)
LEDテールランプ
助手席側パワースライドドア
4.2吋ディスプレイ付きアナログメータ
ウレタンステアリング
ブラックインパネ
樹脂ドアトリム(インサイドハンドル素地)
USB端子2個
マニュアルA/C(ガソリン車)
オートA/C(HEV)
ワイヤレスリモコンキー
パーキングサポートブレーキ(前後静止物)
オーディオレス(ツイーターのみの2スピーカー!)
ベーシックカーとしての性格が強いXグレードは
レンタカー需要や価格優先の顧客向けになんとしてでも7人乗りで200万円を切りたい!と言う意思が明確なグレードである。

MOP設定は下記の通り。
前方ドラレコor前後ドラレコ+ETC2.0
BSM
パーキングサポートブレーキ(後方接近車両)
バックガイドモニターorパノラミックビューモニター
スマートキー+スライドドア予約ロック
通信ナビ付き8吋ディスプレイオーディオ+運転席背後USBポート
フルセグTV
CD・DVDデッキ
寒冷地仕様
ナビレディPKG(バックカメラ+6スピーカー)

Xのほとんどのオプションはセットオプション扱いとなっていて複雑な価格設定だ。15.5万円~29.7万円までの幅があるが、Gとの価格差が35万円~27万円だが、Gと装備を合わせようとするとセットオプション⑤(通信ナビ付き8吋ディスプレイオーディオ+運転席背後USBポート+パノラミックビューモニター+パーキングサポートブレーキ(後方接近車両)+ドラレコ(前方)+ETC)でセット価格23.2万円。(ガソリン7人乗り222.2万円)

比較の為にGにパノラミックビューモニターだけ追加(2.75万円)すると価格差は約20.5万円である

中級となるG(ガソリン7人乗り234万円)では
デュアルパワースライドドア
ファブリック巻きドアアームレスト
スマートエントリー
オートA/C(ALL)
*BSM
*ドラレコ(前方)
*パーキングサポートブレーキ(前後静止物/後方接近車両)
*バックガイドモニター
*運転席背後USBポート
*通信ナビ付き8吋ディスプレイオーディオ
*ETC車載器
*ヒーター付きドアミラー
*印が着いている装備はXでも+23.2万円で追加することが可能である。
(HEV XはオートA/Cとスマートエントリー標準装備)

運転席側のパワースライドドアは推定6.27万円、オートA/C+スマートエントリーはセットで8万円なのでXから足し算でGの装備を見積もると約37.5万円となる。ガソリン仕様GとXの価格差35万円ゆえ、わずかにGの方がお買い得感が出るようにしてある。

GではMOPの設定が拡大し、新車を選ぶ楽しみが追加される。更にボディカラーの選択肢が4→9色に増え、内装色もカーキが選べるようになる。

追加されるMOPは以下の通り。
15吋ALホイール(6.1万円)
ETC2.0+前後ドラレコ(3.2万円)
パノラミックビューモニター(2.8万円)
ハンズフリースライドドア(3.3万円)
消臭撥水撥油シート表皮+ナノイーX+天井サーキュレータ(3.0万円)
HEV専用1500Wアクセサリーコンセント(4.4万円)
ナビ内蔵10.5吋ディスプレイオーディオ(8.9万円)
フルセグTV(3.3万円)
CD/DVDデッキ(4.2万円)
寒冷地仕様(2.1万円)

更にコンフォートPKGを選択すると
FrドアガラスUV・IRカット機能付(5.1万円相当)、となり、シートヒータ+ステアリングヒータ(2.8万円相当)、本革巻きステアリング(1.5万円相当)が備わって9.4万円。

更に、ファンツールPKGと称して専用の内装色カーキが選べて往年のファンカーゴに近いBピラーのブラックアウトテープ廃止を行っている。カーキ内装だと内装の加飾が増えるが、そのコストをブラックアウトテープ廃止で補うやり方だ。

最上級となるZ(ガソリン7人乗り256万円)では専用の内外装、一クラス上の装備をMOPで追加できる。
専用塗装樹脂キャップ(0.5万円相当)
金属調塗装グリル
Biビームヘッドランプ+専用Rrコンビランプ(4.4万円相当)
レーダークルコン停止保持機能追加
アダプティブハイビーム(推定2万円)
ドライバー異常時対応システム
エレクトロシフトマチック
後席用サンシェード
Frインサイドドアハンドル塗装
ファブリック巻きI/P
運転席アームレスト
7吋フル液晶メータ(推定0.8万円)
*本革巻きステアリング(推定1.5万円)
*ハンズフリースライドドア(3.3万円)
*消臭撥水撥油機能付きシート表皮(推定0.2万円)

Gとの価格差22万円の中で、金額がつく装備を差し引くと約12.7万円。残りの追加装備品はサンシェードなどの上級装備も存在するが、昔ならメッキの部分を金属調塗装にし、追加機能をソフトウェア制御だけで実現するなどコストをかけずに見た目や機能面の変化が大きい「変わり映えする」装備が多い。残りの差別化アイテムに9.3万円分のの価値があるかビミョーなものも多いが、確かに一目見てZとそれ以外を区別しやすいものばかりなのだ。一昔前ならGにもオプション設定していたようなアイテムを敢えて設定しないあたり、Zに顧客を誘導しようとする意図があるのかも知れない。

Zでは内装色がGのカーキ以外にフロマージュという明るいカラーが選べるようになる。黒一色で重苦しいシエンタの内装カラーに明るい印象を付与してくれる。

ZのMOPは以下の通り
15吋ALホイール(5.5万円)
ETC2.0+前後ドラレコ(3.2万円)
自動駐車支援+パーキングサポートブレーキ(周囲静止物+後方歩行者)
+パノラミックビューモニター(9.4万円)
ハンズフリースライドドア(3.3万円)
ナノイーX+天井サーキュレータ(2.8万円)
HEV専用1500Wアクセサリーコンセント(4.4万円)
ナビ内蔵10.5吋ディスプレイオーディオ(8.9万円)
フルセグTV(3.3万円)
CD/DVDデッキ(4.2万円)
寒冷地仕様(2.1万円)
コンフォートPKG(本革ステアリングは標準で7.9万)
故障経験
本項は「価格」の続き、見積もり編である。

価格編で各グレードの装備をまとめているが、購入を検討されている方向けにベストバイを考える。グレード選びの極意としては社用車とかレンタカー用途ならXで十分、個人ユーザーのファミリーカーとして安く乗りたい人にはXのセットオプション仕様を選んでおけば、一つ上位のGと実用面で差異が無いはずだ。軽自動車からステップアップするファミリー若年層やメインカーは別にあるちょっと贅沢なセカンドカー需要なら十分これで満足できるのでは無いか。

ファーストカー的な使い方をする場合はG以上が望ましい。ボディカラーの選択肢が増え、MOPの組み合わせが増えるという「選択肢」は新車購入の中で私は重視したい。何でもかんでも着いていると嬉しいが価格が上がる。自分が一番欲しい仕様は何かを自問自答しながら仕様を決めて最後にボディカラーを選ぶ―これこそが新車選びの醍醐味であり査定的に有利な白か黒の最上級グレードを選ぶような受動的な仕様決定は本当に勿体ないと私は考えている。

Zは予算に余裕があればどうぞという感じで積極的にはお薦めしないが、恐らく最も選ばれやすいのがZだと思う。それは既に触れたとおり差別化アイテムが分かり易いからだ。一方でGはZを売る為に少々割を食った印象で華がないのが残念だ。

例えば269万円のG(HEV_FF)を選択する。15吋ALホイール、前後ドラレコ+ETC2.0、パノラミックビューモニター、サーキュレータ、車載ナビ(10.5吋DA)と寒冷地仕様、1500Wインバータを選択。セットオプションでコンフォートPKGと本体価格は308.7万円となる(高い!)

ここでグレードを291万円のZにして同じような仕様にすると、328.5万円だ。AHBも備わる上にフロマージュの内装色も選べる・・・。恐らく高いと文句を言いながらZを渋々選ぶであろう。ちなみにボディカラーはグレイッシュブルーを選択。ある意味、シンプルなXを飾らずに乗るのが粋なのだが。

営業マンが見積もりを作ってくれた。
7人乗りZのHEV_FF(291万円)を選択。

MOPは15吋ALホイール(5.5万円)
ETC2.0+前後ドラレコ(3.2万円)
10.5吋ディスプレイオーディオ(8.9万円)
サーキュレータ(3万円)
コンフォートPKG(7.9万円)
1500Wインバータ(4.4万円)
寒冷地仕様(2.1万円)
合計40.5万円

DOPは、ETCセットアップ(0.3万円)
CPCコーティング(5.3万円)
フロアマットデラックス(4.3万円)
フォグランプ(4.8万円)
サイドエンブレム(0.8万円)
合計15.5万円

車両価格が347万円となった。

ここに来年8月登録と仮定した諸費用と、メンテパック(14.6万)、延長保証(0.5万円)、リサイクル料(1.2万円)などを37.6万円となった。

支払総額は384.6万円となった。Bセグメントのミニバンが約385万円・・・。ミニバンで例えるなら一昔前のエスティマの価格では無いだろうか。皆さんもご存じの通り、我々日本国民の給与所得は30年前から大して上がっていないのである。(金利は低いから住宅ローンなどの利率は今の方が断然有利だが・・・)

営業マンもそれを察したのだろう。5年後の残価(110.6万円)を差し引いた274.5万円に分割手数料22.7万円を足した296.7万円を現金で払っていただければ現金一括で購入した感覚で5年間は支払い無しで乗れますよ!という「2回払い」プランの提案があった。ちなみに本体値引きは10万円とのこと。いずれにせよ焼け石に水である。元々シエンタをはじめとするBセグミニバンは安さをアピールする車では無く、小さいことをウリにする傾向があった。だから価格は割高な傾向があったが今回は流石にかなり高いと感じざるを得なかった。考え方によってはシエンタが値上がりしたと言うより、もしかするとエスティマの内容量が価格据え置きで減らされてシエンタと名付けられただけなのかも知れない・・・。

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