トヨタ プログレ 「運転手をいろいろな意味で護ってくれる車」のユーザーレビュー

運転手をいろいろな意味で護ってくれる車

2016.1.18

総評

内外装、走り、ともに品の良い車です。危険な走りをさせない、危険な目にあわせない、落ち着いて目的地に安全に快適に移動することができます。目的地で1日過ごし疲れた運転手がシートに座り帰路を運転する、その時がこの車の一番の見せ所です。長距離走って目的地に着き、帰りも運転したくなる車。それが最高の車と自分は考えます。その点から、プログレは国産車最高レベルの車といってもいいと思います。

満足している点

とにもかくにも運転のしやすさ。
取り回しやすく車両感覚をつかみやすい。
事故を未然に防ぐアクティブセーフティーに優れている。
作りが丁寧で一切ガタや軋みのない内装。
5層塗装によって長年保たれる車体の艶。
外見は地味で車体もコンパクトなのに質の良いパッケージング、オーダーメイドのスーツのような上品さ。
運転手を危険な状況にさせないための細かい配慮。

不満な点

本当に細かいところが惜しい。
リバース連動ミラー、リアワイパー、キーオフ連動格納ミラーをなぜつけなかったのか。

デザイン

-

走行性能

-

走行60000ｋｍ、ノーマル、タイヤはBSレグノGR-XT

FRレイアウト、ダブルウィッシュボーン、ショートオーバーハングという定番の構成なので基本走行性能は素直で質が良い。サスペンションも1500ｋｇと言う車重の割には良く粘るが山道などでペースをあげるとロールが大きめ。だが全体的に穏やかな姿勢変化なので恐怖感はないし危険な状況に陥ることもない。常識的速度で走っている限りではコーナリング時の姿勢変化も少なくノーズダイブも気になる程のものではない。高速走行は制限速度前後では不満に感じるところはないが、ちょっとペースをあげたときにステアリングに適度な重さが欲しくなる。
直62500ｃｃに4速ATの組み合わせだがパワー不足を感じることはないと思う。ただ、アクセルの反応、特に発進時と再加速時の反応がダルでワンテンポ遅れて加速する感覚。これは恐らくスロットル開度による燃料噴射、ATの制御ではなく単にアクセルの遊びを意図的に大きめに作ってある印象がある。落ち着いて乗るなら穏やかさと受け取るだろうし、アクティブに乗るならダルさと感じるだろう。
踏み込めば耳障りではないがこの手のキャラクターの車にしてはやる気のあるサウンドが耳に飛び込んでくる。ATの出来は優秀。暖まるまではシフトアップを制限しギクシャク感をなくす制御が入っているのではないだろうか。
全体的な扱いやすさについては、これはもう国産車の中で最高レベル。フェンダーのラインがボンネットより盛り上がってのでフロントの間隔がつかみやすい。ボンネットも角がわかりやすい。各ピラーも絶妙な角度と太さで死角も少なくウインドウも大きく視認性がとてもいい。ショートオーバーハング、FRレイアウトによって取り回しも非情に楽。細かく調整できる運転席シートとステアリングで正しい運転姿勢を取れる。ただ、メーターの位置が若干高めなのか正しい運転姿勢をとろうとするとメーター上部がステアリングに被ってしまう。そこが残念。

乗り心地

-

60000ｋｍ走った車両、タイヤは2年前のレグノGR-XTなので参考程度に。

車体全体としての乗り心地はこのクラスの車としては可もなく不可もなく。細かいところが惜しい面もあるが十分に満足できると思う。
大き目のうねりなどはうまく吸収するが、橋の継ぎ目のような段差は若干のショックがある。ただ突き上げ感とまでは言えない程度。ショックの吸収はクラウン的なフワフワ感はないが、上下と言うより横に逃がしている感覚がある。
静粛性は驚くほどのものではないが、十分に感じる。不快ではない程度のエンジン音はある。ロードノイズはこのクラスにしては若干大きめ。風切音は少なめ。エアコンの送風音も大きめ。ただ、内装の組み付け精度がいいのか車内で発生する音がほとんどないのはすばらしい。その静かさとのギャップでエンジン音、ロードノイズが耳に入ってくるのかもしれない。
振動はギャップを越えた際タタンと衝撃があるが角の丸い感じ。エンジンからの振動も非常に少ない。一番大きく感じる振動がブレーキポンプの作動がペダルに伝わる振動というくらい振動はすくない。

積載性

-

大人4人がゆったりと座れる。リアシートもかなり広い。頭上もゆとりがあるので窮屈感はないと思う。リアシートとリアウインドの位置もよくスポーティーセダンの多くのようにリアシートに頭上から直射日光が降り注ぐこともない。
車内収納は多くはない。必要十分ではあるが。
トランクは普通。純正のタイヤは3本積める。

燃費

-

燃費は走行条件で大きく変わる。先にも書いたエンジン、ミッションが温まるまでのシフト制御のせいか、短距離移動が多いとかなり悪化する。だが、信号のない郊外や高速道路などでは余程飛ばさない限りはカタログ値にかなり近い数字が出る。
具体的には、片道12キロの渋滞大目の通勤リッター7キロ。30キロ以上の下道移動でリッター8キロ。高速巡航で10キロ前後。上記は首都圏都市部の数値。郊外においては信号の少ない国道で12キロ、高速道路で14キロ程。加減速を少なくすると一気に燃費は伸びる。

価格

-

故障経験

特にない。
フューエルリッドスプリングが折れて開かなくなったくらい。故障といえるかは微妙だが足回りからの異音。劣化したブッシュから異音がしやすい印象。ロアアームのボールジョイントが弱いようなのでサービスキャンペーン対象の車体番号なら一度は点検したほうがいいかもしれない。