国産ライトウエイト・スポーツの☆革命児
発売当時、AW11の実車をはじめて見た時に 極端に低くてコンパクトに纏められた、そのデザインの日本車離れしたそ
2008.6.27
- 総評
- 国産ライトウエイト・スポーツの☆革命児
発売当時、AW11の実車をはじめて見た時に 極端に低くてコンパクトに纏められた、そのデザインの日本車離れしたそのLooksに心からシビレました。
当初は、ショーモデルの暫定型番 {開発コード:SV-3} でしたが、リトラクタブルヘッドライト採用の2シーターの1.6LDOHC搭載のミッドシップスポーツが発売されるかもしれない事<AE86の廉価なコンポーネントを使った、リーズナブルなプライスでの若者でも買えるかもしれないスポーツカーが発売される可能性が高いこと>が物凄いビッグニュースであった事は今だ薄れない記憶です。
その当時は未だクルマの免許を取得出来る年齢では無かったものの、『発売されたら、絶対に手に入れてやるぞ・・』と固い志をもって何年間かを過ごしていたのです。
当方の愛車は、AW11前期モデルの終盤ロットの限定モデルで {G-LIMITEDホワイト・ランナー} というグレードでした。前期の初版AW11は白BODYでも、黒エアロ・黒モールの部分カラーでしたが、愛車は元々のフルホワイト仕様でした。
また定番のTバールーフではなくムーンルーフが付いていましたがもしかしたらコレは、以前オーナーの後付け物かも知れません。
当時はNA6CEのユーノス・ロードスターも同時に持っていましたが丸基調デザインのロードスターとは対照的な直線基調のデザインが好きでした。
リアのエンジンフードの上部、丁度屋根の最後の部分にアクリルのバイザーが付いていて、そこに
【TOYOTA】のロゴが入っています。
後続車が信号待ちで、AW11の後ろに停まると、後続車からは、このロゴがリアウインドーに旨く写りこむようにデザインされている、今の時代考えられない非常に凝ったアクセントもありました。
信じるモノは救われると言いますが、幸運にも若かりし少年時代に憧れたこのクルマを中古ながら20歳そこそこ過ぎで手に入れた時の件を書かせて頂きます。
- 満足している点
- 名機4AGエンジンは、1600ccながら当時のグロス130psでしたが、1t前後のAW11を動かすには充分なパワーでした。
現代の車は小さくても、安全装備や衝突安全Body云々でかなり重くなっていますが、この頃の1600ccはAE86も含めてせいぜい1t前後の軽い潔い車重だったものです。<その代わり、大きなクラッシュは、即命取りでしたが・・>
スーパーチャージャーを持たないモデルでしたが、カッタルさは感じませんでした。
パワステは有りませんが、重量物のエンジンが後ろにあるので据え切りを繰り返さない限り不自由は感じません。
また、当方は大好きなFAIMM社の『フェラーリ・ホーン』をこのクルマにも装着しましたが、エンジンルームに装着するのと違いフロントは小さなトランクしかなく凹凸の少ない鉄板構造ですので音が綺麗に反響するので、鳴らした時の澄んだ音色は正にスーパーカーでしたね。
トランクの件で付け加えれば、ミッドなのになぜか、エンジンの後ろにも2個目のトランクが装備されていました。
驚いた事に広さは、ユーノスロードスターよりも広いくらいでした。さすがはトヨタ製ですね。
内装はAE86時代の車なのでよく似た△や□に直線を組み合わせたようなデザインでした。
印象的だったのが高い位置にあるセンターコンソールとシフトノブ。いかにもミッドのカウンタックの内装みたくて大好きでした。
良い意味で、内装のトヨタといわれる過剰な装飾がされていなかった事が素晴らしかったです。ここまで、外観よし、内装良し、エンジン良しなので欠点は無いのかと思いそうですが・・。
- 不満な点
- このクルマの大きな問題が一つ。
このクルマは、当時のカローラⅡやAE86等のコンポーネントを流用して造られていました。
そのことは自体は、問題ではないのですが 世界を見渡しても類を見ない なんと前後が同一サイズのタイヤを履くミッドシップカーなのです。
ミッドシップ車は普通、前輪は後輪よりやや細いタイヤを履かせて終始弱アンダーステアの特性が出るように設定されるのが一般的です。
何故なら、限界の高いミッドシップは、その限界を超えたとき突然、オーバーステアの特性に変貌しマシンはエンジン部分を軸にスピンします。
レースカーはそういった特性にわざと振ったセッティングもありですが、特別なテクニックを有さない万人向けの市販車では、そういったアンダー・オーバーのセッティングは危険なのでご法度です。
しかしながら、AW11は、当時陸運局が、前後異径は認可しなかったのでしょうか?同一サイズなので、フロントが常に勝ち気味な為に雨の日など低μ路での信号変わり目などに無理に交差点に突っ込むと怖い目に合います。
この特性は、峠道でもオーバースピードのコーナリングは同じ顛末ですので・・・。
だからかどうか知りませんが、後継のSW20からは、前後異径サイズに変更されましたよ。
AW11は一般的には86やロードスターみたいに、ドリフト維持なんて出来ませんよ。
つまり、このクルマの最大の問題点は、はじめ弱アンダーで突然、オーバーにリバースしてしまうステアリング特性なのです。あえて苦言を呈すれば、コレくらいでしょうか。
一部のジャーナリストからは『危険なクルマ』というレッテルを貼られたクルマではありましたが、そういったネガを承知で扱っている分には、限界範囲内では、弱アンダーで極めてコントローラブルな良いクルマでした。
またこの、ジキルとハイドのハンドリング特性を逆手にとって、当時パイロンスラローム・ジムカーナでは、スピンターンの鬼でA3クラスの常勝マシンでした。
- デザイン
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- 走行性能
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- 乗り心地
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- 積載性
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- 燃費
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- 価格
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- 故障経験