トヨタ グランエース 「新しい高級車のカタチ」の専門家レビュー ※掲載内容は執筆日時点の情報です。

新しい高級車のカタチ

2021.9.30

年式

2019年12月〜モデル

総評

一見イロモノのように感じてしまうグランエースだが、実際に使ってみると「なるほどな」と思わせるようなグランエースならではの高級感や使い勝手の良さがある。もちろんオーナーになる人を選ぶクルマではあるが、開発段階でメインターゲットにしていたという送迎用のクルマとしては、満足度の高いモデルになっていると思う。

満足している点

たくさん人が乗れるこれまでにない高級な送迎用のクルマとしてとてもよくできているモデルだと思う。シートそれぞれが独立していて、操作系も電動が多いので、後席は本当にラウンジでゆったりくつろげるような仕立てになっている。それでいて荷物もしっかり搭載できるので、ホテルでの送迎車などとして特に喜ばれそうだ。

不満な点

後席はくつろげるような仕組みがたくさんあるが、運転してみるとやはりハイエースらしさをそこはかとなく感じさせるクルマ。自分で運転するのがメインの人や、アウトドアや仕事用に使うのであれば、元々のハイエースを購入するのもあり。

デザイン

4

ベースが商用車のハイエースだとは感じさせない、見た目にもしっかりと高級感を漂わせているグランエース。ヘッドライトの形状やグリルのめっきパーツなどが上手くあしらわれていて、一見すれば、アルファード／ヴェルファイアのような高級ミニバンにも見える。

走行性能

4

ハイエースベースのFRなので、クルマの大きさに対してハンドルが驚くほどよく切れる。見た目や内装は高級感たっぷりだが、運転してみるとディーゼルエンジンがゴロゴロ言っていたり、ドライビングフィールもざっくりとした大味な感じがして、たまにハイエースだったことを思い出す。

乗り心地

4

大きめの段差などは、ずしんと衝撃を伝えてくることもあるが、基本的には、ずっしりと重くて安定しているミニバンのような快適な乗り心地。もちろんハイエースよりもシートなどはしっかり高級に作られているので、シートの性能も乗り心地に貢献している。

積載性

5

ロングボディを活かしたスペース設計になっているため、それぞれ独立したシートを持ちながらゆったりと座れるのが嬉しい。ミニバンは、3列シート全て立てた状態だと荷物を入れるスペースが限りなく小さくなってしまうが、グランエースなら各列の空間を確保した状態で、スーツケースなど大きめの荷物でもしっかり搭載することができる。8人乗り4列シートという異次元のレイアウトができてしまうのもグランエースの特徴。

燃費

3

燃費は、10.0km/L（WLTCモード）。燃費はかなり悪く見えるが、ボディの大きさや前面投影面積を考えると、仕方ない数値なのかなとも思う。ディーゼルエンジンなので、燃料代が安めなのは嬉しい。

価格

4

価格は、約620〜650万円。あらかじめ元々がハイエースだという先入観があるとかなり高く感じるが、アルファード／ヴェルファイア系統のミニバンを送迎用に大きくしたクルマだと考えれば、こういった価格設定なのも頷ける。実際触ってみると、ドライブフィールはハイエースに近いが、インテリアはとても質感が高く高級車のそれなので、納得できるオーナーも多そう。