スズキ ジムニー のみんなの質問

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Mazdaのi-ACTIV 4WDについて

この4WDシステムは、一般的なスタンバイ式4WDとはどう違うのか教えてください。
また、Mazdaの4WD車は全てこのi-ACTIV 4WDですか?

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ベストアンサーに選ばれた回答

4WDシステムはややこしいですね。正確に解説しますので、最後までお読みいただけましたら幸いです。

■ スタンバイ式4WDの分類

「スタンバイ式4WD」という言葉は俗称で、色々な種類があるために非常に分かりにくいです。メーカー側も「スタンバイ式4WD」であることがわからないようなカタログ表記をしているので余計に分かりにくいです。スズキやダイハツの軽自動車などは、スタンバイ式4WDなのにカタログに堂々と「フルタイム4WD」と背伸びした記載をしてしまっています。実際に間違えて買ってしまう人も多く問題になっています。こんな状態なので消費者は混乱するわけですね。今回登場するマツダの「i-ACTIV AWD」も同様で、マツダも単なる「スタンバイ式4WD」と思われないために、現行デミオや初代CX-5が登場した当初はあまり細かい説明をしていませんでした。

フルタイム4WDの場合、エンジンからの出力は一度センターデフやそれに類する装置が受け止め、そこから前後輪にトルク分配されます。一方、スタンバイ式4WDは、例えばFFベースの場合、エンジンの出力が前輪に直結しており、通常の直進走行はFF状態ですが、前後をつなぐプロペラシャフトの間に接続装置があり、クルマ側で自動でこの装置の直結率を高めることで後輪にもトルクが伝わる仕組みです。この接続装置の制御方法によって4WDシステムに性能差が生まれます。

<パッシブ型>
上記に説明した接続装置に「ビスカスカップリング」や「ロータリーブレードカップリング」のような機械仕掛で作動する装置を利用しているものが「パッシブ型」になります。例えば、ビスカスカップリングの場合、装置の内部はネバネバの粘油と無数の金属プレートが密封されています。通常の直進走行では前後輪は同じ回転数なので後輪は地面を通じて回っているだけですが、前輪が空転するなどして前後輪に回転差が発生すると、ネバネバの粘油を通じてじんわりと後輪にトルクが伝わるようになります。さらに回転差が広がると粘油が膨張してバンプ状態となり金属板を押し付けて直結率を高めます。これにより4WDとしての性能を発揮するようになります。滑らないための4WDなのに滑ってからでないと4WDにならないので「なんちゃって4WD」とも呼ばれます。また、ビスカスの直結率は弱いのでやはり簡易的な四駆システムです。このように前後輪の回転差が発生したのを受けて、機械仕掛けで4WDになるスタンバイ式4WDは「パッシブ型」に分類されます。昔の「スタンバイ式4WD」はみなこの「パッシブ型」でしたので評価が低かったのですね。しかし、軽量安価に4WD化でき、雪道ではこれでも十分に頼りになります。現在でも軽自動車の4WD全般(ジムニーや商業軽トラを除く)や小型車の一部で使われています。

<アクティブ型>
「パッシブ型」が機械仕掛けで作動するのに対して、「アクティブ型」は電子制御で作動し接続装置内の直結率を変化させるのが基本です。「トルクオンデマンド型4WD」「トルクスプリット型4WD」ともいいますね。日本の「アクティブ型」のスタンバイ式4WDの多くは、ジェイテクト製の「電子制御カップリング(ITCC=Intelligent Torque Controlled Coupling)」が使われています。トヨタの「アクティブトルクコントロール4WD」「ダイナミックトルクコントロールAWD」、日産の「ALL MODE 4×4i」、マツダの「i-ACTIVEAWD」、三菱の「電子制御4WD」などにITCCが採用されています。スロットルセンサー、車速センサー、回転差等を解析してITCCに信号を送り直結率を最適に変化させます。「パッシブ型」に比べて遥かに反応が早く、細かい制御ができるので現在のスタンバイ式4WDは「アクティブ型」が主流になっています(ITCCでなくても電子制御のものは「アクティブ型」に類します)。
但し、同じITCCを使っていても、センサーやソフトのプログラムによって大きく性能が変化します。マツダの「i-ACTIVEAWD」は、まさにそのプログラムが他のスタンバイ式4WD車とは異なっているというわけです。

■ マツダ「i-ACTIVE AWD」

マツダではOEM車(軽自動車及び商業車)を除く4WD全車種が「i-ACTIVE AWD」です。既述の通り接続装置にジェイテクトのITCCが使われているのは他社と同じなのですが、20個以上のセンサーを張り巡らしており、滑る予兆を感知して4WDに切り替えます。つまり滑る前にすでに4WDに切り替わっているわけですから、何も知らなければフルタイム4WDと区別がつかないほどです。これが他社のスタンバイ式4WDと最も異なる点になります。エンジンも横置の平凡なFFベースですが各部の精度を高めて高性能化するのがマツダ流ですね。

4WDといえばスバルが有名ですが、マツダはこのスバルと比較されるのを強く嫌っていたようです。通常のFF車はエンジン横置なので、4WD化するにしても複雑になるほか、後輪の駆動系を軽量簡素化しないとこの燃費の時代に対応できません。FF車はエンジン横置が基本なので、4WD化するにはどうしてもスタンバイ式4WDが都合よくなってしまいます。センターデフ式フルタイム4WDも可能なのですが、やはり重たく複雑になるため、国産車では絶版になったランエボが最後でした。

<スバルがマツダの仮想ライバル>
スバルはFFベースなのですが、なんとエンジン縦置なのです。アウディ(A4以上)もそうなのですが、この2メーカーが乗用型4WDでアドバンテージがあるのはこのエンジン縦置のFFが基本構造なためです。元々FF車なので前輪は普通に駆動しますが、FR車のようにまっすぐプロペラシャフトを伸ばせば、後輪も強靭な構造の本格的な4WDができてしまいます。これゆえFFベースでありながら4輪とも強靭な駆動系を持つ本格的なフルタイム4WDが簡単にできてしまいます。しかも、スバルの場合は前後上下に極端に小型の水平対向エンジンですので、アウディよりもさらに有利です。水平対向エンジンはスバルとポルシェしか量産していませんが、ポルシェ911が危険なRRで成り立っているのは重心の低い水平対向エンジンのおかげです。スバルの場合はこれを前に積んでいるわけですが、左右対称で重心の低いこのレイアウトをスバルは自ら「シンメトリカルAWD」と呼んでいます。競合他社からみたら反則といえるほど有利な4WDレイアウトなのです。

一方、マツダのオリジナル車は、ロードスターを除いて全て平凡なエンジン横置FF車なのですね。構造的に後輪の駆動系を簡素にせねばならず、4WD性能では物理的にスバルには適わないです。そこで、マツダは「ならば軽量簡素なスタンバイ式4WDのメリットを生かそう」としたわけです。つまり軽量であることのメリットは生かし、できる限り2WDで走行として必要な時だけフルタイム4WDと変わらない性能を発揮できる方法を考えました。それが「i-ACTIVE AWD」で、先に説明した20個以上センサーを張り巡らせてソフトウェアの解析力で勝負したということです。
そして、ジャーナリストを招いた雪上試乗会でスバルができないことを披露していました。特に、強調したのは雪道でステアリングを切ったまま坂道発進をする状況でも、スリップせずに発進できるということです。スバルの2ペダル(AT/CVT)車の四駆システムは、タイトコーナーブレーキング現象を避けるため、ステアリングを末切した状態では後輪駆動系をカットして2WDにするため、雪道でステアリングを切ったまま坂道発進をする状況では空転する恐れがあります。そこまでしてスバルとの比較をアピールしたかったわけです。これによりスバルも同じ状況では4WDになるようにプログラム変更を行うに至りました。マツダの脅威がそうさせたのですね。こうして本式のフルタイム4WDのスバルとの比較でも、かなりいけることがアピールされて、マツダの4WDは評価されるに至っています。

少し長くなり失礼いたしました。ある程度マツダのスタンバイ式4WDの違いをご理解いただけたと思います。さらにご不明な点がございましたら、追加でご質問いただけましたら幸いです。

写真はパッシブ型のビスカスカップリングを搭載したスタンバイ式4WDの図です。ご参照ください。

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その他の回答 (4件)

  • センサーてんこ盛りにしてスタンバイをちょっと緻密に制御してるだけ。

  • 一般的なスタンバイ式4WDとはどう違うのか


    ビスカスの部分の
    トルクコントロール制御を
    細かくしています

  • 微妙に違うので、あまり「一般的な」とか「ふつうは」みたいな言葉は合いません。
    車種ごとに違う制御をしている。と言えます。

    基本的な制御はアクティブトルクコントロール4WDです。
    前後のトルク配分を、適時可変しています。

    基本はFFで前輪駆動。
    みたいに思われている人もいますが、発進時は55:45、加速中は後輪トルク多めで徐々に前輪に分配、定速走行で95:5、のように、徐々にトルクを分配します。
    数字は適当です。
    常に後輪にトルクを残すことで、すぐにトルク配分を変えることが可能です。

    また、滑ったら4WDになる。
    という認識の人もいますが、油圧式ならまだしも。
    電子制御式のタイプは、「滑りそうになったら」トルクを変えます。
    未来を予測するわけです。

    これはABSにも通じるものがあります。
    タイヤがロックしないように、制御する。

    センサー云々に関しては、これも車次第。
    出力抑制とABS、ステアリングも統合制御し、横滑り防止も兼ねていれば、それだけセンサーが多くなります。
    4WDと言っても4WD単体じゃないわけです。

    よって、積めば同じ4WDになるわけでもありません。
    トルク配分や制御は、車種ごとに調整されます。
    もちろん、コストの兼ね合いもある。
    なので、同じ4WDはありません。

  • i-ACTIV AWDは一般的なスタンバイ式4WDに比べてセンサー数が多いです。
    通常走行も前後トルク配分95:5のトルク配分で前輪が滑る前兆を予測し後輪にもトルク配分し最大50:50までトルク配分しますが珍しい技術では無くなりましたね
    所詮前後トルク配分のみで、今時なら前後左右が新しいです
    トヨタとか三菱とかスバル海苔から意外と評価が低い理由みたいですよ。

    https://newsroom.toyota.co.jp/jp/powertrain2018/4wd/

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