スバル BRZ 「何も足さない，何も引かない」のユーザーレビュー

何も足さない，何も引かない

2023.4.18

総評

【総評】

一瞬，運転が上手くなったのかと錯覚する，危険な魅力．

昔のウイスキーのCMにあった「何も足さない．何も引かない」って言葉をクルマに当てはめると，こんな感じになるのな．
「質実剛健」を絵に描いたような，ある意味とってもスバルっぽいクルマ．
「人馬一体」を標榜するあのスポーツカーとは似ているようで，やっぱり方向性が違うんだな，ウン．

満足している点

【満足している点】

・曲面メインで構成された，うねるようなグラマラスなボディ，特にリアフェンダーの張り出し．
・2ドアクーペ，FR駆動という稀有な構造で，オーナーが注目されているのかと，一瞬錯覚できる．
・ねっとりした感覚で切っただけ曲がる，無駄な遊びが無いステアリングの操舵感覚．
・低回転から発生する図太いトルク，ズボラに運転できてラクチン♪

不満な点

【不満な点】

・「普通トヨタでしょ」って言われる．
・「屋根開かないんだ」って言われる．
・我がブラックボディがカタログに登場するのは，色見本のページだけ．
・屋根が低くて洗いやすいと喜んでいたら，広大なリアウィンドウの内側にはまったく手が届きませーん．

デザイン

5

【デザイン】

ロングノーズ，ショートデッキという典型的なスポーツカーのデザインだが，よくぞここまで個性的なデザインに仕上げてくれた
眺めているだけでもご飯三杯はイケる，曲面主体の官能的なボディ！もはや芸術品ですね．
内装は余分な派手さは無いが，決して手抜き感を感じさせることのない簡素さ
パッと見，マニュアルミッションと見間違うシフトノブは，オーナーの虚栄心をくすぐる．


でも液晶メータは，ちょっと煩雑かも．この辺りは，あの人馬一体な車をお手本にしてほしかった．

走行性能

5

【走行性能】
公道を走る限り，走る・曲がる・止まるの基本性能に関しては最高のレベル，文句を言っちゃいけません．


特に優れていると感じたのは
・ステアリングを操作したら瞬時にググっと切れ込む回頭性．
→ ステアリングの味付けもさることながら，フロントストラットとバルクヘッドを連結するVバーの効果が大きいのかも．
→ 標準のVバーでこの効果なら，不要な振動は逃がしつつ必要な剛性のみを確保するSTiオプションのフレキシブルVバーが，とっても気になる～
・ブレーキペダルを軽く踏んだ時を強く踏んだ時の制動力の差が大きい．
→ 踏力による制御が容易．

普段走ってる道でも，こんなにライン取りの幅があったのかと驚く．

乗り心地

4

【乗り心地】
助手席のかみさん曰く
「前のクルマ（プジョー308）よりゴツゴツしてるけど，山道を走った後の疲れはBRZの方が少ないかも」



普通の凹凸はしっかりとゴツゴツ感を伝えるが，小さめの凹凸は上手にいなしてくれて，不快感を感じさせることなく路面状況を的確に伝えてくれる．
不安になるようなロールは一切無く，低重心ボディの面目躍如といったところ．
高速道路でのロードノイズは，やや大きめ．
アイサイトが効かなくなるような豪雨の中でも，不安感は一切なし！

積載性

3

【積載性】

スーパーの買い物かごが余裕で三つ載る，週末の買い出しに使えるスポーツカーって，他にあります？
リアシートを倒した時に出現する段差の無いフラットな荷室は，下手なファミリーカーよりはるかに使い勝手が良い．
まさかこんなところが，配偶者へのアピールポイントになるとは思わなかった．

燃費

3

【燃費】

その絶対値だけ見れば，エコを前面に押し立てた最近のクルマにかなうはずがありません．
しかしうちの地元のように信号が少ない地方では，回さなければ，11～12km/L程度は可能．
意のままにクルマを操れることを考えたら，その対価としては十分に納得できると思いますよ．

しかし前車がディーゼル車だっただけに，満タン給油後の走行可能距離（とレシート）を見ると，一瞬目を疑う．

価格

5

【価格】

でも，お高いんでしょう？
（画像出典：bokete.jp）

と自分も思ってました．
しかしじっくり考えたら，もはや最後かもしれないガソリン車で，車両本体以外に必須と思われるのは，フロアマットとETC車載器，オーディオ程度．
いずれも汎用品からの選択肢が広いので，純正オプションに比べたら..... ねえ．

ということで，
今を逃したら，こんなお得なチャンス，二度とありませんよ，奥様！

故障経験