2016年6月
■2016年6月
メルセデス・ベンツ日本は、絶版になっていたコンパクトカーのスマート・フォーフォーを改めて復活させ、2016年1月に発売すると発表した。スマート・フォーフォーはダイムラーとルノー・日産との提携の中で、共同開発されたもので、次期ルノー・トゥインゴとは姉妹車の関係になる。
外観デザインはかつて時計メーカーのスウォッチと共同開発した初代モデルのイメージやコンセプトを受け継ぐとともに、メルセデスの安全技術に基づくトリディオン・セーフティセルとボディパネルの2色のコントラストを特徴とする。全体のシルエットは、ボンネットの位置を高くした1.5ボックスに変更されている。極めて短い前後オーバーハングと外側に配置したホイールが生む特徴的なプロポーションは、優れた視認性とアジリティにも貢献する。
リアにエンジンを搭載し後輪駆動とするRRレイアウトと組み合わせることで、コンパクトなボディの中に高いスペースユーティリティを実現した。タイヤは前後異サイズを採用し、フロントタイヤ幅がリアタイヤより細く外輪の切れ角が大きいことが、最小回転半径を小さくすることに貢献している。
インテリアはポップなキャラクターを強調する色と素材を採用する。シートはフロントにヘッドレスト一体型のスポーティなタイプを採用し、ダッシュボードとドアパネルにはメッシュファブリック素材を採用した。ループと名付けられた楕円形の曲線は、ダッシュボードやドアなどを飾るインテリアモチーフとなっている。
エンジンは可変スワールコントロール、吸気バルブ可変コントロールなどを採用した新開発の直列3気筒1.0リッターの自然吸気エンジンで、52kW(71ps)/91N・mのパワー&トルクを発生する。信号待ちなどのときにエンジンを停止させるECOスタートストップ機能も備えている。
トランスミッションはツイナミックと呼ぶ6速のデュアルクラッチ(DCT)で、シフトアップやシフトダウンの際に駆動力が途切れることのない、滑らかで快適なドライビングを実現する。ボタン1つでECOモード/SPORTSモードを切り替えることができ、またDレンジではマニュアル操作も可能だ。
サスペンションは、フロントに新型のマクファーソン式を、リアに改良したド・ディオン式を採用し、スプリングストロークを大幅に拡大することで快適性が高められた。ステアリングは、機械式ラック&ピニオンステアリングを標準装備する。
安全性に関しては、万一の事故のときにトリディオンセーフティセルが乗員の居住空間を確保するほか、スマートよりもサイズや重量が大きい車両との衝突適合性(コンパティビリティ)を重視した設計がなされている。
アクティブセーフティでは、レーダーセンサーにより先行車との車間距離をモニターし、衝突のおそれが生じた際にディスプレイ表示と音によりドライバーに警告する「衝突警告音機能」を備えている。
グレードは内装がファブリック仕様のパッションと本革仕様のプライムの2グレードが設定されている。
同年6月1日には価格改定を行った。
■2016年8月
メルセデス・ベンツ日本は、5ドアコンパクトモデルのスマート・フォーフォーにターボエンジンを搭載したフォーフォーターボを2016年8月3日に注文受付を開始した。同年9月頃に発売を予定している。
新たに設定されたフォーフォーターボは、16インチブラックペイントアルミホイール、クロームエグゾーストエンドでエクステリアを差別化。インテリアもプライムに対してパドルシフト、スポーツペダル、コックピットクロック&レブカウンター、マルチファンクションステアリングが追加されている。さらにブラック内装に本革シート、パノラミックルーフを備えるなど、スポーティでありながら高級感を演出したインテリアも特徴だ。
パワーユニットは0.9リッターの3気筒エンジンにターボチャージャーを組み合わせ、最高出力66kW(90ps)、最大トルク135Nmを発揮する。既存の1.0リッター自然吸気エンジンに対してパワーで14kW(19ps)、トルクで44Nmの性能向上を実現し、スポーティさを高めると同時にゆとりある走りも得られるという。組み合わされるトランスミッションは自然吸気モデルと同じく6速デュアルクラッチを採用。シフトアップやダウンの際でも駆動力が途切れず、Dレンジではマニュアル操作も可能だ。
環境性能でも低排出ガス車認定(平成17年基準)の4つ星(75%低減レベル)を獲得しており、経済性でも22.0km/LのJC08モード燃費を実現。新エコカー減税の優遇を受けることができる。
快適装備は他のモデル同様に充実しており、レインセンサー、オートライト、クルーズコントロール、オートエアコンなどは標準装備。新たなアクセサリーで注目したいのは、エアウィーヴ社との共同開発による「エアウィーヴコンフォートシーター」だ。これは独自素材(エアファイバー)を難燃仕様としたエアウィーヴでは初となる自動車用(フォーフォー後席専用)のクッション。背中から腰、お尻までしっかりと支えながら均等に体圧を分散するので、長時間座っていても快適に過ごすことができるという。