ニッチだが味のある車
今時珍しいバンと共通車種のワゴン車。内装も基本的にバンと同じ造りで、言うなれば、座席が二つ余分についているだけです。
バンと共通
2010.4.14
- 総評
- ニッチだが味のある車
今時珍しいバンと共通車種のワゴン車。内装も基本的にバンと同じ造りで、言うなれば、座席が二つ余分についているだけです。
バンと共通車種というだけあって、荷物の積載能力は乗用車では群を抜きます。しかも室内が広い割には車体が短く、たぶん、背高ミニバンの中では最も車体長が短い部類に入るのではないかと思います。なので、車庫が狭くてウチはミニバンは無理、という人でも、この車なら手が出せるだろうと思います。
運転性能でも、本来は仕事で乗る人のための車、というだけあって、運転のしやすさは抜群です。ミニバンの多くが最小回転半径5.5メートル程度のところ、この車はコンパクトカー並みの5.2メートルですから、取り回しのしやすさは、実際にハンドルを握ると、他のミニバンとの差は歴然です。
リアサスがバンと共通のリーフリジッド(板バネ)ですから、乗り味は確かに固めですが、サスの味付けはバンとは変えてあるため、さほど跳ねるわけでもなく、もちろん高級車のようにはいきませんが、乗り心地として、他の車に比べてそれほど遜色があるわけではありません。
ただ、所詮はバンベースのワゴンです。内装は内張りが大幅に省略されて鉄板むき出しですし、シートも他のミニバンのような乗用専用設計ではありませんから、この車に他のミニバン同様の快適性と高級感を求めるのは間違いです。この車の簡素な内装を自分でいじってやろう、とか、あくまで日常の道具としての利便性と使い勝手を追及するか、そのいずれかの考えを持つ人にしか、この車は向いていません。あくまでメジャー狙いではなく、この車の「味」が分かるニッチな購買層に的を絞った車だと考えたほうがいいだろうと思います。
確かに、セレナとの棲み分けが難しいのも分かりますが、日産も、この車(ワゴン)をそんなに真剣に売ろうとしているようには思えません。オプションをつけると、セレナの廉価グレードとあまり価格差がなくなることもあり、そういう意味でも、万人に売るには適さない車だということは、日産サイドもよく分かっているのではないかと思います。
実際に、自分の車以外に16Sを公道で見たことは、まだ一度ありませんので…
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- 満足している点
- ・車体の大きさの割に室内が広い、狭い車庫にも入る。
・最小回転半径が短い(5.2メートル)ため、狭い道でも余裕で走れる。
・運転席のアイポイントが高く、遠くまで見通せる
・ドアミラーから後輪が見える(さすがバンベース)
・音は結構静か。その割に低いエンジン音で「運転している」気になれる
・ていねいに走ればそこそこ燃費もいい
・荷物がたくさん積める(自転車やミニバイクも余裕)
・荷室に二人ぐらい横になって寝られるので、いざとなったら車中泊も可能
・バンベースなのに、後席スライドドアにチャイルドロックがちゃんとついている
・前ドアの開閉音が意外に静か(後のスライドドアはバンと同程度の音がする)
・街で見かけることがないレアさ(笑)
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- 不満な点
- ・Aピラーが太いため、右前方の死角が大きい
(三角窓からほとんど外が見えない。これはちょっと問題だと思う)
・後席の窓が開かない。オプションではあるが、下に開かず左右引き違いなのでガラス面積が減る
(なので、うちはサイドスライドウィンドウはつけなかった)
・2列目がスライドしないので3列目への乗り降りは不便。2列目の背もたれを倒すのに結構力がいる
・座り心地は悪くないが、2列目の人が背もたれをリクライニングすると3列目の人の膝に当たる
・2列目の窓の天地が狭いので、小さな子供は外が見づらい
(ただし、チャイルドシートで充分補正できるレベル)
・ワゴン(16S)の場合、収納場所は期待するほど多いわけではない
助手席前のダッシュボード下の収納にフタがない(これはバンも共通)
- デザイン
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- 走行性能
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- 乗り心地
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- 積載性
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- 燃費
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- 価格
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- 故障経験