日産 フーガハイブリッド 「個人向け乗用セダンでフルサイズ」の専門家レビュー ※掲載内容は執筆日時点の情報です。

西村 直人
西村 直人(著者の記事一覧
交通コメンテーター
評価

3

デザイン
3
走行性能
3
乗り心地
3
積載性
3
燃費
2
価格
2

個人向け乗用セダンでフルサイズ

2022.1.17

年式
2010年10月〜モデル
総評
セダンに特別なこだわりがないのであれば、あえて選ばれることがないであろうフーガ。ただ、そこにジャストミートするのであれば、最後の内燃機関大型セダンとして選択するのもアリだ。1モーター2クラッチのハイブリッドシステムは癖があるが、それを我が物にすれば生き物のようで楽しい。ハイブリッドシステムの変遷を知る上でも貴重な一台だ。
満足している点
往年のセダンであること。これに尽きる。ただ、先進安全技術に関しては現代でも通用する。たとえばインテリジェントペダルは先行車への近づき過ぎを検知してアクセルに反力を発生させ、緩いブレーキ制御も介入させる。後にホンダやメルセデス・ベンツ、最近ではレクサスNXにこの制御技術が投入された。
不満な点
致し方ないことだが、セダン需要の減少に伴い発売時から大きな技術的な進歩が見られないことだ。とくに燃費性能に関しては見る目が厳しくなった。フーガはハイブリッドモデルをラインアップするが、燃費数値よりも走行性能に特化していた時代のシステムで今となっては分が悪い。
デザイン

3

堂々としたスタイリングは3ボックスセダンの代名詞としてふさわしい。一方で日産のデザインテイストからすれば2世代前のもの。シルエットは流麗で美しく、当時最先端の解析技術を駆使して作られたが、今となっては空力性能や衝突安全性能などで劣る面も。内燃機関最後のセダンデザインともいえる。
走行性能

3

エンジンはすべてV型6気筒。2.5l、3.7lのガソリンに加えて、3.5l+HVが用意される。日産が総力を挙げて開発した1モーター2クラッチ方式だが、制御が複雑で高価であることから今や、シーマ、スカイラインなど数少ないモデルが採用するのみ。ただし、加速性能は素晴らしく、豪1.9t近いボディを豪快に走らせる。
乗り心地

3

フラットな路面では滑らか。7速ATの変速制御もスムースで乗り心地は良好だ。しかし荒れた路面では20インチの大径タイヤを抑えきれずバタつきが目立つ。HVモデルは中間加速領域に変速のシークタイムがあり、結果的にそれがシフトショックを誘発する。これはドライバーがシステムに協調しアクセルワークに気を遣えば発生しづらいものの課題ではある。
積載性

3

ボディサイズからすればトランク容量は小さめ。最近はセダンボディであってもリヤシートに可倒機構を備えるモデルが多いが、残念ながらフーガには設定がない。それでもバンパー上から開口部が設けられており、天地方向にはゆとりがあるからゴルフバックは4セット収納可能だ。
燃費

2

2代目である現行モデルにHVモデルが登場した2010年当時は10・15モード燃費で19.0km/lと公表されていたが、今やWLTC値になり12.8㎞/l。同クラスのレジェンドも同じ値なので平均値であり限界値ともいえる。よって、この先はe-POWERなどの電動化がこのクラスにまで波及すると考えられる。問題は次期型があるかどうかだ。
価格

2

個人ユーズの常用セダンであることから502.7万円から用意される。上はハイブリッドモデルで723.0981万円と高額に。ボトムグレードから必要なものをすべて備え快適な移動が実現するが、現行のガソリンモデル登場は2009年と古いため、たとえばカーナビやオーディオが現代の使われ方にはそぐわない。その意味でも価格以上に高く感じられる。
西村 直人
西村 直人
交通コメンテーター
WRカーやF1、MotoGPマシンのサーキット走行をこなし、4&2輪のアマチュアレースにも参戦。物流や環境に関する取材を多数。大型商用車の開発業務も担当。国土交通省「スマートウェイ検討委員会」、警察庁「UTMS懇談会」に出席。自動運転技術の研修会(公的/教育/民間)における講師を継続。警視庁の安全運転管理者法定講習における講師。近著は「2020年、人工知能は車を運転するのか」(インプレス刊)。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員日本自動車ジャーナリスト協会会員
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