日産 フェアレディZ 「いまの時代に熱意と意地で届けてくれた、稀有なスポーツカー」のユーザーレビュー

いまの時代に熱意と意地で届けてくれた、稀有なスポーツカー

2024.11.13

総評

シビックタイプR（fl5）、GRヤリス（4BA-GXPA16）にも乗っているが、結局この車が残った。 どれも素晴らしい車だが、シビックタイプR、GRヤリスのエンジンは元気いっぱいで、音が大きい。 足捌きは素晴らしいのだがフェアレディZのそれと比較すると、どちらも硬い。 そしてロードノイズが、車内に響く。

フェアレディZは、静かで峠道を剛体に着く脚がしなやかに動き、流しながらドライブできる。 踏めば踏み切れないほどのパワーを出すが、潤沢な排気量からくる、じゅわっとしたエンジンサウンドが病みつきになる。

３台の怪物を令和の時代によくぞ出してくれたことは、素直に感謝である。最近の日本車は、本当すごいと思う。

残した理由、それはスポーツカー以外の用途しかないという単純な理由。 レースをしない私にとって、乗り味と趣味性が高いこと。 スタイルは歴代モデルを踏襲しているというが、いいとこ取りなので悪いはずがない。インテリアも古さもあるが、まとまっている。

低く、スタイル良く、速い。 単純な魅力に溢れている。
このご時世、惹かれるスポーツカーが日本には沢山ある。
環境性能、ニーズ、メーカーとしての存続、遺し続けるには売れなければならない。 だから歴代の良きディテールも取り入れる手段さえも選択に入れた、RZ34。
純内燃機関モデルは、これで最後かもしれない。
意地と熱意で生まれた今回のフェアレディZ。
色んな意味で、稀有なスポーツカーである。

満足している点

トピックは多いが、実は車としてはシンプルでまとまりがいい。
MTを選んだが、ドライブモードも無い極めてシンプルな走る事にのみ特化した車である事が分かる。

２トーンや真四角グリルなど最初は優れたディテールを邪魔する要素が多かったので、ミッドナイトブラックを選んだことで秀でたディテールがより良く映えて見えている。

不満な点

シートがいただけない。
相当な台数を乗り継いできたが、ここまで出来の悪いシートに出会った事がない。座面が高いので、ハイアイポイント。
173cmの当人で、天井に頭が迫る感がすごい。
キャリーオーバーする箇所ではないと思う。
海外の方は、大丈夫か！？

結果。純正シートを変更。
BRIDE STRADIAⅢをベースにした、edirb 172に両座とも変更。 乗り込みは更に悪化したが、それと引き換えに更なる剛性と40mm下がった座面で包まれ感が増して好印象。

バックカメラが、いつのモデルかよってぐらい画質が荒い（笑）

MTはシビックタイプRが秀逸で、ついでGRヤリスが良かった。
フェアレディZは、比較してストローク長くゴリゴリしながら入れ込む。

デザイン

5

過去のモデルのエッセンスを取り入れているというが、あまりそういった目で眺めていない。 だけど、いいとこ取りなので悪いはずがない。 歴代モデルを眺めてきた記憶が、RZ34をより良く魅せていることは間違いない。

ただ逆スラントした魅惑のノーズがよく見えない、フロントナンバーが嫌で牽引部分を利用したナンバー固定としたことでより魅力がアップした。

走行性能

4

塊感というか、剛体の中にいるようなボディ。
トレースも右に左に素直である。
踏めば排気音が一変。
モリモリとトルクが湧き上がり加速してゆく。

乗り心地

5

意外にも良い。
もちろんロード情報は伝わってくるのだが、嫌な感じがない。

今どきドイツ車も英国車もプラスチックが擦れあい、地面からの衝撃とともにビビリ音が鳴る。 フェアレディZは、この様な事がない。最近の日本車は、すごく良く出来ている。

積載性

3

腰高なトランクは薄く、積載量は期待してはいけない。

燃費

3

燃費を気にして乗る車ではない。

価格

5

高いような安いような。
感じ方に個人差があると思う。
ただ買えないから、高く感じるという変な現象は良くない。

ダウンサイジングのご時世、3.0Lをキープしてエンジンルームぱんぱんに載ったエンジン。 それなのに全長は、4.3mを切るコンパクトなサイズ感。 それなのに405馬力。
ある意味で唯一無二の国産スポーツカーである事を考えると、安いかもしれない。

故障経験

特に無し