日産 フェアレディZ 「これは日本車の歴史に残る1台」の専門家レビュー ※掲載内容は執筆日時点の情報です。

これは日本車の歴史に残る1台

2022.11.22

年式

2022年2月〜モデル

総評

素晴らしいです。興味のない人にとっては「どうでもいいクルマ」だと思いますが、好きな人にとっては「たまらなく好き」と思わずにはいられない存在ですね。性能は歴代Zの集大成だし、デザインもカッコいい。開発陣に感謝したい気持ちでいっぱいです。

満足している点

カッコいいデザイン。405psのエンジンで歴代最強の動力性能。もしかすると日産にとって最後のハイパワーピュアエンジンのスポーツカーになるかもしれない存在。何も言うことはありません。「これが欲しい！と思える人のためのクルマ」です。

不満な点

最大の「残念」は、欲しくても買えないことですね。生産キャパに対してオーダーが殺到したことで、現在受注停止中。果たして再開する日は来るのでしょうか……。もしかすると、このまま“レアな存在”に……？

デザイン

5

単純にカッコいいと思っています。最近のスポーツカーって過去の雰囲気を巧みに活用するのがトレンドで、たとえばアメリカでは「カマロ」や「マスタング」が大人気。するとアメリカを最大の市場とするフェアレディZも……というのは当然の流れですね。というわけで最新のフェアレディZは、フロントは初代のS30型がモチーフ、リヤは大ヒットした4世代目のZ32型からインスピレーションを受けたデザインです。「Zファンのために最高のZを作った」という開発責任者の言葉が、しっかりとカタチになっていますよね。

走行性能

5

Z史上最強です。405psのターボエンジンはとにかくトルクフル。アクセルを踏むと、グググッと強烈に車体を前へ推し進めてくれます。その勢いが凄いのなんのって。そのうえレスポンスも鋭く、さらに高回転だってしっかり回る。もしかすると現行Zはピュアエンジンを搭載する最後のZになるかもしれませんが、それにふさわしい動力性能といっていいでしょう。あとコーナリング。安定感も俊敏性も申し分なしです。とにかく、ドライバビリティに熱い魂を感じられるのがいいですね。

乗り心地

3

走りのフェアレディZですが、乗り心地も悪くないのだから驚くばかり。運転している本人はもちろん、助手席の人からもクレームが来ることはないでしょう。ただ「乗り心地」ではないですが、居住性はスポーツカーらしさ満点で、言い方を変えればタイトで閉塞感はあります。リクライニング調整もあまりできないし…。

積載性

1

生粋のスポーツカーだけに積載性は期待してはいけません。後席がないのでそこに荷物は積めないし、ラゲッジルームも機内持ち込みサイズ＋α程度のスーツケース2個がジャストサイズ。でも、いいんです。このクルマにとって大切なのはそこじゃないから…。

燃費

2

いったい誰ですか、フェアレディZに燃費を期待しているのは？（笑）MTで9.5km/L、ATなら10.2km/L。これだけ走れば文句なしではないでしょうか。

価格

2

ベーシックグレードで524万1500円。最上級グレード（限定車を除く）は646万2500円。たしかにかなりの高額車です。でもいいじゃないですか。歴代最強のZなのですから。405馬力ですよ。