日産 セドリック 「本家日産最後のセドリック」のユーザーレビュー

智海寺の奥山 智海寺の奥山さん

日産 セドリック

グレード:300LV(AT) 2001年式

乗車形式:過去所有

評価

3

走行性能
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乗り心地
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燃費
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デザイン
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積載性
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価格
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本家日産最後のセドリック

2015.6.25

総評
適度な「何だろうあの車」感が最もな魅力です。
それでいて修理困難なほど古くもなく維持もとびきり難しい訳でもなく、入手するにも難しくなく、玉数もまだ多いため、モデルをしっかり選ぶことが可能です。
少々こだわりがあって、ちょっと人とは違う車にしようとしている人向けと言えそうです。
真剣に検討している人であればお薦めできる車ですが、単にセダンであればどれでもよいと考えている人には、通常のポート噴射エンジン搭載のモデルをお薦めします。

年式としては既に十年以上経過しており、自動車税も割増対象になっているのですが、車自体は現在でも十分通用するだけの魅力を持っています。
乗るたびに、こんな良い車を自分は買ったのだと思わせてくれた車でしたが、良すぎたせいで最後の最後まで自分の車ではない感が非常に強く、乗っているようで乗せられている感が残ったまま乗り換えになってしまったことが非常に悔やまれるばかりです。

満足している点
初のセダンという事もあって非常に期待していた車でしたが、パワーシートやフルオートエアコン、走行性能、デザインなど、どれも十分に満足のいくものでした。
特に気に入っていたのは、日産に欧州資本が入る前の純粋な日本企業であった頃のモデルである事で、このY34型の後はフーガ、ティアナに取って代わられる形となり、そもそものカーデザインが180度変わってしまいました。
丁度、クルマのデザインから直線が減っていく過渡期あたりのモデルで、あまりに曲線を使って凝った形をしたライトやボディを採用するギリギリ手前のデザインで、「大体」矩形のヘッドライトや上位モデルを意識していそうなブレーキランプなど、私の好みにジャストミートしている世代の一世代後という感じでした。

日産が他社高級セダンに対抗するためにセドリック、グロリアとして送り出した最後のモデルでしたが、その名前を冠する以上は半端なものは出せないという開発者のこだわりを見せるかのようなそのデザインは、販売から十年以上経過した今でもかなりのインパクトを放っています。
日本車らしからぬ領域にまで踏み込んだそのデザインは、リヤのセドリック・ロゴと日産エンブレムを見なければ、余り車に強いこだわりを持たれない人には外車に見えるようで、それも大変気に入っていたポイントであります。

後期型ではセドリック・ロゴが筆記体のものから日産統一書体であるNE01のものに変更されていますが、やはりセドリックには筆記体ロゴが似合うと思います。
不満な点
デザインは相当な気の入れ様でしたが、動力部も確かに開発者冥利をとことん突き詰めたように見える一方、反って徒となった所があるように思えます。
特に最上級モデルには大トルクエンジン用に開発され、Y34にしか採用されなかったエクストロイドCVTを搭載するなど、フラッグシップモデルにふさわしい装備を誇っていましたが、当時の世相を反映して300LVに採用されている直噴Neo Diエンジンを含め、故障の多いモデルとなってしまっています。

また経年劣化に弱いところがあり、高級車でありながら車内部品のノイズが多いことやバンパーの変色、内装パネルの塗装はがれなど、歴代のフラッグシップセダンモデルに比べると問題が多いようです。

年式が新しいとはいえ故障率が高いため、きちんと維持していくにはそれなりの資力が必要な車です。
デザイン

-

走行性能

-

排気量は3000ccですが、快適装備を多く搭載しているこの車は非常に車重があります。
2t近い車重のために2500ccモデルでは力不足とも言われていますが、3000ccあれば余程パワー重視の人でない限りは十分な性能だと思います。
どうしても不安な人向けには3000ccターボエンジンもあります。

セダンの中でもかなり大型の部類に入ります。全長としてはワンボックスカーと比較しても負けないくらいでしょうか。人に聞いてみると「無駄に大きい」との評価が多いです。
FF車から乗り換えると、右左折時の感覚の違いがあるかも知れません。
駐車場が狭いと少々苦労します。旋回半径が大きくなってしまううえにFRですから、FFワンボックスカーと同じ感覚とはいきません。でもこれは慣れの範囲内だと思います。

思ったよりも全長があるので、狭い駐車場だと尻が出る恐れがあります。或る程度寸法を確認しておいたほうがいいかもしれません。車幅については一般的な駐車場でそれほど苦労するほどではないと思います。
駐車場は少々考慮したほうがいいかもしれません。
乗り心地

-

今や少なくなってしまったフロントエンジン・リヤドライブの駆動方式で、どっしりと構えた走行ができます。
どんな路面でも突き上げるような衝撃は来ません。軽く受け流しているような印象です。
サスペンションは此の手の車ですから丁度よい所を取っていると思います。柔らかすぎて逆に酔うという事は全くなく、適度な浮遊感とでも言うべきところでしょう。しかし製造から十年以上が経っていますから、サスペンションの疲労度により変わる可能性があります。

静粛性は非常に高いと言えると思います。
私のモデルは3000cc直噴NAエンジンモデルでしたが、3000ccポート噴射ターボモデルとの比較では、若干ですがターボモデルのほうが低音が大きく感じました。しかしそれでも十分にセダンとしての静粛性は高いものでしたから、ほんの少しの差ではあります。
聞いてみて違いはありましたので、これでもという静粛性を求める方には直噴モデルをお勧めします。ターボモデルのオーナーの方も静かだと言っておられました。
積載性

-

車内は大人5人が乗れるだけの広さを持っていますが、前席は成人男性二人が乗っても全く狭くはありません。
しかし後席の前方向のスペースが狭いため、もし後席に人を乗せる場合にシートを思ったよりも前にしないと駄目だった、という事が往々にしてよくありました。

トランク容量はゴルフバッグ基準にして4人分が楽に収納できるもので、必要十分なレベルです。
プライベートスペースとしての利用も考慮されており、スペアキーでのトランク開閉が不可能で、運転席トランクリッドオープナーの無効化が可能です。
燃費

-

この手の車にしては燃費はよい方です。
V6エンジンながら、超希薄燃焼を可能にした燃料筒内直接噴射方式によって低燃費化を図っており、街乗りでも8km以上で走っていました。高速道路では、満タンにて550km先まで走行し5/8程度(50L)、リッター11km程でした。

燃費に直結するエアコンですが、日照センサーを装備したフルオートエアコンにより自動調節されます。
また、エアコンの間欠動作の周期を延ばすことにより燃費の改善を図るエコノミーモードを装備します。

但し後述する理由によって、燃費は悪化することがあります。
価格

-

故障経験
他セダンに比較すると故障が多いと言われています。同じくセドリックの前モデルと比べても、故障しやすいとの評価が多いです。

当方ではイグニッションコイルの不調が発生して全本交換しました。一度症状が出るとかなりの振動を出します。これはY34形式では多いそうです。
また、故障ではありませんがバッテリーを結構食うようで、乗用車としては最大容量のバッテリーを積んでいたのですが、一年でかなり弱ってしまいました。(国内メーカー製、電装品追加は消費電力200W程度のオーディオ程度)
最終的にはミッション不調により変速しなくなりました。元々変速時のショックが大きかったのですが、これが正常時と同等であったのかまでは把握できませんでした。このショックがかなり大きかったため、ミッションの修理を諦めて乗り換えることを決しました。

電気系も故障とまではいきませんが不調が多く、エアコンが夏場に温風を噴き出したり(勝手に変わる)、パワーウインドウが一時的に操作不能になったり、エンジン始動時に猛烈な振動が出たり(ワイパー使用時が特に多い)、経年劣化によりバンパーが白くなる等、気になる点が多かったように思います。
しかし球切れ等で燈火類を一度も交換することはありませんでした。

一番気にしていた直噴エンジン特有のエンストですが、まだ走行距離が少なかったことやハイオクとレギュラーを交互に入れたりしていたこと、添加剤の使用などによってエンストすることはありませんでした。特に異常もなくずっと快調でした。
エンジンオイルは3000kmで交換できるパックに入っていたのでかなり早めの交換でしたが、それでもポート噴射エンジンに比べればかなり黒く汚れていました。
エンストは10万kmあたりからが危険とされていますが、この症状が出ると燃料を多く吹く事になるため、燃費が悪化します。

全体的に見て、走行系部分の故障の率が高い車と言えると思います。

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