2014年10月
■2014年10月
メルセデス・ベンツ日本は、Cクラスステーションワゴンを6年ぶりにフルモデルチェンジし、2014年10月1日に発売した。先に発表したセダンに続くもので、これまでに比べてかなり早めのタイミングでのステーションワゴンの投入となった。
基本コンセプトはセダンと共通のアジリティ&インテリジェンスとされ、ボディパネルの約50%にアルミを使って軽量化を図ったことなども同じである。この軽量・高剛性ボディによって重心高の低下によるスポーティかつ俊敏なハンドリング、NVH(騒音、振動、ハーシュネス)特性の最適化に加え、燃費を最大で20%以上向上させている。
ステーションワゴンとしての使い勝手は大きく向上し、最大積載容量は1490Lで先代モデルに比べて25L拡大している。リヤシートの背もたれは2分割から3分割の可倒式に変更されたほか、後方からボタンひとつで倒せる電動機能を備えている。
また自動開閉式の電動テールゲートは手を使わずに足でジェスチャーをすることで開閉できるハンズフリーアクセス機能も備えている。
搭載エンジンは1.6リッターと2.0リッターの直列4気筒BlueDIRECTターボエンジンで、2.0リッターエンジンはメルセデスが世界で初めて実用化した成層燃焼リーンバーン、ターボチャージャー、EGR(排ガス再循環装置)の組み合わせにより、ゆとりある動力性能と高い環境性能を生み出している。
足回りは前輪が新開発の4リンク式で、後輪が伝統のマルチリンク式を採用する。グレードに応じて、アジリティコントロールサスペンション、スポーツサスペンション、エアマテックサスペンションが設定されている。
エンジンやトランスミッション、サスペンションやステアリングはアジリティセレクトによって選択が可能で、ユーザーの好みに応じてさまざまな設定でクルマを走らせることかできる。
安全性に関しては、レーダーセーフティパッケージを始めとするさまざまな運転支援システムが採用されており、クルマの周囲360度を見渡すセンサーによって交通状況を判断し、一部に自動運転となるような要素も盛り込みながら、安全な運転を支援する。現時点で最高の安全装備である。
バリエーションはC180ステーションワゴンをベースに全7グレードが設定され、セダンではオプション設定の装備も標準装備とするなど、納期の短縮を図る設定とされている。
2015年4月1日には価格改定を行った。
■2015年9月
メルセデス・ベンツ日本は、Cクラスをベースにしたメルセデス-AMGモデルのC450 AMG 4MATICステーションワゴンを2015年7月21日に発表した。この日から注文の受付を開始し、本年9月に発売の予定という。
C450 AMG 4MATICステーションワゴンは、メルセデス-AMGが専用に開発した高出力のV型6気筒エンジンと、 パフォーマンス志向の四輪駆動システムであるAMG 4MATICを備えたメルセデス-AMGスポーツモデルの第一号となるモデルだ。高い走行性能を実現するAMGテクノロジー、モータースポーツを想起させるエモーショナルなAMGサウンド、そしてスポーツマインドを刺激するAMGデザインの3つを特長とする。
外観デザインは、シングルルーバー付きダイヤモンドグリル、AMGトランクリッド・スポイラーリップやデュアル・ツイン・エグゾーストエンド、ハイグロス・ブラック19インチAMGツインスポーク・アルミホイールなどを採用している。
搭載エンジンはメルセデス-AMGが開発した3.0リッターのV型6気筒直噴ツインターボ仕様で、最大圧力200barのピエゾインジェクターとスプレーガイド式燃焼システムによって、最適な燃焼状況を作り出す。クランクケースとシリンダーヘッドをアルミニウム製として軽量化も図り、シリンダーウォールには摩擦低減と高強度を実現するナノスライド加工を施した。
これらの最新技術によって、最高出力270kW(367ps)、最大トルク520N・mを発生し、0-100km/h加速4.9秒のパフォーマンスを実現している。
高性能エンジンのパワーを4輪に最適に配分するため、メルセデス-AMGが開発した4WDシステムのAMG 4MATICをCクラスとして初めて搭載した。基本は33:67とリア寄りのトルク配分を採用した4WDシステムだ。
足回りにはメルセデス-AMGが開発したAMGライドコントロール・スポーツサスペンションを採用した。AMGダイナミック・セレクトスイッチまたは専用ボタンにより3種類のモードから電子制御ダンピングシステムの減衰特性を選択することができる。
ブレーキは、フロントに360mmのドリルド・ベンチレーテッド・ディスク、リアに320mmのベンチレーテッド・ディスクを採用し、ハイパフォーマンスに対応する強大な制動力と耐フェード性、ペダル操作に対する優れた応答性を得ている。
C450 AMG 4MATICステーションワゴンでは、ユーザーにわかりやすい商品構成と納期を短縮するため、オプションパッケージを設定せず、C450 AMG 4MATIC(セダン)のエクスクルーシブパッケージに相当する装備およびパノラミックスライディングルーフが標準化されている。このためセダンに対して80万円高の価格が設定されている。
■2015年10月
メルセデス・ベンツ日本は、Cクラスステーションワゴンにクリーンディーゼルエンジンを搭載したC220dステーションワゴンを追加し、2015年9月28日から注文の受け付けを開始、同年10月に発売した。
メルセデス・ベンツのクリーンディーゼルは、尿素SCRディーゼル排出ガス処理システムのブルーテックを採用する。これは、排出ガスに尿素水溶液(アドブルー)を噴射して化学反応(還元作用)を発生させ、有害な窒素酸化物(NOx)を大幅に削減するもので、世界で最も厳しいとされる日本のディーゼル排出ガス規制に適合している。
今回Cクラスのラインアップに追加されたC220dステーションワゴンは、最新の直列4気筒2.2リッターディーゼルを搭載する。ピエゾインジェクターを用いた最新世代のコモンレールシステムや、大きさの異なる2基のターボへの排気の流れを可変フラップにより制御することでターボラグを解消しながら必要なブースト圧を引き出す2ステージターボなどの先進テクノロジーにより、最高出力125kW(170ps)、最大トルク400N・mの力強い動力性能を実現している。
トランスミッションは、Cクラスとして初めて9速ATの9Gトロニックを採用した。現在市販されているトルクコンバータ式ATの中で最も変速段数が多いこのATは、1つのギアが受け持つ速度域が狭くなるため変速ショックとエンジン回転数の上昇が抑えられ、静粛性と燃費の両方を高いレベルで実現する。
クリーンディーゼルと9速ATの組み合わせはCクラスとして世界初で、これによってC220dアバンギャルドは20.3km/Lを達成した。
グレードはC220dステーションワゴンアバンギャルド、C220dステーションワゴンスポーツ、C220dステーションワゴンスポーツ本革仕様の3グレードが設定されている。